2012. 01. 26 - 27 明神岳
恒例化してきた月一度のテント山行の一環。大山、恐羅漢山以外はほとんど行っていない中国地方を最初に考えた。大山か蒜山にと計画したが、やはりやや遠くて公共交通の便も悪そうだし、今年の日本海は大雪に見舞われているので、途中挫折の可能性が大きい。この一年間で4回目という入れ込みようとなるが、また台高山脈に足を向ける。
同行: 単独
2012. 01. 26 大又から明神平まで |
コースタイム
1128 大又BS、1208-25 魚止滝、1305 林道登山口、1430明神滝、1530-40 水場、1610 明神平
5時半に家を出る予定にしていたが、夜に数時間寝付かれなかったので、8時発に変更した。それでも十分明神平には着くことができるので、国見山あたりへの散歩を諦めればよいだけと前日から気楽に考えていた。
大又は2度目で、前年の10月に来ている。バスを降りると小雪が舞っている。運転手に聞くと今年の雪は少ない方とのことだったが、確かに林道歩きも雪で歩きにくいということはなかった。車の轍のあとを避ければ問題ない。魚止滝のところで昼食にする。橋から滝までは少し遠い。高さもそれほどなく傾斜がついているので、本当に魚は止まるのかなとフト考えた。この辺りの道の山側にはツララが沢山かかっている。パイプオルガンあるいは打楽器の鐘といった風情だ。そこから20分ほどの駐車場には3台の車が停まっていた。さらに20分歩いた所が登山口で、登山届を出すようになっている。こちらは大又で出してきたので素通り。しばらくは気楽な道が続いたが、沢の徒渉をする所が何ヶ所か出てきて、中には大げさに縦横にロープがかけられている所もあった。それを握りながら渡る。凍っていないので危険はない。旧アシビ山荘からしばらくして明神滝に出会う。全部は凍結しておらず、水が流れていたし、かなり発達した氷も雪に覆われていたので、もう一つ迫力がない。登山道は滝の少し手前で左後に大きく曲がっていた。
雪に埋もれた明神滝
その後ジグザグを切って登っていく。かなり遠回りするのでショートカットで下りてきているトレースが沢山ある。水の流れがあった。明神平から10分ほどにあるという水場かどうかは分からなかったが、もう先も短いはずなので1.5Lだけ汲んでおく。そこから少し上がった所で、道の中をか細い流れがあり、汲んで汲めないことはなかったが、下のきれいな水のようにはいかなかっただろう。さらに少し上がると右手に谷があり、以前に来たときにはそこで汲んだことを思い出す。かなり急斜面を下った覚えがあるが、確かにはるか下にある。しかも雪で埋まっているので水にはありつけないかもしれない。
そこを過ぎるとすぐにアシビ山荘の屋根が見えてきて、明神平に着く。登山口から3時間かかった。他の人は2〜2.5時間程度なので、やはり最近はかなり歩く速さが遅くなっている。立ち止まったのは水場での10分間だけなのに。荷物が他の人より重いこと、年齢が年齢であることを考えれば、やむを得ないだろう。疲労は感じないのが救い。アシビ山荘よりは天理大小屋の方がかなり低い所にあり、風が弱そうなのでそちらに行く。建物の風下側にテントサイトを決め、少しだけならしてテントを広げ、まず荷物を中に入れて、降り続いている雪がかからないようにする。そのあとポールからリングを取り外し、雪に押し込んで2ヶ所を固定する。ペグ代わりに持参した紐つき木片を埋めてあとの4ヶ所を固定する。もう外に出ないつもりで、テントに潜り込む。予想より遅い到着になったので、コーヒータイムはなしにして、すぐに夕食作りに取りかかる。火をつけるとすぐに暖かくなる。テントに引火すると命取りになるので注意する。下も不安定なので、コッヘルの中身をこぼさないよう、いつも以上に気をつける。食事が終わっても、火を消さずにグズグズして暖をとる。できるだけ沢山着込んで、携帯カイロを5つも使って寝る。フリースが一番の頼りだが、これは着ないで背中に敷いて下からの冷気を防ぐために使った。多分正解だろう。夕方から朝にかけて大体−8℃程度で、女峰の唐沢小屋より若干高めの温度。時々テントが押しつけられるほどの風が吹き、かなり寒かったが、トータルとしてはまあまあ睡眠をとることができた。夜中に何度か外を覗いたが同じような風と小雪模様は変わらなかった。
明神平にある天理大の山小屋
2012. 01. 27 明神岳に登り、大又へ下山 |
コースタイム
0910 明神平、0935 三ツ塚分岐、0955 明神岳、1000 桧塚の方へ少しだけ様子見、1008 明神岳、1027 三ツ塚分岐、1038
前山、1055-1125 明神平、1211 明神滝、1229 旧アシビ山荘、1327 魚止滝、1346-56 七滝八釜、1418 大又BS
できれば桧塚奥峰まで行くという予定だったが、どうしてもということもないので、目が覚めるまで寝ていた。起きたら5時、やはりそれほど強くない風と小雪。この雪は飛ばされたものだったかもしれない。ノロノロと朝の支度をする。食事がおわり、このまま昼頃までいてもよいなと思ったが、とにかく寒いのでそういうわけにもいかない。まずは片づけることで身体を動かすことにする。靴がカチカチになっており、なかなか履けない。テントに入れるだけでは不十分で、少なくとも靴ひもをゆるめて口を大きく広げておくべきだった。ペグはうまく機能しており、しっかりしていた割には簡単に掘り出すことができた。テントをたたむのもいつもより時間がかかる。霜が氷になっているのを丁寧に払い落としておく。このような作業の間の雪は大したことなかったので助かった。全部ザックにパッキングしてから明神岳辺りまで散歩することにする。
ウエストポーチだけを身につけ、ワカンを履いて歩き始める。荷物がないとやはり楽なものだ。見覚えのある桧塚奥峰巻道の標識を通り過ぎる頃、スノーボーダーが滑り降りてきた。三塚以後は足跡が全くない。周り一面霧氷で充ち満ちている。霧氷というより枝に雪が着いているという方が正しいのだろう。これで青空になれば最高だが、鈍い灰色の空はなかなか好転しない。明神岳頂上を通り過ぎて、未練がましく桧塚の方へ足を進めてみる。とても雪が深く、古い足跡も全く見えない。テープ類も見あたらないので、往復するのは難しかっただろう。天気がよく、早起きしておれば行けたかもしれないが。
桧塚奥峰への分岐点
三塚からは前山の方へ足を伸ばす。10月に薊岳からの縦走の際に通ったので何となく土地勘がある。前山から下の原っぱをめがけて下りていく。天理大小屋に戻り、簡単な中食をとる。少し離れた林の中にもう一人、昼飯を食べている人がいた。
樹の表情 |
11時半には下山を始める。いつもならギリギリまで活動するのだが、なんとなく意気が上がらず、早めの下山もよいなという気分だった。帰りはできるだけショートカットするために、ワカンを着けたままにしておく。やはりその方が楽だった。登山口まで下りてから脱ぐ。林道歩きも見覚えのある景色を見ながらだと短く感じる。途中でバスの時刻をチェックすると、16:10ではなく14:32のバスに乗れそうであることが分かった。中途半端な時刻だと大又から25分歩いた所にある「やはた温泉」に入ることも考えていたが、その必要はなさそう。魚止滝で再チェックすると少し時間があまりそうな気配だ。七滝八壺があることを思い出し、そこに立ち寄る。入口の滝から登っていくが、次々と現れるのなら時間が足りるかなと思ったが、ほんの少し入った所に一ヶ所に固まって幾段にも分かれて流れ落ちるのが七滝だった。なかなか見応えのある滝だ。三之公川のところの明神滝ほどの水量はないが、やはり形の美しい滝は好ましい。バス停には10分以上の余裕で到着。
七滝八壺
厳冬期のテントは初めてだったので色々なことを学んだ。この年になっても学習するのは楽しいものだ。いつも悩まされる手の冷たさは、手袋にオーバーミトンと毛糸を併用し比較的良好、それでも冷たいのは変わらない。寝るときに靴下に入れたカイロを翌日に手袋に入れておくだけでかなり冷たさをしのげた。しかし、筆記道具やカメラを使うときにやや邪魔。カメラ(+電池類)を入れた小袋にはカイロを貼っておいた。比較的恵まれた状態だったのに、テントの収納などに普段より時間がかかった。