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海外の登山の印象  



海外の登山でも忘れられないものがいくつもあるが、山行全体ではなく、その一部がとくに心に残っている光景を5つ選んでみた。


 

Boulder Field
(Longs peak、1998. 08. 06

時差ぼけのため、ほとんどゆっくり眠ることができなかったので、頂上まではとても行けないだろうと覚悟して歩きはじめる。案の定、元気のいい若者がどんどん追い抜いていく。Boulder Fieldまでくると岩の間の高山植物が満開で、池溏に白い花が咲き、その向こうに4000㍍級の山が連なっている景色は夢のようだった。天井の楽園という言葉がぴったりで、ここでゆっくりしたのち引き返すことにした。寝不足と高山病のダブルパンチにも関わらず忘れられない良い思い出となった。


Campgroundの朝
(Monument Valley (1974. 08. 16)

登山とは関係のないアメリカ東海岸からの車での大陸横断旅行のひと駒。長いキャンプ生活にやや疲れたので、この日はArizonaの町のモーテルに泊まろうと予定していた。しかし、どこの宿も満員で、仕方なく探し出したキャンプグラウンドは州境を跨いだUtahにあった。真っ暗になって、やっと到着したキャンプグランドで急いでテントを張り、食事をしたのち一夜を明かした。翌朝、遅くなって目を覚ましてテントから顔を出すと、そこはなんと西部劇映画によく出てくるMonument Valleyという所だった。全く予期しないすばらしい光景に前日の疲れがいっぺんに吹き飛ぶような朝となった。




始信峰
(黄山、1989. 11. 10)

黄山南端の黄山温泉から北海まで縦走した。霧の中に展開する風景は山水画そのもので、その美しさに圧倒され続けた。中国の人たちが楽しんでおられる有様も好ましかった。しかし、ほとんどの道は急な階段の上り下りで、足の疲労は極限に達した。時間にしては7時間も歩いていないのに、ホテルに着いたときはベッドに倒れこむような有様だった。翌朝は一転して好天に恵まれ、黄山全体の中でも屈指の美景を誇る始信峰の日の出では、雲海の上に顔を出す奇峰の数々の景観に息をのんだ。


Machapuchare
(Annapurna Base Camp、2005. 11. 10)

Annnapurna BCを目指すヒマラヤトレッキングツアーに参加。BangkokからKathmandu、さらにPokharaへの飛行機から見るジャイアントの眺めも豪勢だったし、トレッキング途中の村々からの素晴らしい眺めにも満足した。しかし、一つだけ取り上げるとしたらAnnnapurnaBCからの光景だろう。Hiunchuli、Annapurna South、Fang、Annapurna I、Roc Noir、Singu Chuli、Tarke Kang、Tent peak、Annapurna III、Gandharba Chuli、Machapuchareなどのそろい踏みだった。姿の美しさではMachapuchareが群を抜いていた。陽が沈むにつれて刻々と変わって行く表情を、だんだんと冷え始めた戸外で飽きることなく眺め続けた。




Monte Rosa
(Breithorn、2000. 07. 15)
Mönchに続いて2度目の4000㍍峰であるBreithornに挑戦。今回はガイドを頼まず、一人で歩いてみた。Kleine Matterhornの駅から同じころ歩き始めた2組の2人連れ、ガイドに連れられた3人組とほぼ同時に頂上に着く。ガイド組とイギリスの2人連れはすぐに下山していったが、雲の動きが早いのでもしやと晴れるのを待つ。1時間以上待つと果たして青空が見え、Monte Rosaの一角がはっきりと見えた。またすぐに雲に包まれた。単独行なので頂上で自由に過ごせたからの幸運だった。




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