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1972. 10. 8 - 10
 徳本峠、天狗コル、西穂高岳



名古屋での仕事のあと。ジャコビニ彗星が来るというので、それを見るのも一つの口実として北アルプスへでかける。


同行: 単独

10/8 島々から岩魚留を経て徳本峠へ                                                  

多分混雑しているのだろうと予想し、さびれていると思われた岩魚留小屋を経由して徳本峠への古道を選ぶ。ところが期待に反し、徳本小屋は大混雑。頭と足を交互に並べて寝かされた。途中で数人へだてた所に寝ていた男が暑い暑いと騒ぎ出す。炬燵の火が十分消えないままに布団を敷いたためだが、文句を言うと怒られそうな雰囲気なので我慢をしていたとのこと。その後もとても寝られそうにないので、小屋の外に出てシュラフにもぐり込んで寝ころぶ。空を見上げたが彗星は現れない。



徳本峠からの前穂


徳本峠展望台からの穂高連峰
(西穂高岳、間の岳、天狗の頭、ジャンダルム、奥穂高岳、明神岳、前穂高岳)



10/9  徳本峠から上高地、岳沢を経て天狗のコルへ  

翌日は明神池、上高地を経て、岳沢を登る。岳沢ヒュッテは1956年に開設されたものだが、2006年に雪崩で全壊してしまい、2010年から岳沢小屋として再開されている。前の小屋が健在だった頃の話だ。ここから天狗沢をつめる。右手の岩場から絶えず岩の崩落の音が聞こえてくる。14時頃に天狗のコルの避難小屋に到着。少し早いがこれ以上どちらに行っても小屋に着くのは暗くなる。というより、不快な小屋泊まりを避けてここで一夜を過ごそうと考えて来たのだ。ここでゆったりと腰を据える。その後、同じような考えかどうか知らないが5-6人程度の人が集まってくる。後から小屋をのぞいた人に、「避難する目的でもなく泊まっていいのですかね」と皮肉を言われる。この小屋も、その後崩壊した。1996年の記録に、「天狗のコルの避難小屋は壊れて使えませんという腐りかけた道標を見た」とあったので、崩壊したのはそれよりかなり前かもしれない。この日は、崩壊する気配もなくしっかりしていた。




西穂から吊り尾根にかけての稜線を見上げる(岳沢で)




岳沢ヒュッテから天狗岩を見上げる


天狗のコルから岳沢を見下ろす



10/10 天狗コルから西穂高岳を経て上高地へ          

翌朝、となりに寝ていた単独行の若い女性と一緒にスタートするが、彼女はジャンダルムを越えて奥穂に行くという。自分は1964年5月にそのコースを歩いており、反対側のコルと西穂の間を歩いたことがなかったので西穂に向かう。西穂高までの岩の稜線もとくに危ない所はなく、刻々と変わる景観は見飽きない。西穂山荘への道を見送ると、あとは淡々と下って上高地に出るだけだ。上高地は連休とあって大変混雑していた。


 

天狗の頭とジャンダルム

 

天狗の頭付近から西穂方面




間の岳から北方向を望む
(双六岳、鷲羽岳、槍ヶ岳、中岳)





近づく西穂の頂上




西穂高岳から吊尾根


西穂高岳・ピラミッドピーク・独標・丸山



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