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2007. 07. 31 - 08. 01 中吾妻山
 


K氏とは久しぶりの山行だが、花の話をしながら、この時期に一緒に歩いたことはないと気づく。ほとんどが雪の季節だった。

同行:K氏


2007. 07. 31 中吾妻山

コースタイ

0925 兎平駐車場発、0940 一切経山との分岐、1042 駕篭山稲荷神社への道との分岐、1158-1235 谷地平避難小屋、1314 大倉川の滝、1403 小沢(約1600b)、1530-35 引き返し地点(約1840b)、1650 湿原、1725 谷地平小屋

駐車場そばの舗装道路にもいくつかの花が咲いている。三叉路で子供の大集団と一緒になる。登山者カードに記入しているうちに、先に行ったので、あとをついて歩くのでは大変と、少し急いで前にでる。しかし彼らは一切経の方へと別れていった。鎌沼へと足を進めるにつれて、さらに色々な花が出てくる。ハナニガナ、マルバシモツケ、ハクサンシャクナゲ、ミヤマホツツジ、コバイケイソウなど。それらを眺めながらゆっくりと足を進めて、ふと見ると、子供達はすでにかなり高いところを登っていた。元気なものである。

鎌沼への脇道はスキップして、姥ヶ原の木道へと入っていく。ここにもミヤマリンドウなどが咲いている。駕篭山稲荷神社への分岐でGPSと25000を照らし合わせると、GPSは800bほど北西の地点を指している。このズレはこの日の最後まで続いた。こんなにずれるとは意外で、これまで気がつかなかったが、注意しなければならない (あとで分かったのであるが、測地系の混在が問題だった。普段は世界測地系で作成された新しい地図をダウンロードして使っているが、このときは昔購入した日本測地系の地図を使ったためで、両者間ではいつも400bほどずれるらしい)。

すぐに酸ヶ平への道を分け、谷地平への森林の道へ入っていく。以前に積雪期にPEと二人で登ってきた道を逆に歩いているのであるが、ほとんど目印のないところをよく登ったものと、あらためて感心した。大きな岩がゴロゴロとしていてかなり歩きにくい部分がつづく。左手に沢が見え始めると先は短いという気がしてくる。ヌルヌルになった丸太で滑り、思い切り頬を地面に打ち付ける。眼鏡を壊すこともなく、頬が大変痛いという程度ですんだのは幸運だった。沢の先に小屋の三角屋根が見え、シシウドなどが繁る平に到着する。小雨が降りはじめると同時に小屋に入るというタイミングのよさであった。

立派な小屋で、パンとスープで簡単な食事をしたあと、中吾妻を目指す。山はガスの中で見えない。小屋の裏側はさらに高山植物が豊富であり、マルバダケブキ、ミヤマシシウド、ツリガネニンジンが一面に咲いている。紫色の穂状の花(ヤマルリトラノオではなさそう)が、稟として頭をもたげている。本当の道は、谷地平という標識の方へ少し行ってから左折するのであったが、ウェブには沢を伝っていくとあったので、沢を歩く。何度も徒渉しなければならないので、気を遣うが、K氏は長靴で来ているので全く問題ない。こちらは革靴とスパッツだけなので、なんども水の中に靴が入ったが、なんとか濡れずにすんだ。ポールを1本しか持っていなかったが、2本持っていたK氏から1本借してもらったのが大いに役立った。

やがて大倉川の本流に合流し、上流方向に向かって進む。数bの幅広い滝があり、その先には昭元らしき山が見えるいい気分のところであったが、徒渉に気をとられ、数枚の写真を撮るのが精一杯で、ゆっくり楽しむどころではない。その滝を右岸から越え、キョロキョロしていると、正規の徒渉点の赤ペンキ目印が見つかった。

そこで川を離れると、最近に笹を刈ったような形跡があり、道もしっかりしている。1時間ほどは問題ないが、そのあとは道が明瞭でなくなる。2-30分ほどそのような状態が続き、その後は全く道がなくなる。用意してきた赤のビニール紐を頻繁に結びつけながら、登っていく。15:30になり、少し前方が透けて見えるようになった。中吾妻の頂上がかなり先に見え、コルもかなり遠いことがはっきりする。高さをGPSで調べると1830bでコルまでの高低差はほとんどないが、距離は結構ある。道があればなんということないが、引き返す潮時と考えた。やはり9時半出発では遅かった。

帰りはビニール紐を探し、回収しながら、ほとんど問題なく下りた。一個所だけ、次の紐が見つからず、少しウロウロした。この紐は今回はじめての試みだったが、括るのも外すのも簡単で、枯木を枝に載せるこれまでのやり方より効果的かもしれないなと思った。川の手前の小さな湿原地帯に来ると、快晴になっており、周辺の山々がずらりと見渡せた。樹木で遮られていたし、地図を広げなかったが、昭元、烏帽子、家形、前大巓、東吾妻などは間違いないだろう。そのあと、今度は正規の登山道を経て、谷地平へ戻る。谷地平と東大顛を結ぶ登山道に出ても、とくに中吾妻方面という標識はなかったので、普通には気がつかないだろう。

分岐点の周りにもお花畑が広がっている。17時を過ぎていたが、天気がよくなったためもあり、花にまだまだ陽が降り注いでおり、幸せな時間であった。あとで気がついたが、これは谷地平の入口に過ぎないのであり、奥の中心部に行けばもっとよい景色があったのかもしれなかった。渓流に冷やしておいたビールに気が取られ、そのことを考えつかなかった。米を洗ってから、よく冷えたビールで喉を潤す。夕食は、日本酒を飲みかわしながら、中華飯と具沢山のみそ汁。





谷地平小屋




大倉川と昭元山




谷地平のお花畑と中吾妻山




2007. 08. 01 一切経山

コースタイ

0610 谷地平小屋、0755 姥ヶ原の分岐、0823 酸ヶ平避難小屋、0855-0920 一切経山(1949b)、1000 分岐点、1020 兎平駐車場

4時半頃に目を覚ます。外に出ると、残月が中吾妻にかかっていて、静かな眺めである。予定より早く出発する。朝日が木の間から洩れてくる中を、姥ヶ原へ登る。以前、残雪期に登った時と比べると、段違いの気楽さである。



残月がかかる中吾妻山



姥ヶ原で久しぶりのハイカーに出会う。時間があるので、一切経にも登れるかなと考えて、酸ヶ平方面に向かう。振り返ると最後の中吾妻が見送っている。一切経をバックに鎌沼が下に望め、さらに沼畔に下りると、高山が沼に浮かぶような形で一幅の絵となっている。




鎌沼の先に浮かぶ高山



酸ヶ平避難小屋をはじめて覗いたが、本当の避難小屋で、泊まるとすればベンチの上か土間に寝ることになる。一切経に近づくとかなりの人でにぎわってくる。頂上ではかなりの展望が得られた。吾妻小富士、高山、安達太良山、天狗角力取山、東吾妻山、磐梯山、中吾妻山、西大巓、西吾妻山、中大顛、飯豊連峰、東大巓、昭元山、烏帽子山などが取り巻いている。朝日連峰、月山の右に蔵王連峰が見える。左から地蔵岳、熊野岳、刈田岳、杉ヶ峰、屏風岳、不忘岳と並んでおり、いつも見る角度と違っているので、一瞬とまどった。あとはのんびりと火山特有のゴロゴロ道を下る。駐車場の近くで、往路では気がつかなかったコウリンタンポポを見た。




一切経山から吾妻小富士、高山、安達太良連峰



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