2000. 11. 04 川桁山
山寺へ行くという女房殿を駅まで送ったのち、少し遅い出発になったが、足を踏み入れたことのない領域を目指す。東北新幹線から眺めていて、最も分かりにくい部分がこの山稜である。郡山から磐梯山の右手に、川桁、天狗角力取、大滝、二ツ森といった特徴のない1300〜1400bm級のピークが狭い範囲に10以上が並んでおり、同定するにはなかなか手強い。好天が約束されていたので、新幹線が見えるかどうかの目処が立てられるかと期待して入山した。
同行:単独
コースタイム
1145 登山口駐車場、1210 尾根へヤブこぎ、1300-10 展望よい地点、1436-1450 ピーク(1320b?)、1617 駐車場
本宮ICで高速を下りて山を眺めながら川桁方面へ。下の写真は、安子島駅の近くの農道からのパノラマ写真。左の三角錐は額取山(1009b)、真正面に酸釜山(856b)とその左の高塚山(816b)といった中山峠近辺の山々、右端に川桁山(1413b)・天狗角力取山(1327b)・大滝山(1370b)がとりとめない姿を見せている。
安子島の近くから(左から額取山、鉄塔の先にP793、標識の左は高塚山、正面は酸釜山、鞍手山、P705、P1157を経て、川桁山、天狗角力取山、大滝山)
関都から磐梯山、赤埴山、櫛ヶ峰
かなり上まで車で上がれたのでこれは楽勝と思ったが、とんでもない登山となった。最初から道のない沢登りとなり、登山道ではなさそうな予感がする。途中で滑滝が続くようになったので右手の尾根に逃げる。このヤブこぎでボールペンを失ってしまう。尾根に出てしばらくすると小さな砂地があり展望がひらける。大体位置を確認できたと思った。その後もひどいヤブこぎ、細いリッジ、岩登りなどの連続。いつものように目印として枯れ枝を2本の木に渡しながら登っていく。やっと尾根の終点のピークに出てこれで登山道に出会えるかと期待したが、全くその気配がない。時間から言えばもう引き返す必要があったが、さらに一旦コルまで下って右手にそびえるピークが川桁山の頂上と思えたので、そこから登山道を下った方が早いと考え、最後の力を振り絞って、背の高い笹の中を登り切る。しかし何もない。
日暮れまでの時間がないので引き返すことにする。ほぼ3時間使ったので、2時間で降りられたとしても5時近くになるので焦る。眼鏡のチェーンを失ってしまったことに気がつき、眼鏡も失うかもしれないなとチラッと思ったが、そのままにする。腹に少しだけ詰め込み、早々に下る。笹の上をずり落ちるような感じで下っていくが、方向が少しずれていたらしく、別の沢へ下りて行っていることに気付き、ますます焦る。なんとかトラバースして尾根らしきものに取り付くと、見覚えのある尾根で、さきほどの小ピークをスキップしたような感じの所にでているらしい。少し狐につままれたような気分である。ここで、眼鏡と時計がなくなっているのに気がつく。眼鏡紛失のせいもあったのかもしれないが、木に架けた枯れ木はほとんど見あたらず、通り過ぎた岩や砂地も見つからないまま下り続ける。尾根に出たときに置いたと思われる枯れ木を見つけように思い、沢に下りることにする。見たような滑滝の沢に出たので多分まちがいないと思い、安心した途端にぐったりする。しかし、結果的には二股に分れた沢の西側から登ったはずなのに東側から下りてきたので、どこかでもう一度間違っていたらしい。いずれにせよ、二股に着いて無事をやっと確信できた。
駐車場に出る200bほど手前で沢からはずれる登山道が見つかった。上の方に赤い布があったが、下ばかり見て登っていたので見つけられなかったのある。同じような人も多いのではないだろうか。3時間近い登りを1.5時間で下りたことになり、雪山並の比率か。車に乗ろうとするとズボンのベルトまで失なっていたのに気がつく。腕や臑は傷だらけだし、まるでボッタクリの飲み屋に行ったかのよう。もちろん今日も誰一人として会わなかった。登山道を歩いていても出会わなかったであろう山ではあるが....。
帰ってから地図を見てもなかなか見当がつかない。おそらく最終地点はP1320b+だったろう。あと直線距離で500bも行けばP1372bを経て登山道に出られたのかもしれない。そこから頂上は500bほど。しかし、正しいかどうかが分からずに手ごわい薮を500bm進むのは無理だった。