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2023. 06. 14  半国山



以前から、京都の山から嵐山と愛宕山の間に見える牛松山が気にかかっていたが、亀岡まで行って登る値打ちがあるとも思えず、代わりに展望も楽しめそうな半国山に登ることにした。全くなじみのない山だが、実は剣尾山や小和田山のすぐ北に位置する山で、単に見落としていたのだ。

 

同行単独

コースタイム

1001 宮川BS、1030-35 妙見堂跡の展望台、1049-53 金輪寺、1100 神尾山城址、1124 P506を巻き終わる、1152 P655横、1155-1230 展望所で昼食休憩、1250-57 井出分岐、1303 るり渓分岐、1314-20 半国山(はんこくさん、埴生774b)、1335 牛つなぎ広場、1410 音羽の小滝、1425 音羽の滝、1454 祠、1511-24 赤熊BS

亀岡までの電車の窓から見ていると、少し雨が降っている。天気予報は曇で、降水量は9時以降は0oとあるので、雨具も持たずに気楽に出てきたが少し気になる。バスを下りた時は落ち着いていた。丁寧な案内板があちこちにあり、この日はYAMAPの助けは必要ないようだ。金輪寺は8世紀ころに作られた由緒あるもので、この日も何台かの車が目の前の車道を登って行った。こちらは宮川神社の鳥居のところから山道に進む。杉木立の中に、よく整備された幅広い道が続く。仁王門址という標識の所で左手を見ると展望台があるとのこと。天気はよくないが念のため登っておく。ごく狭い範囲の木立が切り取られており、宮川の町並みとその先の無名峰(P413b辺りか?)が見えるだけだった。ほとんど読み取れないほどの古びた展望地図には三郎ヶ岳、愛宕山の名前があったが、とてもそのような範囲は見えていない。少し登ると亀岡の名木「イロハツツジ」が紹介されていた。新緑の美しい大木だった。そのあとにも名木の一つ「ヤマナシ」の説明があったが、花が終わっているので残念だった。丹波西国三十三観音霊場という石柱と観音像があったが、帰宅後に検索すると亀岡の霊場は穴太寺がリストに載っているだけだったのはなぜだろう。立派な本堂の右手に回ると大きなモミの木の下に、半国山への案内板があった。バス停からここまで50分かかっているが、YAMAPのそれほど早くと思われる人の記録が30分とあったので、ちょっと焦ってしまう。



宮川神社




杉木立の中の登山道




妙見堂跡の展望台から




亀岡の名木、イロハツツジ




丹波西国三十三霊場の観音像




金輪寺本堂山



少し登ると、神尾山城址の堀切があり、その少し先に案内板があり、城の全体像のイメージを掴めたが、いくつもの曲輪があるというのに、ほとんど何も目に入らないまま登山道になってしまった。P506bの手前で東南方向がチラリと見える所があった。見えていたのは朝日山か。P506bは南側を巻き、P655bも西側を巻く。そろそろ正午になるなと考えていたら、思いがけずに素晴らしい展望所があった。ベンチまである。鴻応山、霊仙ヶ岳、朝日山、行者山などが見え、行者山の奥の愛宕山、牛松山は雲の中だった。

食後、歩き始めてすぐに白い小さな花が落ちていた。進むにつれ、その数は増えはじめる。見上げても花の姿は目に入らない。したがって、どの幹の木から落ちてきた花かも分からない。すぐには名前が出てこなかったが、そのうちやっと木の上に咲いている白い花が目に入った。どうもエゴノキらしい。井出方面への分岐点に色々な標識が立っている。送電鉄塔への目印が目に入ったので、立ち寄ってみる。朱色の堂々とした大阪幹線157号だった。戻りながらふと右手を見ると、こぢんまりとした池がある。ここの水面にもたくさんの白い花が浮いていた。ルリ渓への分岐の標識の上にも、白い落花が積もっており、その後ますますその数が増える。踏み跡が分からなくなるほどの数で、どこを歩いても踏みつけてしまう。散り始めか、やや盛りを過ぎた時期らしく、場所によっては、花の色が褪せて茶色に変色している。半国山の頂上近くになると、気持ちのよかった林の中から松の低木が並ぶ明るい所に飛び出し、すぐに頂上となる。大きな石が積み重なっている。人間が積んだケルンとは思えないが、自然のものだとしても非常に不思議。流紋岩か。低い枝に花をつけている木があり、エゴノキであることを確信した。山頂からの展望は曇天のため今一つだったが、牛松山、朝日山、霊仙ヶ岳、湯谷ヶ岳、鴻応山、小和田山などを見ることができた。ある人の記録には、愛宕山、比叡山、六甲山、剣尾山の写真が掲載されていたが、この日はそれらを望むことはとても無理だった。



大きなモミの木の所がトレイル入口




神尾山城址の曲輪




昼食休憩の所から朝日山など




エゴノキの落花




井出分岐




大阪幹線157号の鉄塔




池の上にも落花




ルリ渓分岐の標識の上にも




頂上直前のマツ




半国山頂上




頂上から霊仙ヶ岳、湯谷ヶ岳、鴻応山方面




エゴノキ



山頂から牛つなぎ広場までの20分は実に歩きやすく気持ちのよい道だった。ここを直進すると小池山に行けるのだが、この日は数少ないバスに乗り遅れると大変なので、右手の谷筋に下りて行く。ベニヒガサと思われる深紅のキノコがあった。すぐに、美しい音羽渓谷に出会う。いつもならすぐに沢に下りて、顔、頭、手を清流で洗い、水を飲む所だが、この日は天気も悪く、暑くもなかったのでそのまま下って行く。いくつもの小さな滝があり、目を楽しませてくれる。音羽の滝という二筋に流れ落ちる一番の見どころが出てくる。この日は雨の後で水量も多く、とくに二筋に分かれる前の上部の滝は迫力があった。一枚岩が沢の中にあり、見ごたえがあったが、同じようなスラブ状の岩が登山道にもあり、濡れているので神経を使った。登山口に小さな祠があり、そのあとは舗装道路となる。住宅地にでたところで、ポツポツと小雨が降ってきた。バス停には定刻の10分ほど前に着いたが雨は本格的になったが、雨宿りができたので助かった。バスに乗ると、一時だが猛烈な雨脚となり、山の中だったら全身ずぶぬれになるところだった。亀岡駅に着いたときはすっかり上がっていたが、芦屋で下車した時にはまた小雨となった。




下山道の先にガスが出てきた




牛つなぎ広場




ベニヒガサ



涼やかな清流




音羽の滝(少し下流から上部を入れて)




登山口の祠



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