2023. 05. 11 堂山
前日にNHKの日本百低山で堂山が紹介されていたので出かける。2022.10.18に太神山に登った帰りに立ち寄ることを考えたが、地形図にも登山道が書かれていないし、情報も不十分だったので諦めたが、テレビを見ているとそれほどの問題はないようなので、S氏を誘って急遽出かけることにした。この日は週日というのに、随分沢山の人と出会ったが、NHKの放送のためもあったのだろうか。この山は、日本における自然破壊第1号らしい。奈良時代に始まる伐採が続き、明治に入ってほぼ全山ハゲ山となったのを地元の人の努力で緑が復活したという。六甲でも似たような歴史がある。
同行: S氏
コースタイム:
1012 東急団地入口BS、1036 富川道分岐、1053 迎地蔵、1150-1223 鎧ダム(阿弥陀ヶ原)、1300 三差路、1333-50 堂山(384b)、1445-1511 天神川渡渉、1515-25 アルプス登山口BS、1530-38 東急団地入口BS
前日に時間をかけてバス時刻を調べたのだが、ネットに出てくる情報が非常に錯綜しており、怪しげなままに出発した。石山駅のBSに着くと、前日の5/10から時刻表が変更されているとのことで、予定していた東急団地入口へのバスはなくなっていた。50分ほど待てばアルプス登山口へのバスがあるのだが、タクシーで行くことにした。3500円だったが二人なのでまあまあ。東急団地入口で下り、帰りの時刻を調べておいてから、登山道に向かう。朝の涼しい緑の林道を迎地蔵まで歩き、天神川を飛び石伝いに渡る。対岸から見えていた登山道に入っていく。整備されたしっかりとした道だった。迎不動堰堤という立派な堰堤の横を通る。かなりの範囲の沢を見下ろせる場所があり、黒々とした大きな岩や小さな滝などがある美しい眺めだった。しばらく行ったところに滝があり、これも大きな黒岩で囲まれているので気分がよい。太郎坊宮で見た湖東流紋岩と同じだろうか。鎧堰堤まで0.4qという標識の所で、沢に入らないといけないのに、右手のザレ場のような急斜面に立派な踏み跡が続いていたので、誤って入ってしまう。かなり苦労して登ってから、先が見えないのでYAMAPでチェックすると完全に間違っていた。標識の所まで戻り沢に進む。15分ほどでダムに着くが、ダムの全景を見ることのできる場所はなかった。すぐ上に阿弥陀ヶ原といわれる砂地が広がっていた。地理院の地形図ではダム湖が広がっているのだが、今は完全土砂が堆積しており、細々とした流れが残っているだけだった。松の木などの植生も立派に育ってきている。ここで昼食休憩。
迎不動 |
飛び石伝いに天神川を渡る |
迎不動堰堤 |
気持ちのよい沢を見下ろしながら |
小さい滝と岩 |
阿弥陀ヶ原と言われるダム湖跡 |
昼食後、旧ダム湖の真ん中あたりまで進むと、道標があり、左手に入って行く。歩きやすい沢沿いの道で、どんどんとはかどる。沢から離れ、360b辺りまで登った所で、視界が広がる。笹間ヶ岳、大峰山、堂山、比良山系など。さらに進んで、右手が通行禁止になっている三差路で、北東方面の三上山、鶏冠山、竜王山が姿を現わした。これらが望めたのはここだけ。伊吹山は霞んでいて見えなかった。そのあとは花崗岩のザレた尾根を上り下りするこのルートのハイライトとなる。芦屋ロックガーデンの万物相や須磨アルプスと似た風景が続く。ロープがなければ登れそうにない所もある。三差路から30分ほどで堂山の頂上に着く。ここも素晴らしい展望台。最近訪れた太神山、矢筈ヶ岳、笹間ヶ岳から始まり、その右の大峰山がドッシリしていて存在感がある。喜撰山、岩間山、千頭岳、音羽山、如意ヶ岳、比叡山、水井山、皆子山、蓬莱山、武奈ヶ岳、釈迦岳等々の馴染みのある山が並んでいる詳しい山座同定を展望のページに記しておく。
下りは西側へのルートをとるが、予想通り、登りに比べて易しい道が続く。ちょうど中間地点で大きな堰堤があり、そのあとは沢に沿って下って行く。黒い巨岩が重なる間を水流が流れているさまは、富川道の御仏河原と似ている。やがて天神川に下り立つが、この日は水量が多いため、靴を脱いで膝まで水に浸かりながら対岸に渡る。靴を履いて林道を歩いていると、蒸れていた足先がきれいになったせいか、ポカポカと気持ちがよかった。バスの時間までかなりあるので、アルプス登山口の近くの林の中で日射を避けながら、一旦腰を下ろしたが、東急団地入口BSまで行けば、20分早いバスに乗れることが分かり、そこまで足を延ばした。
堂山を望む |
三上山、金勝アルプスの鶏冠山、竜王山 |
ザレ場が続く |
堂山山頂から千頭山、音羽山、比叡山 |
堂山山頂から笹間ヶ岳 |
沢の規模にしては立派な堰堤 |
巨岩の間を縫う沢 |
靴を脱いで渡渉 |