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2022. 10. 27  阿星山・大納言・西ほうそ山



湖南の山の目ぼしいものの最後となるかもしれない2山に行く。以前、飯道山に登った時、頂上に阿星山までは上級者向けとあったが、確かに初心者が一人で歩くには難しいコースだった。

 

同行単独

コースタイム

0908 西寺口BS、0931 長寿寺、1021 登山口、1105-35 阿星山(693b)、1147 南峰、1226-30 林道、1250 峠という札(P590+)、1354 P541、1408-20 休憩、1439-42大納言(596b)甲賀線23、1456 三角点名宮町(P583)、1520 標識に従い左折、1545 西ほうそ山、1625 県道53号(アセボ峠の440b北)、1738-40 三雲駅、1913 芦屋駅

草津線の石部駅から長寿寺へのバスの便は少なく、西寺の常楽寺からの登山コースの情報がないので、西寺から長寿寺まで県道を歩く。大きなモミジの木が山門の奥に見え、立ち寄りたい所だったが、この日は長丁場になりそうなので、そのまま長寿寺の横から登り始める。すぐに分岐点があるはずだったが、知らないままに東側の道に進んでいた。地形図では300bで沢に入り途切れているが、沢ではなく、左手の尾根に取付くのがYAMAPなどに出ているコース。途中結構な勾配の坂道があるが、それを終えると林道に出る。登って行くと右手に西側のコースとの合流点があったが、そちらは車も人も通行禁止とあった。450bまでくると左手に登山口があるが、標識は笹に埋もれて見つけにくかった。ここまで車で来ることを想定しているらしい。立派な東屋が2つあり、その中ほどに展望所まで5分との表示があった。琵琶湖近辺の風景は何度も見ているし、この日は視界があまりよくないので、パスすることにする。電波塔が聳える阿星山山頂にはコースタイムより早く着いた。最近では1.3倍とか1.5倍というのが多いので、珍しい。ベンチに座り昼食とする。





長寿寺の山門




いわゆる登山口




東屋の一つ




阿星山山頂の電波塔


食後歩くことになる飯道山への道は鹿深(かふか)奥駈道(上級者コース)という。鹿深という名前は、昔に百済から来た鹿深臣に由来し、甲賀という地名もそれが変化したものという。まずは南側の道に進む。すぐに660bと671bにある2本の電波塔のはるか奥に多分大峰と思われる山並みが並んでいた。これらの電波塔を過ぎると舗装道路で下って行くのだが、登山道への入口を見逃し、少し行き過ぎてからひっそりと案内札がぶら下がっていた入口に戻り、そこから山道に入って行く。登山道ではあるが、中には本当に狭い所もあり、獣道というのがふさわしい。しかし、要所要所にリボンなどがあり、迷うことはない。目につくようなポイントがないまま、林道と交わる所に出る。下り口には鹿深奥駈道の札が架かっていたが、登り口の印はない。少し右の方を探ってみると湿原のようになっており、とても林道とは言えない代物だった。もう一度下り立った所に戻ると、その正面にかすかな切れ込みがあり、虎ロープが下がっているのを見つけた。ロープがないと道であることが分からない。




南側の2つの電波塔とその奥の大峰山系




舗装路から山道へ




靴幅2つほどのかわいい踏み跡




林道から登山道に登る急坂


かなりの勾配の道を登り590b+のピークに着きやっとなだらかな稜線歩きとなる。湖南市と甲賀市の境界標識が続くので分かりやすい。そのあとP541までの1時間余りは変化に乏しく、どこを歩いているのかがGPSを見ないと判然としなかった。P541と大納言のコルを越えたあたりで、あと60bの登りに備えて一休みする。結局この日は阿星山とここの2ヶ所で休んだだけだった。大納言に着くと、大きな2枚のマイクロウェーブ反射板や送電鉄塔(甲賀線23)があり、大納言(地元名風呂山)という山頂プレートが架かっていた。近くに巨大な電波塔があるはずだが、どういう訳か目に入らなかった。とくにキョロキョロしなかったためか。そのあと舗装道路を下り、何の標識もない踏み跡を、またしても見過ごし、しばらくして引き返して、三角点のあるP583に登る。三角点名は「宮町」、地元名は「ののへら」というプレートが架かっていた。

市境界に沿って進み、西ほうし山(548b)を目指すが、沢を渡る辺りで少し分かりにくくウロウロした。YAMAPがないと時間を食っていた所だ。西ほうし山が最後のピークかと思っていたが、まだアップダウンが続き、アセボ峠直前の520bピークでいよいよ最後のピークとなる。ここのY分岐を左側に取ってしまう。しばらく立派な踏み跡が続いたがそのうち少し怪しくなってきた。500b辺りの地点で踏み跡も怪しくなり、間違いに気付いたが、引き返して正しい道でアセボ峠に出るのと、そのまま下って県道に出るのとあまり変わらないような気がしたのでそのまま進む。直進して下るとやや傾斜のきつい所に出そうなので、左側の沢へ下りる。六甲山系で同じような経験を何度もしているので、不安はなかった。アセボ峠から三雲寄りに450bほどの所で県道53号に出た。沢から出たので法面などがなく、このルート取りは色々な意味で正解だった。




大納言の反射板と送電鉄塔(甲賀線23)




三角点のあるP583(点名、宮町)




西ほうそ山




こんな所から県道53号に


あとは県道を三雲駅まで5.3qほど歩くだけで、心配事は皆無と安心したのだが、実際にはこの日最大の問題が待っていた。市街地に出て県道4号にぶつかった点で少し東側に進み、左折して三雲駅に出るつもりだったのに、何を思ったのか直進してしまった。地図に実線で描かれているし、町中の道なので何の問題もないと考えたのだった。実際には廃道に近く、暗闇の中で藪漕ぎをすることになった。すでにストックは収納していたし、ヘッドランプを取り出すのも面倒なので、スマホの明かりだけで進んだが、段差を踏み外したり、側溝に落ちたりして2度も転倒した。どれだけの時間を使ったかは記憶にないが、17:40発の電車に悠々と間にあうはずだったのが危うくなり、明るい所に出てから、駆け足で駅に向かい、やっと予定の電車に乗ることができた。ズボンにはヌスビトハギの実が一面に付いており、帰宅後取るのに苦労した。この日も誰にも会わない一日だった。




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