トップページへ      地域別索引へ     近畿索引へ      年次別索引へ



2018. 12. 25  キスラシ山・梶岡山 



今月3度目の丹生山系。S氏の都合がつかないので一人で行った。大変なことが多かったが、非常に変化に富んだ山行であることには変わりなかった。鈴鹿の奥座敷、六甲の荒地山に続いて、新たにのめりこみそうな候補ができた。


同行単独

コースタイム

0824 神鉄五社駅、0828 中尾神社、0843 高架橋、0906 展望台、0944-48 キスラシ山(466)、1029-37 キスラシ山(443)、1053 天ヶ峰分岐、1115-20 桜池、1132 県道506、1150 山道へ、1210-40 昼食、1331-44 梶岡山(459)、1415 沢の合流点、1439-55 東方道へ、1446-51 ランドクルーザーの広場、1503 P476b、1524 採石場への分岐、1553 T字路、1557 有馬大池線29、1612 有馬大池線30、1638 有馬町唐櫃、1653-1705 神鉄大池駅

中尾神社の横から入っていくと、いきなりの急登が待っていた。道らしきものはないがすぐに高速道路の土手にでる。ほとんど使う人もいないと思うが、立派な高架橋が付けられている。申し訳のような通行止めの柵が作られていたが、いまさら戻ることは考えられない。橋を渡って、やはり道のない尾根にとりつきひと登りすると展望が開けた。南側にキスラシ山の466b峰が、そして右手には片側が削り取られた430b超のピークが聳えていた。この両方を結ぶ稜線伝いに歩けるのかなと考えながら進む。左の谷に下りるような踏み跡と白いテープが見つかり、多分これが正しい方向だろうと下りていく。沢の近くにトラテープも巻いてあった。466b峰に向かって尾根を登っていくと、木の間から430b峰の削られた側面が見え、二つの峰を結ぶ道はないと分かる。466b峰への登りはガイドはないものの、比較的問題がなかった。頂上にはなにもない。次の目標である443b峰(地理院地図に唯一標高が書かれているピーク)へ導く印も皆無だ。南に下りていくと、絶壁となっていて下には採石場が広がっている。方向としては右手だろうと、トゲの多い灌木をかわしながら側溝のようなものに沿って下りてみるが、なんも手掛かりがない。もう一度引き返して、少し東の方進んでみる。そちらからの道がないことははっきりしていたが、443b峰の位置、そのそばの作業道的な幅広の道を確認できた。もう一度側溝を通って西側に進み、作業道の方向を目指して急なやぶの中を下っていく。特段の苦労もなく、作業道に出ることができた。右手に細い尾根が見え、作業道と別れて高みを目指していくと頂上に着いた。466b峰から40分もかかってしまった。27名もの団体さんがここを15分で踏破されているのは、ウロウロしなかったにしても早い。こちらの遅さが際立っているのかもしれない。

頂上から西に向かう道はしっかりしており、はじめて余裕のある歩きができた。天ヶ峰への道を分け、桜池に向かうがここもなんの問題もない。途中で大変眺めのよいところがあり、430b峰の北壁から466b峰の西壁が大きく削られている有様が眼前に広がった。奥多摩の武甲山が石灰岩の採掘のため、山容や標高が大きく変化しているのと似たようなことがここでも見られる。もっともこちらは石灰岩ではなく、骨材用の砕石製造が目的のようだ。桜池までも道はしっかりしていた。堰堤の先の出口には厳重な扉があった。ここも引き返すわけにはいかないので、脇を通り抜けさせてもらう。反対側にあった立入禁止の看板には、農業用水なので、水泳や魚釣りを禁止しますとの表示。登山禁止とは書いてなかった。

ここから梶岡山を目指すが、よいルートがないので、一旦県道506号線に出て、回り道をすることにした。県道に出るまでの道はダンプが頻繁に走り、目、鼻、口を全面的に塞ぎたくなるほどの砂埃が舞っていた。県道に出ると通行量は多いものの、ホコリは少ない。六甲北有料道路の柳谷ICの北で山道を探る。人家に入る道があり、年輩女性が二人立ち話をしておられたが、私道だろうと遠慮して、少し先のところから入ろうとすると、呼び止められてそこには道がないと言われる。ゴソゴソ音が聞こえるので、イノシシかと思ったとのこと。梶岡山という名前は知らないようだったが、地図を見せると先ほどの人家の間の道が村道で、上に続いていると教えられた。

すぐに分岐があり、沢に沿った道を登っていく。右岸にもう少しよい道がチラチラと見えていたが、地図の破線は左岸についているので、我慢して歩きにくい道をたどる。しばらくして、やはり右岸がよさそうと沢を渡る、標高310b付近の小広場に日が射していたので昼食とする。近くにイノシシの罠が置かれていたので、やはりよく出没するらしい。食事をしながら一応警戒しておく。食後歩き始めてすぐにあるはずの分岐に気を付けていたら、やはりそれらしき踏み跡が沢に下りていた。それが正しいという判断はGPSがなければなかなかできなかっただろう。沢を渡って少し登るといきなり急登が待っていた。多少の急坂は気にならないが、ここのは半端でなかった。尾根は痩せており、掴まる岩は脆くてすぐはがれ、比較的太い松なども今にも折れそうで、頼りになるものがない状態が長く続く。時間にしたら10分ちょっとだったが、本当に緊張の連続で、小一時間ヒヤヒヤしたような感じだった。高所恐怖症ではないが、ここでは左右の下を見下ろす余裕がなく、ひたすら足元を見つめながら歩いた。こんな道を予想していなかったが、そう言えば、出発前に、この尾根を登ったというレポートを見ていなかったなと気が付いた。帰宅後に調べてもなにもなかった。難路が一段落してやっと周りの景色を見る余裕ができた。そのあとも急坂はあったが、普通に歩いて梶岡山の頂上に達した。手作りの小さなプレートが架っていた。

頂上から南に少し下ったあとの分岐点もよく分からず少しウロウロした。地図にはそこから西に向かって2本の破線が引かれているが、結果的には北側の沢の道に入っていったらしい。道らしきものは全くないが、沢の中なので迷うことはない。しかし、やたらと大きな倒木が沢を塞いでいる。やがて左手からの沢が合流して、右に大きくカーブする地点にさしかかり、支沢の方へ登っていく。ほとんど源流に近くなったと思ったころ、行く手がシダの群落に覆われていた。右手上に尾根道があるような様子だったので、登っていくと果たしてモトクロスが通っている広い道に出た。東方道という名の道らしい。南に向かうとすぐに大きな広場にでた。ランドクルーザーが集まる場所らしいが、この日は一台の車が急坂で遊んでいるだけだった。

15時近くなっていたが、もうこのあと心配することはないと気楽にしっかりした道を進む。桜池の上にある採石場への分岐で右折し、南に向かう。つぎの三差路に道標が立っており、読みにくかったが北方向が五社駅、南方向が多聞寺と書かれていたようだ。西方向はナダレ尾山方向だろう。経験のない多聞寺方面への道を進む。これだけしっかりした道標があり、地図にもはっきり破線が書かれているので全く心配していなかったのだが、実際は倒木が多く、踏み跡もはっきりしない道だった。二手に分かれたのに気が付かず、左手の並行するトラバース道のようなところを歩いていた。GPSで気が付いたので、右手の尾根に乗りうつる。その後も分かりにくく、次の三差路に出る手前で道を外していた。なんとか正しい道に復帰して下り続けると、関電の鉄塔がすぐそばに現れた。有馬大池線の二十九だった。初めて見る名前だ。そのすぐ下に三十の鉄塔があり、ここで左折しないといけないのに、鉄塔に気を取られ、そのまま南に進んでしまった。地図に破線もない尾根で、すぐに誤りに気付いたが、踏み跡もあるし、距離的にはまっすぐ下る方が近いのでそのまま進む。やがて道はなくなる。大した悪路ではなかったが日が短いので、暗くなるのを少し心配した。



展望台でキスラシ山の最高地点466b峰を


 


展望台から西南方向に見えたピーク



下山途中で見た430bピークの南面 




桜池




危険な痩せ尾根を乗り越える


 
 

やっと下界を見る余裕が




 梶岡山山頂


 

梶岡山からの谷筋の様子




ランドクルーザーが走り回っていた広場 




有馬大池線二十九の鉄塔


トップページへ      地域別索引へ     近畿索引へ      年次別索引へ