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2018. 03. 14  音羽三山


山の辺の道や高見山などから見て、いつかはと考えていた。手ごろなハイキングかと二人を誘い、好天の日を待って出かける。バラバラなルートで鶴橋駅まで行き、ホームで出会う。

  

同行: S氏、N氏

コースタイム

1003 下居BS、1055-1105 善法寺(観音寺)、1111 分岐、1126-40 展望台、1200-30 音羽山(851)、1243-53 経ヶ塚山(889)、1333-35 熊ケ岳(904)、1347 小熊ケ岳(860+)、1358 P859、1408 大峠、1531-36 不動滝BS

観音寺までの登りはウメ、寒ツバキ、トサミズキなどが少々。周りの杉の木は茶色になっており、花粉が盛大に飛んでいそうと思っていたら、案の定、絶え間ないクシャミと水洟に一日中悩まされることになる。結構の勾配で、しかも長かった。駐車場が出てきたのでもうすぐかと思っていたら、そこからも延々と続き、参拝客の苦労がしのばれる。ところどころに丁石が置かれている。境内に着くと、本堂に置かれている可愛らしい坊さん、尼さんの人形が迎えてくれる。藤原鎌足を談山神社に祀った際、鬼門除けの寺として建てたものという。奈良時代には、霊場として賑わい、壮大な堂宇が軒を連ねたというが、その面影はない。高さ25mの大きなオハツキイチョウの樹がある。黄葉時には見事なものになりそうだ。オハツキイチョウはイチョウの変種で、葉の上に実を結ぶ、または葉上に葯を付ける珍しいイチョウで、全国に約20本ほどの存在が知られているだけらしい。



観音寺(善法寺)
 


お葉つきイチョウの大木



そこを出てしばらくすると分岐があり、展望台があるという右手に進む。相変わらず急な道が続く。しばらく進んで振り返ると、段山神社の御破裂山と、その先に金剛・葛城・岩橋・二上の山並みが見え始めた。しかし、透明度は低く、町並みの詳細は識別できない。ベンチなどもある展望台らしきところに着く。その先は林の中に入っていくので、おそらくここが展望台だろうと話をする。観音寺の住職の話では、展望台から少し藪漕ぎすると香久山はみえるとのことだったので、少しだけ南側に下りてみたが、香久山の左斜面が辛うじて見えただけで、大和三山では畝傍山だけがくっきりと見えただけだった。




展望台から御破裂山のうしろに金剛・葛城・岩橋・二上の山塊
二上山の左手前に畝傍山


そのあとの登りもかなりハードなもので、運動不足のN氏はかなり遅れ始めた。それでも20分後、正午きっかりに音羽山に着き、ランチタイムとする。展望はない。北東方向に踏み跡があり、大宇陀本郷に至るとの表示があった。最近読み終わった高村薫の「土の記」の舞台。大宇陀から榛原にかけての地名がたくさん出てくるので、地図を見ながら興味深く読んでいた。できれば西山岳だけでも拝みたいと思っていたが、住職の話では東側はなかなか見えないとのことだった。音羽山から経ヶ塚山までは50mの下りと90mの上りだが、ここも下り上りとも急勾配だった。経ヶ塚山には二つのコブがあり、地理院地図には北側のピークを889mとしているが、山頂標識や経塚石塔があるのは南側のピークだったと思う、ここからわずかに大宇陀の町が見え、ふれあい交流ドームの白い屋根が見えた。



音羽山山頂 


 経ヶ塚山山頂の経塚石塔


経ヶ塚山から5分ほど下ったところで、予期しなかった熊ケ岳の鋭いピラミッドが正面に高く見えた。この山が見えたのはここだけ。コルに下りた所で、さらに調子が悪くなったN氏を待つ。熊ケ岳の手前で少しだけ東側が見えたが、樹に阻まれて全貌が分からない。横山岳が見えていたかもしれない。熊ケ岳では、一息入れただけで素通りする。860+峰(小熊ケ岳)と反射板のある858.8峰の間で東側が少し見え、三角形の山がうっすらと見えた。方角からみて高見山だろう。反射板からの下りで竜門岳が一度だけ見えた。山腹に鉄塔があるので間違いない。大峠に下ると女坂伝承地の碑がある。日本書紀の神武天皇東征の神話に関係する場所で、わが誕生日とほぼ同じ昭和15年11月に建てられたという。あの時代の要請なのだろう。




熊ケ岳が高い




かすかに高見山が 




竜門岳
 


大峠にある女坂伝承地の碑
 


そこから少し下ると簡易舗装の林道となる。そのあと地理院地図とはかなり離れたコースを歩く。数日前の新聞に出ていたが、YAMAPやヤマレコに記録されたメガデータを利用して、地理院地図に引かれた登山コースを改訂する試みが始まったらしい。ここもその対象になりそうだ。所どころで何本もの大きな倒木が道を塞いでいた。N氏の足が攣って、ますます歩きにくそうになってきた。太ももを揉むと少し歩きやすくなるようだった。針道(はりみち)の集落付近で、切り出した材木を運ぶヘリコプターがなんども往復するのに出会い、やかましいことこの上ない。

不動延命の滝やその近くの破不動という岩を大急ぎだが見る時間があった。この岩には談山が鳴動したときに破裂したという言い伝えのある大きな亀裂が入っている。予定より30分ほど遅くなったが、発車の数分前にバス停に着き、1時間に1本しかないバスに乗ることができた。

 

簡易舗装の林道




倒木が道を塞ぐ 



不動延命の滝


破不動尊の右手に破不動の岩
 



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