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2015. 07. 27 - 29
 栂池・白馬大池


女房殿を最後になるかもしれない3000m級の名山に連れて行こうと計画。当初は、栂池から白馬大池、白馬岳、大雪渓というコースを考えていたが、どうも無理そうなので、白馬大池泊まりとして蓮華温泉に下ることにした。

同行: 女房殿


 

2015. 07. 27 栂池へ

コースタイム

1605 白馬駅、1630 栂池高原、1700 ロープウェイ自然園駅、1710 栂池ヒュッテ、1842 自然園入口、1905 栂池ヒュッテ

波乱に満ちた一日だった。まず、女房殿が新大阪で下車せずに京都まで行ってしまい、新大阪のコンコースで呆然としていると京都駅にいるという電話が入る。予定より30分ほど遅い新幹線に乗り、京都で無事合流。中央線の特急は1時間遅れだけだったが、松本から白馬までの連絡が悪く、結局3時間遅れとなる。大糸線からの展望はいま一つで、有明山、北葛岳、蓮華岳、爺岳が見えた程度だったが、女房殿は大変喜んでいた。大町でも、大町温泉郷からのバスを利用するなどいくつかのルートを考えたが、どれもよくないので、結局大町での待ち時間が2時間にもなった。暑いので博物館に行こうという気にもなれず、跨線橋のところまで行って霞むアルプス方面を眺めただけで駅に戻る。

白馬駅からバスで栂池高原まで行くと、なんと栂池ゴンドラの下半分が動いていない。大勢の人が憮然とした表情で待っていた。長い人は1時間も待っているという。中継点の白樺駅まで臨時バスを出すという話になり、最後にゴンドラ駅に着いた当方はそれほどのロスもなくそれに乗る。中継点から上のゴンドラは問題ない。ロープウェイに乗り継ぎ自然園駅に着く。そこから栂池ヒュッテまでの10分ほどの道には、ショウマ、シモツケ、ミヤマシシウド、クルマユリ、ミヤマアキノキリンソウなどが見られた。この日のうちに自然園をゆっくりと散策するという予定が崩れたが、夕食後に栂池ヒュッテを出て、20分ほど誰もいない自然園のさわりの部分を散歩する。時々小雨がパラつく中だったが、花も多くなかなかよい散歩だった。ミヤマカラマツ、オタカラコウ、コバイケイソウ、キヌガサソウ、ミヤマキンポウゲ、イワオウギ、ナナカマド、ワタスゲ、ミヤマアワガエリ、コイワカガミ、カラマツソウなど。

 

自然園入口

 

コバイケイソウ



2015. 07. 28 栂池から白馬大池へ

コースタイム

0506 栂池ヒュッテ、0518 風穴、0523−30ワタスゲ湿原、0531 楠川、0551 浮島湿原、0555 浮島湿原案内板で引き返す、0636−0800 栂池ヒュッテ、0907-10 銀嶺水、1000-15 天狗原、1239-55 乗鞍岳(2469m)、1415−1745 白馬大池山荘、1814 コマクサの稜線、1835 白馬大池山荘

この日は、朝一番で歩き始め、大池で昼食をとり、自分だけ小蓮華山までピストンするという計画だったが、もう少し自然園の散策をしたいので、早起きして1時間半歩く。大体はこんなに早く起きることのない女房殿も早起きして5時過ぎに出発。浮島湿原を少し入った休憩所で引き返す。ほぼガスの中だったが、ちょっとだけ白馬方面が見えるときがあった。花は盛りで大満足。前日に見なかったものとしては、ヒオウギアヤメ、ミズバショウ、モミジカラマツ、エンレイソウ、ニッコウキスゲ、エゾシオガマ、シラネニンジン、サンカヨウ、ベニバナイチゴ、ゴゼンタチバナ、マイヅルソウ、チングルマ、ユキザサ、ハクサンチドリ、シモツケソウなど。ミズバショウ湿原、ワタスゲ湿原、浮島湿原でそれぞれの植生が微妙に違うのが興味深い。この時期、かなりまとまってあったものはワタスゲ、ニッコウキスゲ、ヒオウギアヤメ、モミジカラマツといったところ。



自然園のニッコウキスゲ



浮島湿原


朝食を終えてヒュッテを出たのは8時。ここの朝食は早くないので、これでも遅い出発というほどではない。ただ、ゆっくりの予定なので、宿泊客の中ではもっとも遅い出発になった。栂池から天狗原間のコースタイムは1:20、白馬大池までは2:00というので、われわれの足でも休憩を含めて4:30もあれば登れると考えていたが、予想外に女房殿の脚力は落ちていて、合計6:15もかかってしまった。早朝の散歩に多少の体力を使ったこともある。

地理院地図の点線とは違い、ビジターセンターの所から登山道がはじまる。ズダヤクシュ、オタカラコウ、マイヅルソウ、ゴゼンタチバナ、オオバノミゾホオズキ、スミレ、オトギリソウなどを見ながら1時間ちょっとで銀嶺水に着き、小休憩する。もっともその前にも何度か立ち止まることがあった。やがて残雪が出始め、わくわくするが、女房殿にとってはなんの喜びでもなさそう。最後にかなりの雪の斜面を越えると天狗原につく。大勢の人が休んでいた。広々とした平地になっていて湿原が広がり、前方には乗鞍岳の大きな雪の斜面が見えている。足もとを見ると可憐なタテヤマリンドウの群生。キンコウカ、ワタスゲ、ヒオウギアヤメといった湿原の常連も顔をそろえている。やがて岩の間を縫ったり、雪面を登ったりと女房殿の苦行が続く。ショウジョウバカマ、ヤマハハコ、タカネバラ、ミヤマダイコンソウ、チシマギキョウ、コゴメグサ、トウヤクリンドウ。やっと傾斜が緩み、乗鞍岳の山頂部につく。大きなケルンがあり、乗鞍岳頂上(2436.7m)という標識が横に立っている。これはいろいろな意味で間違いだろう。今回は見逃したが地理院地図の三角点は2436.5mでケルンの300mほど東側にある。ケルンの所は約2450m。その100mほど南に2456mの高みがある。簡単に行けたが、女房殿が消耗していたので行くのをやめる。もう一つ大池の北に2469mのピークがあり、国土地理院はこれを乗鞍岳の山頂としているとか。



天狗原

 


残雪




乗鞍岳



白馬大池を見下ろす


当初は大池に着いてから昼食と思っていた。女房殿もすぐ下ろうと言ったが、すでに12時半をまわっているので、ここで中食をとる。そうしてよかった。大池まですぐのはずだったのに、1時間20分もかかってしまったから。岩のゴロゴロする道が苦手のようだ。でもすぐ下に大池が美しい姿を見せているので、なんとか下りつく。途中にハクサンシャクナゲ、ハクサンイチゲを見つけ、池の周辺では、ハクサンコザクラ、チングルマ、ハクサンボウフウ、ウサギギクなどが咲き誇っていた。ベンチに腰掛けて、暖かいラーメンを作って、もう一度中食をとる。もう小蓮華山まで往復する時間はない。雷鳥坂を登って、船越の頭から小蓮華山の稜線をまじかに見えるところまで登った。コマクサのほか、コゴメグサやイワツメクサもあり、50分ほどのゆったりした散歩を楽しんだ。食事はカレー。部屋は4畳に6人という混みかただった。



ハクサンコザクラ

 
 

コマクサ


 

船越の頭から小蓮華山方面
 

夕暮れの白馬大池


2015. 07. 29 白馬大池から蓮華温泉へ

コースタイム

0710 大池山荘、0730 雪倉・朝日方面の展望、0920-1000 帽子探し、1020 天狗の庭、1222 蓮華温泉、1327-1440 露天温泉巡り

朝起きて池の周りを散策するが、残雪と青い空が池に映え、夏山らしい気分を醸し出している。この日も、蓮華温泉まで下るだけなので、ゆっくりと出発する。またもや時間がかかった。コースタイムが2:20の道を、帽子を探しに行った時間を差し引いても4:30と、前日同様ほぼ2倍の時間がかかった。初めのうちは岩がゴロゴロの道もあり、無理もなかったが、その後比較的楽な道になってもかつてのスピードはでなかった。

 

朝の大池


 

チングルマ


下って行くにつれ、左手に主稜線が見え隠れする。鉢ヶ岳、雪倉岳、やがて小蓮華山も。花も多いし、コマドリなど鳥の声もかなり聞こえる。途中で帽子を失くしたと言うので、女房殿を休ませる意味もあって探しに戻る。往復40分使ったが見つからなかった。やがて天狗の庭に出る。タカネナデシコなどの新しい花が咲いている。このあと蓮華温泉まで@@分という標識が何度か出てくる。黄金湯のそばを通り過ぎてしばらくしてやっと温泉に着く。

 


小蓮華山、鉢ヶ岳、雪倉岳




天狗の庭 


イブキジャコウソウ

最後に、この日初めて見た花を列挙しておく。ツマトリソウ、ヤマハハッコ、ミヤマキヌタソウ、イワイチョウ、イチヤクソウ、オオバミゾホウズキ、ネバリノギラン、天狗の庭で、ミヤマウイキョウ、シロウマウスユキソウ、イブキジャコウソウ、タカネナデシコ、ミヤマムラサキ、ミヤマコゴメグサ、オンタデ、シロバナニガナ、ミヤマシシウド、イチヤクソウ、ヤマブキショウマ、タマガワホトトギス、オオウバユリ。

平岩からのJRに乗るには13:45のバスに乗らないといけない。食事の時間はあるが、ゆっくり温泉を楽しめない。糸魚川への直行バスに乗ると、余計な出費となるが、問題なく帰宅できるので、それにする。食後、露店温泉巡りに出かける。女房殿は内湯だけにするという。仙気の湯と薬師湯に入る。いくつかある露天風呂のベスト2だったと思う。仙気は湯船も広く、一緒になった人とゆっくりと話をする。モミジの頃は最高だという。そのうち中高年の夫婦が入ってきたので、譲って薬師湯に登る。ここは狭いが、濃い緑色をしているのが珍しい。一段と見晴らしがよい。若い男女が入っていたので、少し離れたところで、空くのを待ってから一人で入る。下って黄金の湯にも立ち寄る。横浜の夫婦が入ろうとしていたが、それほどの魅力はなかったので、本館にもどり、内湯で身体を洗い直して終わりとする。周りにガスがかかっていたのが惜しかったが、満足のいく温泉だった。

 

仙気の湯


薬師の湯 

蓮華温泉からのバスは延々と人家のない道を走ったのが印象的だった。平岩駅の近くになってやっと建物が見え始めた。糸魚川からはできたばかりの北陸新幹線で金沢に行き、少しだけ構内を歩いたのち、サンダーバードで帰阪した。



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