2015. 6. 17 二上山・屯鶴峰
6月3日のゆったりハイキングの定例日が雨だったので、2週間遅れになったが同じ企画で有志だけで出かける。予想以上によい天気になった。目的地の二上山は生駒山地と金剛山地の間にある二上火山群の主峰で、トロイデ型の双耳峰はどこからでも目につく山だ。万葉集にたびたび登場する点でもよく知られている。
同行:YH3名
コースタイム
近鉄二上山駅(0:10)畑配水場(0:36)二上神社口駅分岐(0:20)大津皇子墓(0:01)雄岳(517m)(0:13)馬の背(0:04)雌岳(474m)(0:11)竹ノ内峠分岐(0:20)緑の鉄塔(0:20)銀の鉄塔(0:23)ダイトレ北入口(0:11)屯鶴峰登山口(0:16)晴実台入口(0:17)関屋駅
近鉄二上山駅を降りて路地のような細い道をたどると上の池横の登山口に着く。そこからは林の中の緩やかな登りがはじまる。いくつかの分岐点があるが、標識はしっかりしている。あちこちにベンチが置かれており、東側の眺めが得られるところもある。かなり霞んでいたので、生駒山や耳成山、畝傍山などがやっと分かる程度だった。傾斜が緩み、悲劇の皇子として名高い大津皇子の墓の石垣が目に入ると、頂上が近いことを教えてくれる。この墓は明治になって作られたもので、本当の墓ではない可能性が大きいらしい。ここに清冽な白が印象的なガクウツギ(?)があった。すぐそばに葛木二上神社の社殿がある。コンクリートブロックでできたささやかなもので、本殿や拝殿はない。山頂標識もないので通り過ぎたが、すぐ横の木立の中で数人のハイカーが昼食をとっておられ、そこに二上山雄岳517mという標識があった。
大津皇子の墓
そのまま馬の背といわれる鞍部まで下る。あちこちからの道が交差する場所だ。ここにあった温度計は31℃を指していた。雄岳からの下りにくらべ、雌岳への上りはごくわずかだった。こちらの山頂は広く、大きな日時計がある。淡路島から伊勢にかけての北緯34度32分付近の線上に太陽崇拝と何らかのつながりがある古代祭祀遺跡が並んでいるということをNHKが放送したのにあやかって作られたものという。昼食時でもあり大勢の人が休んでおられた。われわれもここで弁当を広げる。岩橋山の先に霞んだ葛城山が、さらに目を凝らすと、その右うしろに金剛山が見えていた。大和平野はますます霞んでしまった。ウグイスの声が聞こえ、極端に人見知りするウグイスにしては珍しく、かなりの時間姿も見せていたのだが、4人の仲間うち自分だけ目にすることができなかったのは悔しい限り。
雌岳頂上の日時計 |
雌岳から岩橋山(右後ろに葛城山、さらに金剛山) |
馬の背に戻り、屯鶴峰への道に進む。しばらくしてダイアモンドトレールと合流する。あとは北に向かってどんどんと下りていく。長い丸太階段がいくつも出てくる。二度目の鉄塔から振り返ると、二上山の双耳峰がきれいに並んでいる。電車の車窓からは見えていたが、歩いている途中で二上山を見たのはここだけだった。鉄塔のそばに咲いているネムの花も暑くてやりきれないという雰囲気だ。
丸太階段が延々と |
銀の鉄塔から二上山を振り返る |
トレール北入口で国道に出たあと少し歩いて、奈良県の天然記念物に指定されている屯鶴峰へ行く。二上山の火山活動により沈積した凝灰岩が2000万年間の風化・浸食を経て奇岩群となったもの。東六甲の蓬莱峡の奇岩とは成因が違うので、雰囲気もかなり違う。一見の価値のある風景だ。
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屯鶴峰入口まで引き返したあと、関屋駅まで日陰の少ない道が続く。国道沿いの果物店で冷えたスイカを買い求め、のどの渇きを潤したものの、それも長持ちせず、駅に着いたときに、またまた冷えたビールのお世話になった。