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2014. 09. 13  金勝アルプス


最初に狛坂磨崖仏のことを聞いたのは、10年以上前にY氏が興味があるので行きたいと言っていたとき。その後、白州正子の「かくれ里」で触れられていたのを読み、ブルーガイドハイカーにもハイキングコースとしても興味深いと書かれていたので、ずっと関心を持っていた。11月のYHクラブの計画に組み込もうと思い、下見を兼ねて女房殿と歩く。

  

同行:女房殿


コースタイム

1034 上桐生BS、1112 落ヶ滝入口、1117-23 落ヶ滝、1206-36 昼食、1237 北峰縦走路、1302 窓岩、1330-53 天狗岩(509)、1405-07 耳岩、1417-19 白石峰、1430-32 竜王山(605)、1444-50 白石峰、1455 重ね岩、1458 国見岩、1509-12 狛坂磨崖仏、1523 南谷林道、1553 逆さ観音、1600-04 オランダ堰堤、1619 上桐生BS

9/13、14の二日間で10万人が来場するという「イナズマロックフェス2014」の初日で、草津駅は大混雑。そのためかどうかは知らないが、バスは8分ほど遅れてくる。バスには普通の乗客も乗っており、いつもの登山バスとはちがう。とは言っても、終点まで乗ったのはわれわれ二人だけ。バス停からキャンプ場の方へ進むと駐車場があり、ここにはかなりの車がとまっていた。登山者のものもあるのだろう。その奥が登山口になっている。やがて右手に草原がひろがり、ゆったりとした奥池が見える。その池に水が注ぎ入るところで流れを渡り、左岸に出るが、その後も右へ左へと徒渉を繰り返す。やがて落ヶ滝への分岐。ここらあたりから何人もの人と出会うようになる。快晴の三連休の土曜日のことだけはある。落ヶ滝の水量は今ひとつだったが、大きな岸壁の表面を何段かに別れて落ちる姿はなかなかの美観だった。

少し登ると、西方向の下界が見渡せるようになる。千頭岳・音羽山の稜線が正面に見え、その右手に愛宕山(手前に如意ヶ岳)が霞んでいる。かなり上流になっても、平たい花崗岩の上を流れる清らかな川が続く。長いロープが垂れ下がった巨岩が出てくるが、傾斜はたいしたことなく、ロープなしでも登られる。だんだん女房殿の疲れが出てきたようで、大幅にコースタイムとずれはじめる。とても天狗岩での昼食は無理で、せめて稜線に出てからにしようと考えていたが、どうもそれも無理のようだ。すぐ上に空が広がっているようだが、大きな岩があり、日影もあり、細くはなったがいまだに水の流れもある絶好の場所を見つけて昼食とする。ここに紫色の小さな花があった。この日はほとんど花がなく、山中ではこれだけくらいだった。ジロボウエンゴサクのような花だが、葉が全然違う。名前は不明。




落ヶ滝


穏やかな流れの中を登る



そこを出るとすぐに稜線だった。ここでも食事はできたが、やや暗い印象で、先ほどの方がうんとよかった。稜線に出てしまえばあとは大した上り下りもない。鶏冠山は省略して天狗岩の方へ進む。先ほど見えた愛宕山の右に比叡山があらわれ、琵琶湖も見える。振り向くと鶏冠山が大きい。ザレた花崗岩の道はロックガーデンそっくりで、大きな岩が次々出てくる所は荒地山と似ている。

窓岩と言われている門のような造りの岩がある。鈴鹿の国見岳の近くにあった石門とそっくり。すぐそのあとで、天狗岩の全貌がしっかり見える展望台となる。日が陰っていたので、しばらく西から北方向の山々を眺めて時間をつぶす。やがて雲が動いて日が射すようになった。やはり見栄えがよくなる。




窓岩


天狗岩遠望



少し林の中を登ると天狗岩の下の広場に出る。案内板やベンチがあり、登る人、下ってきた人、休んでいる人がおられる。子供達がロープを伝って降りてきたのと入れ替わりに登り始める。荒地山の七右衛門ーと似たような雰囲気の所をしばらく進むとテッペンに出る。かなりの人が休むに十分の広さの岩場だ。交野山の頂上の岩は傾斜していたが、ここは水平。眺めもすばらしい。南西から北を経て東までの遠望がきく。





天狗岩への上り


天狗岩から近江富士方面を見る





右上の写真の一部をズームで



耳岩の方へ足を進める。振り返ると天狗岩がゴツゴツとした岩の塊という感じで聳えている。北側から近づいて来たときには、端整なピラミッド状だったのと趣が変わって面白い。二段重ねになったような巨岩があり、しばらくしてまた大きな岩のそばを通り過ぎる。子供連れが休んでいる。「ここが耳岩」と書いた標識があった。折角だからと、少し苦労しながら上まで上がってみたが、大した値打ちはなかった。ここで右手の道をとると水晶谷線を経て上桐生へ出ることができるらしい。耳岩から南東に進むと10分足らずで白石峰(白石峠)となる。ベンチもあり、木陰になっている。





耳岩



女房殿はここで休んでいるというので、往復25分の竜王山に行かせてもらう。茶湧し観音がすぐそばにあったが、日がまともにあたっていて、顔の表情などがよく分からない。金勝寺八大竜王本殿の少し先に頂上があった。大勢のグループが占拠しており、ゆっくりと眺望を楽しむことができなかったが、どうも書かれているほどの絶景とも思えなかった。比良山系と三上山の写真を2枚撮っただけで、早々に引き返す。




竜王山からの近江富士



白石峰に戻って、ブドウを食べたりして少し休む。重ね岩、国見岩と見どころが続く。国見岩からは鶏冠山、天狗岩、三上山がならび、なかなかの景観だった。このあとはもう眺めはない。狛坂磨崖仏というこの日のもう一つの目標がある。皆さんが絶賛しておられるのだが、如来像の表情などに魅力を感じることができなかった。奈良後期のものがこのようによい状態で存在していること自体はすばらしいと思う。まわりに狛坂寺跡らしい石組みが残されており、いくつかの磨崖仏がある。





重ね岩


国見岩から鶏冠山、天狗岩、近江富士を



少し岩のゴツゴツした道が続き、女房殿は苗場山の道を思い出すと言っていたが、すぐに幅広い林道となる。水晶谷線と合流し、新名神高速道路の下をくぐる。逆さ観音、オランダ堰堤といくつかの見どころを過ぎると上桐生のバス停に戻る。





狛坂磨崖仏


オランダ堰堤



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