2012. 12. 27 浅間隠山・鼻曲山
桐生での会合後、高崎に泊まって軽井沢まで新幹線。その後レンタカーをして二度上峠へ行き、両側の二つの山に登る。
同行: 単独
コースタイム
0930 浅間隠山登山口、0947 北軽井沢方面分岐点、1045-1125 浅間隠山(1757)、1222 登山口。
1255 二度上峠、1338 氷妻山(1467)、1455 国境平分岐、1500-1503 小天狗(1655)、1506-16 鼻曲山(1650+)、1519-1523 小天狗、1619 氷妻山、1648 獅子岩、1703 二度上峠
うっすらと雪がある登山口を出発。カラマツの落葉が多い。「急坂・強者コース、若者・プロ級」などと書かれた道とジグザグに登る道があちこちで分岐している。急坂コースを行くが、大した急坂ではない。尾根に出て正面に浅間隠山をのぞむようになる。しばらく緩やかな道を辿ったあと、傾斜が急になり、少し凍った部分も出てくる。笹塒山への道を右に見送り、最後の坂を登ると、快晴の頂上に着く。思わず歓声をあげるほどのすばらしい展望。40分も長居する。浅間山はすぐそこにあり、真っ白な斜面が雄大だ。こんな好天なら、浅間山に登るのもよかったかもしれない。いかにもピッケルとアイゼンが気持ちよく効きそうな斜面だ。雪は締まっていて、ラッセルや雪崩の心配もなさそうだし、噴煙もあがっていないのでかなり上までは近づけるのではないだろうか。
浅間隠山からの浅間山
北アルプスの南端は山の間に見える野口五郎か。烏帽子岳、唐沢岳、蓮華岳、鹿島槍ヶ岳、五竜岳は明瞭。立山や剱岳が見えるので、針ノ木から爺岳あたりがやや不明瞭。五竜岳から妙高山の間が木に隠れて見えにくいが、それでも工夫するとなんとかなり、近くの四阿山も大きく見える。白根山、横手山、白砂山、仙の倉山、万太郎山までは満点の眺め。谷川岳、越後三山、平ヶ岳、至仏山の雲だけがいつまでも取れなかった。燧ヶ岳、武尊山、日光連山、赤城山もすべてのピークが区別できる。その右手前に榛名連山。その右奥に筑波山がかすかに。手前の角落山、剣の峰、鼻曲山の先には、妙義山の白雲山と金洞山の鋭峰群が目をひく。そしてその背後に、両神山、奥秩父連峰が並ぶ。三宝山と国師ヶ岳の間から富士山。そのあとは南ア、八ヶ岳、中ア、経ヶ岳、浅間山、浅間の外輪山の山々となる。南アでは鳳凰山のほか、間の岳、北岳が見えるが、間の岳は北岳のほぼ後方なので、判別は困難。帰ってから写真を見ながら丁寧に同定したが、100近い山の名前をあげることができた。下山始めると、少しだけ至仏山や平ヶ岳も薄雲の中に頭を見せてくれた。下にいくつかの写真を掲載するが、360°のパノラマ写真は「展望」画面に。
榛名山(左奥に赤城山) |
妙義山(背景に両神山、奥秩父など) |
北アルプス |
平標山、仙ノ倉山、万太郎山 |
下りは最初から軽アイゼンを装着。なくても危険はないが、あると神経を使わなくて済む。駐車地点にもどり、すぐに二度上峠へと移動する。車道から一段上がったところに駐車場があるが、道がテカテカに光っていたので、邪魔になりそうにない道路脇にとめ、車中で昼食。前に浅間山が見え、後に浅間隠山が見える絶好の場所だ。
二度上峠の少し上から浅間隠山を振り返る
鼻曲山へと足を進める。いくつもの小ピークを越えたり巻いたりして氷妻山の頂上に着く。地形図ではここからまっすぐ南西に下るようになっているが、途中で北西の方に進んでいくので、おかしいと少し引き返す。他にそれらしき道もないので、さらに前進するとそのうち南西へと方向転換した。地図とは違う道になっている。なんでもない道なのにテープがいくつかあったのはそのためだろう。
ところどころで道が完全に笹で覆われ、しかも雪も被っているので分からなくなる所があった。しかし、そのような所にはテープがある。やがて傾斜が急になったので軽アイゼンを着ける。やはりうんと楽になる。国境平分岐までくると傾斜はゆるみ、すぐに三角点のある小天狗。かなりよい展望が得られる。浅間隠山からのと比べると、妙義山がかなり近いのが大きな違いだ。やや透明度が落ちてきているものの、富士山もまだ見えている。光が直接雪山にあたらなくなったため、南アや八ヶ岳の峰々はよりくっきりと区別できる。それ以外は木立や浅間隠山に隠れてほとんど見えないも同然だった。
小天狗からの浅間山
富士山から、奥秩父、南アルプスを経て編笠山に至る展望 |
浅間隠山の右手に谷川連峰 |
東側のピーク(大天狗)に移動すると、鼻曲山の標識がある。そこが霧積温泉への下山口になっており、足跡がかなり残っていた。展望はかなり劣るので、すぐに引き返し、もう一度小天狗から最後の眺めを楽しんだのち下山する。獅子岩の手前で浅間山の左裾野に日が落ちていった。赤く染まる西の空をバックに北アルプスの稜線がクッキリと見えるので、なんども立ち止まって、木々の間から覗く。周りの木立もすっかりと赤く染まって美しい。東側には十四夜の月がかかっている。峠に下りるとすっかり暗くなっていた。ここで、やっと木に邪魔されずに夕焼け空に浮かび上がる鹿島槍、五竜などの峰々をはっきりと捉えることができた。どちらの山にも誰も入っていなかったので、新雪を踏む初冬の山歩きができた。
夕焼けに染まる林 |
二度上峠から北アルプスの夕焼け (正面に鹿島槍ヶ岳と五龍岳。その中間手前に大松山)) |
想定していた時間より1時間半も遅い下山だったが、まさか帰れなくなるかもしれないとは夢にも思わず、慌てることなく軽井沢に戻る。車を返却すると、18:24発の「あさま」にちょうどよい時間だった。ホームに下りたところで、腕時計がないのに気がついて慌てる。改札口から外に出して貰って、レンタカーの中を探すがない。あきらめて、ついでに次の列車もパスして駅前で食事をする。これが大失敗だった。食事をせずに18:57発の列車に乗っておれば、24時前に新大阪に着くことができた。しかも、汽車に乗ってから腕時計が出てきたので、ますます腹立たしい失敗だった。結局、松本で一泊。翌日は年末規制で、ジパングの割引が効かなくなってしまうというおまけまでついた。