2012. 12. 7 - 8 瑞牆山
今回の主目的は前から気になっている小川山、それと廻目平の岩峰群。雪がひどければ小川山を割愛して、八丁平から廻目平へ直行とか、往路を引き返すこともあり得るかと考えていた。瑞牆山は時間に余裕があり、天気がよければ行ってもよい程度の計画。
前夜、少し早めに東京での会合を抜け出し、予定より一台前の「あずさ」に乗車したので、色々とよかった。韮崎駅前の旅館にチェックインしたあと、コンビニまで買い物に行き、駅前でバス停をチェックすると、予定していたバスがないことが判明した。0850発のみずがき山荘行きはこの季節には走っておらず、0745発の増富温泉行きしかない。おかげでとんでもないミスをせずに済んだ。
同行: 単独
2012. 12. 7 増冨温泉から瑞牆山へ |
コースタイム
0850 増富温泉BS、1010 金山平、1042-1103 みずがき山荘、1154-1217 富士見平、1235-43 小川山分岐、1254 天鳥川、1410-25 瑞牆山(2230)、1544-49 小川山分岐、1630 伐採小屋跡
この日は好天に恵まれ、バスの中からの眺めは最高だった。初めは茅ヶ岳、金ヶ岳に始まり、やがて雪をまとった南八ヶ岳がすっきりと聳えているのが拝める。そのうち高くなるにつれて後方に鳳凰と甲斐駒がどんどん高くなってくる。そしてかなり遠くに瑞牆山や飯森山が見える。最初は少し乗っていた客も次々と下車し、終点まで行ったのは一人だけ。すぐに歩き始めたのは失敗で、一応帰りのバス時刻を見ておくべきだった。長い林道歩きが始まる。観光客向けのサービスか、大黒天の大岩といった具合に七福神の小さな像を特色のある岩や樹のところに置いてある。そのようなものがなくとも、本谷川の渓谷美で飽きることはない。道にはカラマツの落ち葉が敷き詰められている。金山に近づくと、瑞牆、金峰方面の展望が開ける。金峰山の頂上は見えていないように思うが、はっきりしない。道は少し滑りやすい所があり神経を使う。ほとんど問題ないのに、少し氷の道が続くと、知らない間にふくらはぎ辺りがこわばっている。
金山平から金峰山方面
瑞牆山荘手前から瑞牆山
みずがき山荘に着くが、ひと気もなく深閑としている。少しだけカロリー補給をしてから歩き始める。若干の踏み跡があるので、気楽に歩ける。50分で富士見平。時間が早いので、昼食はもう少しあとがよいかなと思い、通り過ぎようとしたが、ベンチもあり、日差しもやわらかそうだったので、やはりここでとることにした。ベンチに座ると視線の先には富士見平の名の通り、霞んではいたが富士山が見えた。以前にも何度か通っているが、富士山が見えたのは初めて。ここまでの歩行時間は2時間50分で、昭文社のコースタイムより20分ほど早かった。最近はテントをもつとコースタイム通りに歩けないことも多いのだが、今日はまあまあだ。瑞牆山にも登っておくことにする。前回は、霧のため山頂からの展望が得られなかったが、この日は期待できる。
富士見平を出て20分ほどで小川山への入口になる。立派な看板があったが、これも初めて見るような気がする。昭文社の地図には点線になっているが、よく歩かれているらしい。ここにザックをデポする。その後は、天鳥川を渡って気持ちのよい山道を登る。最近滅多にないのだが、腰が痛くなり始めていた。しかし、空身になるとげんきんなもので、瞬く間に痛みが消えてしまった。道は雪に埋もれているが、見失うことはない。だんだん巨岩が見え始め、大ヤスリ岩を間近に見上げるようになる。そこから30分ほどで頂上だった。
快晴に近いが、100点満点とはいかなかった。小川山からはじまる奥秩父、富士山、天子山塊、茅ヶ岳あたりまでははっきりと見えたが、南アルプス、中央アルプスは頂上部に雲がかかり、同定に手間取る。八ヶ岳はさらに悪く、上半分が雲の中。それでも大満足。ゆっくりしたい所だったが、風が冷たく、長居できなかった。あまり遅くなるのもまずいので、ちょうどよかったかもしれない。下山途中でも南アルプス方面がかなり見え続けた。
大ヤスリ岩 |
瑞牆山頂から朝日岳、金峰山 |
分岐点までもどり、小川山に向かって飯盛山の山腹を巻く道に入る。ここからは雪の上に足跡は全くない。それでもなんとなく道形は読み取れるので、不安はない。しばらくして左下に天鳥川が近づき、そのうち沢に下りる。そこが徒渉地点で赤テープも見受けられた。そこからすぐに小屋跡となる。ちょうどトタン板がうち捨てられていたので、それをテントの下に敷くことで、雪を固めたりする手間を省く。ちょうどよい大きさで、冷気を多少なりとも防ぐことができるかもしれないと考えた。雪用のペグも持ってきたが、沢筋で風もなさそうなので、無精をしてなにも使わないで済ます。最近はこのようなことばかりしているような気がする。いつかひどい目に遭うかもしれない。テントを張ってから米研ぎと水汲みを済ませる。零度以下の水だろう、手がちぎれそうに痛い。外気温は零下13℃(間違いかもしれない)。もうすっかり暗くなったので、テント内でコーヒーを飲み、食事の準備をする。この日は、やはり鍋もの。家から持ってきた材料と、コンビニで買った材料を合わせて、多すぎるくらいの具材。酒のさかなとご飯のおかずで余すことはなかった。聞こえにくいラジオでの予報では、朝方は雨か雪で、その後回復するらしい。
天鳥川の伐採小屋跡
2012. 12. 8 天鳥川伐採小屋跡から増冨温泉へ
コースタイム
0703 伐採小屋跡、0753 分岐、0823 富士見平、905-20 みずがき山荘、943 金山平、1054 増富温泉BS
やはりかなり寒かった。0420に起床。外気温は−6℃だった。前夜の−13℃というのも正しかったかもしれない。入口を開けると、雪が吹き込んできた。風もあり、ときどきテントが揺れる。前に置いておいたポールも埋もれてしまっている。予報通りだ。食事をしながらどうするかを考える。八丁平までの沢筋のルートはなんとかなるかもしれないが、一晩でかなり増えた雪をかき分けるのもやや気が重い。それより小川山からのかなり厄介らしい下り道の方が心配だ。雪で道を失い、雪の降りしきる岩場でウロウロするのはかなわない。やはり撤退がよいだろうと決心をする。7時に出発するが、そのとき雲が動き、チラリと青空も見えたので、逡巡する。やはり前進しようかと思うが、小川山からの下りはやはり気になる。あとで冷静に考えた最善の策は、とにかく沢を詰めてみて、あまりに雪が深くて大変ならそこから引き返し、もし八丁平まで無事登ることができれば、小川山はやめて廻目平へ直接下り、時間もたっぷりあるので、廻目平での岩峰散策をするという案だった。前日は休みを入れて7時間半ほどかかったので、下るにしても早いほうがよいだろうと思いこんだのがまちがいだった。1〜2時間ここで時間をつぶして引き返すことになってもなにも困ることはなかった。
それはともかく、下り始める。前日の道もほとんど分からない位。しかし、天候は回復傾向にあり、全く心配はない。瑞牆山が小雪の向こうに姿をあらわし、なかなかの絵になっている。
小雪に煙る瑞牆山の岩峰群
富士見平付近でいくつかのパーティーを見かける。この日は土曜日だったため。みずがき山荘にも人がいた。バスの時刻を聞いたがわからないという。携帯で問い合わせると1時間半後に出るのがあるという。コースタイムは2時間。間に合わなければ、温泉にでも入ればよいと、下り始める。来たときより道の凍結度は進んでおり、かなり気を遣う。金山平で計算すると、ギリギリの感じ。やはり4分ほど前に出てしまっていた。とくに日帰り温泉の案内もなく、入りたくなるような食堂もなく、トイレもない淋しい温泉街で、昼食を自分で作って食べようと思ったが、それに適した場所もない。バス停の前のベンチでコンロを取り出して、スープを作ったのが精々といった味気なさだった。
そのあとも冴えないことが続く。韮崎駅で時間があり余っていたのに電車に乗り遅れ、名古屋駅での乗り換えも4分あったのに、細かいロスがいくつかあり、目の前で新幹線のドアが閉まった。。