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2012.
03. 14 英彦山

長崎での用事を済ませた後に日帰りで登る。当初は四国法皇山脈の二ツ岳、エビラ山、東赤石、西赤石を縦走する計画にしていたが、風邪をひいてしまい、熱が下がらないので自重する。前日の飲み会もまずまず普通に過ごせたので、日帰り登山は問題ないだろうと英彦山に向かう。予想より面白い山だった。もう少し下調べをしておくとよかった。

同行: 単独

   

コースタイ

1038-1114 彦山駅、1125 銅の鳥居、1155-1215 奉幣殿、1251 玉屋見口から登る(?)、1300 大岩、1314 P811?、1323 登山道、1327 衣ヶ池(四王寺滝登山道入口)、1351 大南神社、1355-1400 鬼杉、1422 材木石、1452 南岳(1200b)、1500-20 中岳(1188b)、1545 北岳(1192b)、1633 豊前坊、1700 スキー場、1723-33 別所駐車場、1748-1819 彦山駅

久大線からは南側に耳納(みのう)山地がかなり続く。初めて乗る日田彦山線はほとんど眺望がない。途中の宝珠山駅が大分・福岡の県境上にあるというのが珍しい。ほかには京都線の山崎駅くらいらしい。彦山駅に下りてもバスの連絡が悪く、なにもない駅周辺を散歩して時間をつぶす。バスを銅の鳥居(かねのとりい)で下りて下から歩くことにしたのに、スロープカーの方に歩いてしまい、鳥居を見損なってしまった。途中の「花駅」に職員がいたので、正しい階段の参詣道を教えて貰う。はるかに気分のよい道だ。茶店、ミツマタの花、大きな宝匡印塔、いくつもの坊、庭園など、かつての修験道の霊場だったことを彷彿とさせるものが続いている。羽黒山、大峰山とともに、日本三大修験山とのことである。やがて奉幣殿。もとは天平時代に作られたものだが、現在のものは江戸時代の初めに再建されたもの。ここのベンチで日の暖かみを楽しみながら、久留米駅で買ってきたアサリ弁当を食べる。社の右手の鳥居をくぐると登山道。玉屋神社の方へ進む。すぐに後を振り向くと奉幣殿の全景が見える。




奉幣殿を振り返る


いくつかの分岐があり、15分ほどで鬼杉への最短コースを分ける。沢の近くに2頭のシカがこちらを見ていた。もうそろそろ玉屋神社かと思われるところで、道をそれてしまった。かなりの険しいバリエーションルートで、それはそれで面白かったが、由緒ありげな玉屋神社を見損なったのは惜しい。そのルートに入ってすぐにこれは正規のものでないなと分かったが、かなりのテープがつけられているのでそのまま進む。手を使わないと登れないようなところもある。大きな岩を巻いたり、切り立った岩の道を渡ったりと変化に富んでいる。尾根に登りついてもどこにいるのか分からないので面白くない。周りにはまだまだ高い尾根などが見えており、ゴールが遠いということだけは分かる。多分P811bを越えたと思うが、ネットに出ているような標識には気がつかなかった。やがて見晴らしのよい岩尾根に出て、中岳から南岳に到る稜線が目に入り、やっと人心地がつく。そこから5分で主登山道に出た。玉屋見口と書いてあった。奉幣殿1400b,鬼杉1300bという標識があったのでほとんど前進していないかのようだ。




尾根の途中から見えた主稜線(中央が南岳)


このルートを歩いていたのはたかだか1時間半であるが、とてもそんな簡単なものでなかったような気分だった。玉屋神社から1時間半も歩けば南岳まで行ける時間なので、やはり大変だったのだろう。登山道に出てからは気楽な道となる。すぐに四王寺滝登山道入口という大げさな標識があった。なんのことか分からなかったが、帰ってから調べると冬季に滝が氷結するというので人気のスポットらしい。


鬼杉への分岐が出てきた。かなり時間をロスしたが、鬼杉を見ないわけにはいかないので立ち寄ることにする。洞窟の中から半分顔を出している大南神社を通り過ぎて下っていくと、やがて鬼杉が見えてきた。まあまあの大きさではあるが、この程度のものならいくらでもある。引き返して大南神社を経由しない三角形の一辺を歩いて南岳を目指す。登山道に合流する所がすこしザレ場になっており、気をつけて登る。多分ルートをはずしたのだろう。そのあとは、宮城の白石川の材木岩のミニチュア版の材木石やら、ミニ乾徳山のような鎖が垂れ下がった岩場などを越えて南岳につく。展望台が据え付けられているが、危険なので立ち入り禁止になっている。三山のなかでは一番高いのだが、小さな祠と鳥居、それに三角点があるだけの淋しい山頂だった。



大南神社




南岳の下から中岳を見上げる


すぐ前の中岳に向かう。ここには立派な上宮があり、中心的存在である。北岳と南岳も見渡せるし、東の方には幾重にも山並みが重なっている。三陀山、刈又山、中摩殿畑山、鐘釣山などが見えているようだ。石鉢の水は凍っていた。一段下がった所には休憩所もある。そとのベンチの方が暖かいので、そこに腰を下ろして中食休憩をとる。奉幣殿を出て3時間ぶりの休憩。やや時間が遅いこともあるのだろうが、誰にも会わない。

北岳に向かうと斜面に雪が少し残っていた。途中の鞍部にはブナの林がある。西日本有数の美林と説明があった。開けたササ原にパラパラと立っている。東北のブナ林に比べるとささやかであるが、明るいのがよい。北岳は磐が神体らしく、ちいさな祠のうしろの磐には立ち入らないようにとしめ縄ならぬトラロープが張り巡らされていた。




ブナ林


北岳からの下り道の多くが石段になっている。自然石を並べているのだが、階段状にするのでなく、バラバラとおいてあるので気持ちがよい。県内で最もすぐれたシオジ林を通るが、その有難みはよく分からない。望雲台まで400mの標識が出てきたが、雲を見てもしょうがないと素通りしたのもミス。あとでHPを見るととても良さそうな所だった。そのすぐあとに出てきた凝灰角礫岩でできた奇岩群は見応えがあった。逆鉾岩、屏風岩、筆立岩と名前がついている。すぐに豊前坊(高住神社)につく。ここも本殿の後に大きな岩が聳えていた。




筆立岩



ここからも1日に数本バスがある。急げば一つ前の豊前坊発のバスに乗ることができたのであるが、それに乗っても彦山駅で2時間近く待ち、結局同じ列車となる。それよりは、余分に歩く方がよいと考えてゆっくりした。別所駐車場までの気持ちのよい九州自然歩道を歩く。車も人もいないが、バス停はすぐに見つかった。靴をきれいにしながら待っていると10分でバスがやってきた。彦山駅での乗り継ぎがましなのだが、それでも30分ある。待ち時間を利用して駅前の食堂でビールと食事をする。

日田彦山線の豊前桝田=勧遊舎ひこさん間で少し英彦山、それに岳滅鬼山方面が見えたような気がした。添田=西添田間で南側の山々が見えたが、ほとんど同定はできなかった。朝日岳程度か。



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