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11. 11. 13  
三輪山、天香久山

この日の主目的は正倉院展。女房殿の都合がつかないというので、気がかりだった山をついでに歩く。近鉄奈良駅を9時前に歩き始め、17時半に畝傍御陵駅に着いたが、その間、腰を下ろしたのは、奈良駅から三輪駅までのJRと昼食の12分だけという予定外の強行軍になってしまった。


同行: 単独


コースタイ

1238 三輪駅、1248-1300 二の鳥居近くのそうめん処、1313-23 大美和の杜、1330 狭井神社、1337 沢沿いの道に、1345 三光の滝舎、1353 中津磐座、1408-17 三輪山(467)、1435 三光の滝舎、1446 狭井神社、1510-15 二の鳥居(バス乗車)、1525 桜井駅北口、1559-1604 安倍文殊院、1632 古池、1637 天香山神社登山口、1645 天香久山(152)、1651 木之本町の登山口、1725(木之元・別所町経由で)畝傍御陵駅

最終日前日の日曜になってしまったので、正倉院展では35分の行列に並ぶ羽目になった。これで少し予定が狂ったが、大神(おおみわ)神社の近くで三輪素麺の昼食をスムースに終えたのが13時なのでまあまあ。





JR三輪駅の跨線橋から三輪山を望む



大神神社は「日本最古の神社」と称している大和国一宮であり、七五三(11/15)で大にぎわいだった。以前に天香久山を撮影し損なった大美和の杜に行き、こんどは三山をうまく一枚に入れて撮ることができた。金剛山はだめだが、畝傍・耳成のちょうど中間にある葛城山は目を凝らせばなんとかほぼ頂上まで見えている。一の鳥居の先には岩橋山、さらにその右に二上山が霞んでいる。山名表示の陶板がおいてあるのに気がついた。南方向に多武峰、音羽山が見えるとあった。のっぺりとしていて分かりにくいが、多武峰はともかく音羽山まで見えるだろうか。久延彦神社(くえひこじんじゃ)にも足を延ばしておいたが、ここからも同様の展望が得られた。





大美和の杜から大和三山(左から天香久山、畝傍山、耳成山)


狭井神社(さいじんじゃ)に行って登拝の手続きをする。写真撮影禁止らしいが、登っている途中でなぜだろうと疑問になった。「三輪山そのものを神体(神体山)として成立した神社であり、今日でも本殿をもたず、自然を崇拝するアニミズムの特色が認められるため、三輪山信仰は縄文か弥生にまで遡ると想像されている」ということはよく分かるが、普通の神社では本殿の中に入るのはともかく、外から写真を撮ることを禁じている所などはないからだ。

それはともかく、300円を払い、白い襷を掛けて登り始める。いきなり急な階段登りが見えたので、横に置いてあった金剛杖を借りて行ったが、邪魔になる方が多かった。ともかく予想もしなかったほどの人が歩いているのに驚いた。登山の対象としては面白くない山なので、信仰からだろうか。そうでもなさそうな観光客らしき人も多かった。しばらくすると沢沿いの道になる。やがて三光の滝舎なるものがあらわれ、多くの人が休んでいる。その奥に滝に打たれて業をする場所がある。滝といっても樋のようなところから落ちているだけなので、これではとても修行にはならない。

少し登ると中津磐座(いわくら)と書かれた所に出る。張り巡らされているしめ縄の中には立ち入ってはいけないとされている。ごく一部の宗教心の強い人が丁寧にお辞儀をしている。登り口から40分足らずで頂上に着く。
少し奥に奥津磐座があり、そこが最終点で、巻向山や大和朝倉に行く道もはっきりとしていたが、登拝できた人は、来た道をもどるようにというきついお達しとともにロープで通せんぼがしてあった。最高地点は金剛山と同様、立ち入りできないようになっている。





三輪山登山口



腰を下ろすこともせずに下山する。さすがに登りほどは人を追い抜かすことがない。下山して襷を返却する。登山口でお祓いをしてから登り始めないといけなかったことに遅ればせながら気がついた。もう一度、大美和の杜に寄ってみたが、ほとんど変わらない。二上山がすっきりと見えたくらいが多少の差。



天香久山へ                                    


大神神社の鳥居へ下りていくと桜井駅へ行くバスが15:15に出るというので、つい乗ってしまう。JRで三輪駅から桜井駅に行き、乗り換えて香具山駅まで行く予定だったが、待ち時間などを考えると、桜井駅から歩いても大差ないだろうと思ったのが、やや甘かった。電車で行くはずだった桜井=香久山間の2.2 kmの国道歩きはかなりのものだった。その上、途中にあった安倍文殊院に寄り道したため時間をとってしまった。

歩きながら天香久山に近づけば、その姿の変化を楽しめるかと思っていたが、あまりにも低すぎるのかほとんど見えないまま。一ヶ所だけ民家の屋根の上に少しだけ見えたが、ちょうど水越峠付近に夕日が落ちようとしているところだった。これでは山で暗くなってしまうと、のんびりムードからギヤチェンジをして、スピードを上げる。途中で聞いた人が的確な指示をしてくれたおかげで、時間をロスすることなく、山頂に立てた。さすがに低山だ。登山口から8分で登れたのはこれまでにない最短記録かもしれない。残念だったのは、登山口が天香山神社(久という字なしで「あまのかぐやま」と読むそうだ)という由緒ある神社だったにも関わらず、寄らずに登ってしまった。北参道の西にある小さな池(一面に褐色の水草が覆い水面が見えなかった)の脇から入って行くと近いと教えてくれた最後の人の親切が仇になった面もあるが、とにかく暗くなり始めていたので、周りを見回す余裕もなく、上へ上へと登っていった。林の中は薄暗い。頂上に出るとさすがに少し明るくなった。頂上でもゆっくりできなかった。ただ夕焼けに染まる西の山の展望だけは忘れずに見ておいた。この日初めて金剛山が全貌を現した。すぐ右の葛城山も見えたが、同じ場所では両山を見ることはできず、少し動く必要があった。





天香久山からの葛城山と右手前の畝傍山



登りも早かったが、下りも早い。分岐点を奈良文化財研究所方面に折れると6分で木之本町の登山口に着く。明るい場所に出たのでもう心配ない。少し歩いた所に香久山観光トイレがあった。そこにいたドライバーに畝傍御陵への道を聞く。やはりこのような人に聞くのは間違っていた。北に行けと行ったが怪しそうだったので、しばらくして出会った自転車に乗った土地の人に聞き直すと南だという。それが正解だった。30分ほどで暗くなった近鉄の畝傍御陵駅に着いた。





下山後、初めて天香久山の全体像を見る




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