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2011.
9. 14 - 16  久住連峰


長崎での会合のあと、Mさんとどこかで登山と考えたが、足の具合が悪いらしく辞退された。それならテントでゆっくりしようと久住の坊がつるを根拠に歩くことを計画。

同行: 単独

2011. 9. 14 長者原から三俣山を往復し、坊がつるへ

コースタイ

1153 長者原、1218 指山分岐、1309-16 車道へ、1327 沢を渡り登山道へ、1353-1410 諏蛾守越、1432-34 三俣山西峰(1678)、1513-22 南峰(1743)、1536-44 三俣山本峰(1745)、1623-35 諏蛾守越、1728 法華院温泉、1744 坊がつるテント場

よく晴れた日になった。久大線の豊後森駅からやや雲がかかっているものの久住の山並みが見渡せる。バスは九酔渓、夢大橋、筋湯温泉などを経由していく。途中でアンテナの立つ崩平(くえんひら)山が目立つ。やがて久住特有のススキ色の山肌が見えるようになり、ワクワクする。長者原に近づくと三俣山が他を圧倒するように立ちはだかる。




長者原から見た三俣山


長者原のバス停を降り、普通ならすぐに歩き始めるところだが、時間があるのでまずドライブインで早めの昼食を済ませ、ビジターセンターに立ち寄って情報を集める。坊がつるにはアケボノソウが多いと聞き、楽しみにする。三俣山や星生山を正面に見ながら歩き始める。カンカン照りの舗装道路を歩くので、最初から頭にタオルを載せる。この暑さでは下手すると水が足りなくなるかと心配になり、途中にあった水場で0.5Lほど補給しておく。ゲンノショウコ、ミズヒキ、ツユクサ、アキノノゲシ、オオマツヨイグサといった低地の秋の花が道ばたに咲いている。少しだけあった木陰もなくなり、周りの景色が広がってくる。西側には黒岩山から泉水山への稜線が横たわっている。万一、牧ノ戸登山口に下山し、車道を歩く代わりにこの稜線を歩くこともセンターで聞いてみた。長者原まで車道なら1時間20分、車道脇の九州自然歩道なら1時間、この稜線なら4時間と教わった。東側には間近に三俣山の北峰、本峰、西峰が並んでいる。40分ほど歩いてやっと山道になる。すっかり樹木はなくなり、ますますのびやかな光景が広がってくる。1時間足らずで迂回してきた車道に飛び出す。ウド、イタドリ、ノリウツギといった違った植生が現れる。




車道に出た所から三俣山西峰


道路の行く手には西峰がますます堂々と迫ってきた。指山の左手に見えるのはバスから見えていた崩平山だ。再び車道を離れ登山道になって30分もすると諏蛾守越に着く。その手前の岩場には岩がゴロゴロしているが、黄色いペンキで書かれた目印は煩わしいほど多く、また大きい。1/5ほどあれば十分なのに。屋根付きのがっしりとした休憩所(元は山小屋)に女性が一人で座っておられた。リュックが2つあったので、「お連れは三俣山ですか」と聞くと案の定「そうだ」という。「昔、家内に待ってもらってそんなことをよくやりました」と思わず笑ってしまう。峠の向こう側にも黄色のマーキングの洪水。大船山が折角すばらしい構図で見えているのに惜しい。南側には中岳・天狗ヶ城が見えているのだが、前山もいくつかあり、自信をもって同定することができなかった。少し中食を口にした後、荷物を置いて三俣山に向かう。




諏蛾守越へ近づく





諏蛾守越から大船山を望む


登るにつれて、中岳・天狗ヶ城だけでなく久住山も見えるようになる。たぶん稲星山もピークを覗かせている。硫黄山、星生山からさらにその右に遠く阿蘇の一部だろう遠い山も見えている。阿蘇の本体は、久住と稲星の間の方角なので見えない。西峰から続く尾根に登り着くと正面に三俣山の本峰(ほんの頭だけ)、小ピーク(正面にやや鋭く)、南峰(右後に控えめに)が並んでいた。これまでの山肌と全く違う緑のカーペットだ。ゆっくり考えず、真ん中にもっとも高く見えている小ピークが目的の三俣山かと思ったのが、その後のあやふやな行動につながった。ともあれ北西に見える西峰のピークを目指す。小泉氏の本で読んだ周氷河地形の一種であるアースハンモックが砂礫の尾根の上に並んでいる。これまでも同様のものは見ていたと思うが、これと意識してみたのは初めて。コイワカンスゲの足下にツツジ科の矮性低木。ミヤマキリシマかもしれない。アキノキリンソウ、ウド、リンドウ、それに多分初見参のフクオウソウが頻繁に見られる。




登り着いた所から本峰、南峰を望む(中央は無名峰)





周氷河地形のアースハンモック





西峰頂上


西峰から本峰を目指す。少し先に進むと目立ったピークがあり、それが本峰かと錯覚したのが問題だった。それは本峰の南のP1730+。その頂に立つとすぐ正面に標識の立っているピークが見えた。とにかくそこを目指す。踏み跡もやや心許なげになってきて草が覆い被さっているような道がそちこちにつながっていた。たどり着いたピークの標識には南峰とある。そこから南側に首を振ると、白口岳、稲星山、中岳、天狗ヶ城、久住山がひとかたまりになってでんと座っていた。西北に本峰らしきピークがやはり頂に標識を立てて呼んでいるし、地図とも合っている。いざとなれば同じ道を引き返してもよいと思っていたが、ここからなら引き返すより、本峰を回って西峰へと下る方が早そうだ。




南峰から白口岳、稲星山、中岳、天狗ヶ城、久住山



この頂上でもっと歩き回らなかったのは迂闊だった。ピークの西側に行くと坊がつるが見下ろせたのに惜しいことをした。小鍋への分岐だけに注意しながら本峰を目指す。たいした上り下りもない道で、すぐに頂上に着く。遠くガスがかかる由布岳が目に飛び込んできた。右隣は鶴見岳だろう。後で知ったことだが、指山から北峰に登る登山道があるらしい。それなら雨ヶ池からのコースが閉鎖されていても、三俣山の全部の峰を経由して諏蛾守越に出ることもできたのだ。もっとも空身でないので、多少大変だったろう。




本峰から遠くに由布岳を見る


これまでややあやしげな道を歩いたので、気を使いながら本峰から下る。すぐに、登りでも見た黄色いポールの所にでて、そこを直進すると最初に登った小ピーク、右折すると西峰への正規のルートだった。西峰の頂点は踏まずにショートカットで諏蛾守越へと戻る。できれば南峰にも登っておきたいと思っていたので、よかったのだが、訳が分からないままに歩いたので後味がよくない。また、坊がつるから見上げる大きな山塊が南峰だったので、その点でも南峰に寄ったのはよかった。

諏蛾守越から法華院温泉を目指して、白いがれきで埋められた谷を下っていく。たいした斜度でもないのに、ザレ場で滑って足をひねった。大したことにならずに済んだ。ただ変なこけ方をしたので、起きあがるのに一苦労。やがてサル岩という地点にくる。サルが大船山と対話しているような構図が面白い。左手にゴマドウ岩を見る頃になってやっと坊がつるが見下ろせるようになる。そこはすでに日が暮れており、影が北大船山の中腹まで伸びていて、三俣山の3つのピーク(多分北峰、本峰、南峰)がくっきりと影を落としている。法華院温泉が見えてから着くまでに結構の時間がかかった。直前で小沢をいくつか渡るが、最後のところで道を見失い、少しだけ藪の中を歩く。すぐに広い道にでて、温泉を通り過ぎる。20年前に来たときの、すばらしい雰囲気の記憶は若干裏切られ、今はどこにでもある山小屋といった雰囲気になっていた。坊がつる滞在中に一度くらい温泉に浸かりに来ようかなと思っていたが、この雰囲気ならば無理しなくてもよいなと思いながら坊がつるに向かう。

坊がつるへの進入路で2本の橋を渡る。はじめの川の水は茶色に濁っており、このような水を使うのなら堪らないなと思う。すぐにもう一つの流れを渡るが、こちらは清流でホッとする。はじめのは北千里、法華院温泉からの流れで、後の方は立中山、大船山の方面からの流れ。これらはすぐ下で合流し、鳴子川、玖珠川、三隈川、筑後川と名を変えて有明海に注ぐ。別府の方へ流れ込むのかと漠然と考えていたので、意外だった。大船山や黒岳からの東への流れは、阿蘇野川・大分川となり伊予灘に注ぐ。南東への水は河内川・芹川・大分川となる。




坊がつるが見えてくる。大船山の山腹に三俣山の影がくっきりと。





坊がつるから平治岳を



川を越えると坊がつるの広々としたキャンプ場。同年配の人のテントが一つあるだけだった。炊事場とトイレの中間のちょっとした盛り上がりのそばをテントサイトと決め、例によってまずは米研ぎ、コーヒータイムののち、テントを広げる。なんとおおらかな場所だろう。平治、大船、白口、中岳、諏蛾守越を隔てて、目の前に三俣山南峰。ぐるりと山に囲まれていながら、閉塞感のようなものは全くない。外での食事は暗くなるまでに終えることができた。この日は17夜だったが、しばらくは月が出ず、星空を楽しむことができた。やがて月が出て、ライトなしでも外を歩ける。夜中に起きると、頂上部分に雲がかかっていたり、また晴れになったりといった様子で、まずは翌日も悪くはならないだろうと予想する。天気予報も悪くは言っていないが、台風が沖縄に近づいているとかで、風がかなり出てきた。無精してテントのペグを打ち込まずに寝ていたが、テントがはためき、体を圧迫するほどになったので、起きあがってペグを打っておく。



2011. 9. 15 大戸越、ソババッケ、高塚山、大船山へ周回

コースタイ

658
 坊がつる、750-53 大戸越、852-900 ソババッケ、939-48 奥ゼリ、1017-45 風穴、1108 平坦部(10分ロス)、1135-50 中食、1201-08 高塚山(1587)、1257 風穴、1302-12 大船山登り口、1413 外輪山へ、1441 大戸越分岐、1455 段原分岐点、1513-19 中食、1528-31 大船山(1786)、1555 段原分岐点、1618 五合目、1630 立中山分岐、1710 坊がつる

とくにはっきりした予定もなく、目覚ましなしで5:00に起床。13℃、風は強い。三俣山の頂上に雲がかかり、朝日に照らされて赤く染まっている。その上に残月があり、見飽きることのない光景。大船山の方もシルエットがクッキリと見え、上々の天気だ。日が上がってくると、中岳の方の山々が生き生きと目覚め始める。そして、昨夕と逆に、三俣山の中腹に大船山が影を落とすようになる。





明け行く三俣山とテントサイト




朝食を済ませ、大戸越を目指す。リョウブの林、コガクウツギの花、大げさに手入れされた登山道。一人一石運動とやらで、少し石を上の方に運んでくれという立て札があったが、意図がよく飲み込めないまま、少しだけ協力する。大戸越の寸前でやっと視野が広がる。ガスが出てきて、平治岳も見えない。少し広くなった大戸越では久しぶりの花が目につく。アキノキリンソウ、イブキトラノオ、オトギリソウなど。




ガスに煙る大戸越



すぐに先に進む。奥ゼリへの道を歩いたことがないので、そこを経由して黒岳を目指すつもりでいたが、長者原のビジターセンターの人にやめた方がよいと言われたため、ソババッケを経由する三角形の2辺を歩く道に予定を変えた。久住ではGPSはまず要らないだろうと寸前になってザックから取り出した。そんなあやしい所があると分かっていたら、持ってくればよかった。峠を過ぎるとすぐに下から人が上がってきた。この日出会った唯一の登山者。「すぐその先に黒岳への道標があったが、あまり歩かれていないから」とセンターの人と同じようなことを言う。その分岐まで行って様子をみてからどうするかを決めることにする。ところがその標識を見ないまま、どんどんと沢筋を下ってしまう。岩がゴロゴロした歩きにくい沢とその脇にある踏まれた道をかわるがわるに歩くという感じ。オオマルバテンニンソウが目立つ。アキチョウジ、ガマズミの実、セリ科の白い花、モミジガサなどが所々で慰めてくれる。歩くつもりがなかったので、しっかり調べていなかったが350mもの標高差を下る道だった。オナガのような鳴き声がする。三差路に下り立ち、少しだけ左手に行くとソババッケの標識。気持ちのよい広場になっており、立ち寄ってよかった。オタカラコウが多い。アザミ、モミジガサ、ミゾソバ、ツクシゼリなども。ぬかるんでいたが、水は見なかった。水さえあればテント場としても適している。




ソババッケの広場


引き返して風穴に向かう。それまではだいたい黒い岩ばかりだったが、急に赤い溶岩が増える。おおむね緩やかな谷間の登り道だ。一瞬だけ日が射したが、すぐに曇り空に戻る。サラシナショウマ、イブキトラノオの白い穂が暗い林の中で際だっている。奥ゼリには大戸越へという立派な標識があった。これを見る限り、道がない状態とは思えない。少しだけ入ってみただけだが、大変そうには見えなかった。だんだん暗くなってきた森の中をたどっていくと雨風を避けるのに使えそうな岩陰があり、そのあとすぐ風穴。前回も下に降りなかったが、今回も見送る。ヘッドランプはいつも持っていないといけないなと反省する。すぐそばが黒岳の登り口だ。ここの標識も立派なものだったが、大船山という文字が見あたらず慌てる。25000地形図には風穴の前後に2本の大船山への登山路が書かれているので、さらに困惑させられる。万一、高塚山(黒岳の一部)から降りてきたときに大雨にでもなっていて、行き先が分からずにウロウロするのではかなわないので、登り口だけでも確認しておくことにする。見逃したかもしれないのでまずは元に戻ってみる。地形図には風穴のすぐそばに点線が引かれているのだが、なにもない。次に「今水・岳麓寺」と登山口の名前だけが示されている南東方向に進んでみる。10分近く行ってやっと大船山の登り口に着いた。黒岳分岐の標識はやや不親切だ。同じようなことで悩む人がないようにと願って、今水の「今」の字の上にボールペンで小さく「大船山→」という落書きをしておく。

一安心して登り始める。最初の計画では前岳あたりまで往復できればと考えていたが、大戸越=奥ゼリ間を歩かずに遠回りしたので、高塚山だけにする。途中で勾配がゆるみ、平坦になったところで、道を見失い10分のロス。雨が降り始めたので、頂上でゆっくり昼食をと考えていたのを変更し、風が当たらず、雨が多少ましな樹の下で急いで食事を済ませる。歩き始めるとすぐに天狗別れだった。この雨では展望も得られないので天狗も省略とする。10分ほどで高塚山の頂上。全く展望がないのは、やはり物足りない。少し奥に行くと、「前岳・白水」という標識があり、やや開けた落ち着いた所だった。ここなら風も強くないので、食事するには先ほどの狭い登山道よりはよかった。




狭い高塚山の頂上



すぐに下りはじめ、先ほど調べておいた大船山の登り口に行く。そこで一呼吸してから、この日最後の登りに取りかかる。足下の岩石の色が赤い色、れんが色のものが目につき、そういえば黒岳では黒い石しか見なかったなと気がつく。ヤマガラの鳴き声が聞こえる。かなり早くから上に空を見るようになるが、そこそこの登りなのでそうは簡単には登り切らない。ちょうど中間点あたりで、右手が開け、そのときだけガスが切れた。高塚山の大きな斜面が目の前にのしかかるような感じで迫っていた。目を左に振るとこの日あるいてきたソババッケからの谷間の先に下界や崩平山らしい姿が見えた。高塚山を見たのはこの一瞬だけ。




今回見た唯一の高塚山



やがて傾斜がゆるんで平坦な道になる。方向も北西に変わり、米窪をとりまく火口壁の上に出たと分かる。また、花が色々と出てくる。オオマルバテンニンソウ、白い背の高い花、ツクシアザミ。アキノキリンソウが崖の方に群生していたので、すこし入り込むとマツムシソウがたくさん咲いており、感激する。好きな高山植物の10指に入るかもしれない。ミヤマキリシマがそちこちに見える。山道の両側をびっしりと埋めていて、身を細めて通り過ぎるような所もあった。日章旗のような白と赤のシモツケも。大戸越への道を分けると、やがて右側が開けてくる様子が感じ取れる。少しだけガスが薄れ、段原の向こうに北大船山がうっすらと見えた。やがて坊がつるへ下る四辻に着く。ホクチアザミ、アキノキリンソウ。避難小屋を通り過ぎて、歩きやすい道を大船山へと進む。巨岩が重なっており、ちょっと周りと違う雰囲気の所もある。ここでも頂上まで行かないうちに立ち止まり、中食をとっておく。やはり頂上ではガスと風以外にはなにもなかった。すぐ下にある御池に行くのも楽しみにしていたが、どこにあるのかも分からず、降りても大船山が見えるはずもないので、これも省略。




何も見えない大船山頂上



あとはただ下るだけ。途中で立中山への分岐を通り過ぎる。翌日の計画としては、鉾立峠、白口岳、稲星山、中岳、諏蛾守越、長者原という欲張った計画を作っていた。どうも台風の影響が少なからずありそうなので、雨ヶ池からまっすぐ帰ることになりそうだと考る。樹間に坊がつるが見下ろせるようになる。なんとも懐かしい気分にさせられる。テント場に戻っていくと、昨日の高年者はすでに食事が終わっている。さらに熊本からの夫婦がタープ付きの大きなテントを張っているところだった。立派な調理具で料理もおそらく立派なものを作るのであろう、缶ビールも沢山準備しておられる。話を聞くと4−5晩ほど滞在するつもりとか。実にうらやましい話だが、これだけの準備は大変でしょうと聞くと、ご主人が30kg、奥さんが20kgを長者原から持ち上げたとか。ビジターセンターで聞いたアケボノソウを求めて、テントに戻る前にかなりウロウロしたが、見つからなかった。雨は降ったりやんだりで、風は相変わらず強い。炊事場で夕食を食べる。夜も時折だがきつい雨がテントを打つので、翌日は最短コースだなと、目覚ましもなしで寝る。



2011. 9. 16 坊がつるから雨ヶ池越を経て長者原へ   

コースタイ

825 坊がつる、931-36 雨ヶ池越(1358)、1016 指山分岐、1050 タデ原湿原、1110 長者原ビジターセンター

起きたのは5:40。小雨で、山はガスに包まれている。早々と、テントも含めすべての荷物を炊事場に移し、すべてを屋根の下でする。なにごともダラダラとしたので、出発したのは起床後2時間45分も経っていた。このようなダラダラが何ともいえず好ましい。林道から離れゆっくりとした登り道をたどる。しばらくして振り向くと坊がつるがぼんやりと霞んでいた。新緑の中を歩いているような気分の山道だ。出発後40分で展望台のような所に出る。そこから最後の坊がつるの全貌が眺められた。やはりガスはかかっている。ママコナ、イブキトラノオ、マツムシソウ、アキノキリンソウ。長者原から散策にきていた5人グループがヤマラッキョウの群生地を楽しんでいた。




雨ヶ池越(この日は水はなかった)





タデ原湿原に近づく





色鮮やかなヒゴタイ




ツクシゼリ、ミズヒキ、ツリフネソウなどのやや低いところの花が見え始め、指山の分岐となる。さらに半時間ほどでタデ原に到着。左手に行くと森の中に入っていくので、右手の湿原の方へ足を進める。色々と前にもみた花、初めての花などが木道の両側に咲いている。坊がつるにはなかったアケボノソウも沢山咲いている。ウド、ツウシハギ、アザミ、サワヒヨドリ、ツルニンジン、チョウセンヨメナ、クサフジ。湿原をはなれ、ビジターセンターの方へ近づいて行くと小高い丘の上に鮮やかなヒゴタイがいくつも咲いており、感激する。これまで植物園でしか見たことがなかった。

センターで気になる花の名前を確認してから、バス停の近くのヘルスセンターへ行き、その2階にある温泉に入る。温泉を独占し、となりの大きな休憩室で荷物の整理をする。350円で実に効率よくすべてを済ませることができた。階下におりて、ビールを飲み、大分名物のトリ天定食を注文する。食べ終わるとバスの時間にちょうどよいタイミングだった。雨が降っていたので、バス停近くの軒下でしばらく待ち、バスが来たときに走っていって乗車した。勧められていた寒の地獄湯にも入りたかったが、これも雨、その他の理由でスキップ。最短コースだったが過不足のない半日だった。





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