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2011. 2. 13  三峰山(1235)


霧氷バスが、季節の土日祭にのみ運行されるというので、それを利用した三峰山・高見山の縦走を計画した。多いときには臨時バスが20台も出るというので、ある意味では恐ろしく、ある意味では楽しみの所もあった。しかし、2日続きの好天は期待できないこと、ギックリ腰が治らないこと、あとに旅行が控えていることなどから、日帰りとした。


同行: 単独 

コースタイム:

622 打出、803-815 榛原駅出、913 みつえ青少年旅行村、925 登り尾登山道との分岐、941 登り尾登山道との連絡林道、948-55 不動滝、1046 避難小屋、1100 三峰峠、1112-17 三峰山(1235)、1120-50 八丁平、1158 三峰峠、1230-50 新道峠、1325 P940、1327 折り返し地点、1415-35 新道峠から月出の方へ少し、1456 林道出合、1536 みつえ青少年旅行村

8:15と9:15に臨時バスがですが、はじめのバスに乗る。この日は、9:15発を含めて全部で7台出したらしいが、2台目に乗れた。隣には単独女性が座っており、先週は高見山に行ったが、春のようで泥山だったと言っていた。途中曽爾村の近くを通るので、顔を出す鎧岳などを懐かしく見上げる。下車してすぐに歩き始めたのは一人だけで、皆さんはトイレやら装備の準備などをしておられたようだ。すぐに何人かに追いつくが、1台目のバスの人か、車の人。いずれにしても、大した混雑というのでは全くない。登り尾登山道に行く人が多そうだが、不動滝コースも少ないわけではない。不動滝の近くで、軽アイゼンを着ける。なくても歩けるが、あった方が楽だ。不動滝は、巾があるがそれほどの迫力はない。ツララが少しできているが、全面凍結すれば見ものかもしれない。元気そうな顔なのに「疲れるね」と声をかけてきたおじさんに追いつき、少し話をしながら歩く。昔はアルプスを駆け回っていたのに、足の関節を痛めて、今はその面影がないと言う68才の名張の人。避難小屋まで一緒に歩く。だんだん霧氷らしきものが出てくる。面白かったのは杉の幹に張り付いた氷の結晶で、実に繊細な形状をしている。雪が張り付いたのではなく、幹の表面から結晶成長したものだろう。小屋ではいくつかのグループが立ち止まっていた。





避難小屋



こちらは休まずに通り過ぎる。峠でも同様に立ち止まっていたグループを横目に見て、そのまま頂上に向かう。きれいな霧氷群が次々と現れるが、残念なことに日がほとんど射さないので、魅力が半分だ。


頂上には10数人がいた。寒いので、皆立ったまま。早速楽しみにしていたまわりの山を眺める。といっても北方向が見えるだけ。兜鎧は雲の中、古光山はかすかに見え、亀山、二本ボソ、倶留尊山、尼ヶ岳、大洞山はなんとか霞みながらも、そのピークを見せてくれた。みつえ牧場の手前に大きく座っているのはP909。神末(こうずえ)の集落が白く伸びている。



倶留尊山と神末の集落



こちらも寒いので早々に八丁平へ向かう。突然目の前が開け、「オオーツ」と声をあげるような大きな南側の景色が広がる。正面の迷岳はすぐに分かり、大台ヶ原方面の見当はついたが、あとは知らない山ばかり。帰宅後に一応同定し、七洞岳、総門山など、三重県の700〜1100m程度の山が沢山見えていたらしい。アセビの陰で風をよけながら、足を踏み入れたことのない山々の展望を楽しみながら昼食をとる。高見山が見えるものと思っていたが駄目。ゆりわれ登山口に続く道が少し高い丘の所を通っていたので、ひょっとしたらそこからなら見えるのかなとは思ったが、新道峠の先を少し歩きたかったので、そちらは割愛する。



霧氷の先に迷岳





様々な形態の霧氷



三峰峠へのショートカットに道へ進むと急に冷えてきた。手袋を2枚にする。温度計をとりだしてみると、0℃近辺でしかない。風のためで、少し林の中に入っていくと、もう大したことはない。高見山の好展望地とわざわざ看板が立っているところがあった。覗いてみると、視野の右端に少し見えるだけで、しかも右半分が雲に隠れていたので、写真も撮らずに通り過ぎる。あとでいくらでも機会はあるだろうと思ったのだが、結局ここでしか見ることはできなかったらしい。新道峠への道ではときどき日が射し、霧氷が美しく見える時があったが、カメラを出し、ポイントを探すうちにまた曇ってしまうという調子だった。

新道峠では、驚いたことに、とてもしっかりとしたトレースが高見山の方へ延びていた。大学のワンゲルが歩いたような感じ。大雑把に計算すると、最終バスまで2時間以上余分な時間がある。予定通り、白髪峠の方向に足を進める。すぐに月出登山口への分岐があった。月出とは書かずに中央構造帯という標識になっている。そこで念のためスパッツだけ着ける。ワカンはまだ要らない。すぐにトレースは回れ右をして、登山道の方へ下っていった。そのあとは全く誰も歩いていない純白の雪原が広がっている。本当に冬の山に来たという喜びがじわじわとこみ上げてくる。目印も十分すぎるほどあり、問題なく縦走できそうだった。重荷をもってギックリ腰で歩いたとすると、うんと時間がかかったであろうが、多分白髪峠までは楽に行けただろう。テントを張る場所は、水の心配がいらないのでよりどりみどり。翌日の天気がまた悪化したので、あらゆる面で、日帰りが正解だったが。





多分940mのピーク。ここの少し先で引き返す。



いくら歩いても、下りがなくならない。大した下りではないが、帰りの時間を余分に見ておかないといけないなと計算しながら歩く。やっと平地が出て、しばらくすると小ピークが二つほど。多分ここがP940だと考える。少しさらに下ると、「白髪峠=三峰山」というしっかりした標識が出てきた。「白髪峠まではまだ少しありますよ」ということを意味しているので、引き返すことにする。細い枝で積雪量を調べると50 cm程度はある。しかし、結構締まっているので、登りでも大した苦労はない。登りで、トレースがなかったなら、ワカンを着けただろう。分岐点に帰り着いて、中央構造線とあった方角に進んでみる。上から構造線の一部を覗き見ることでもできるのかなと期待した。しかし、下の方が木の間から覗けても、なにも分からない。引き返して、もう一度標識をみると2300mと書いてある。それだけ行かないとだめだということだ。P940への往復も大変楽しかったが、下調べがもっと完璧ならば、月出登山口に下りて、中央構造線を見学する選択肢があったかもしれない。2時間で往復できる距離らしい。中央構造線を見学するには、車がないとなかなか行けないので、ここから歩いて往復するというのも大変しゃれた方法だった。


新道峠からの下山道は、林の中のよく整備された道だ。2、3のグループを追い越すといった程度で、なんの混雑もない。途中で一ヶ所だけ、展望が開け、古光山、倶留尊山、大洞山までが見渡せた。手前には、旅行村西北にあるP909が大きく横たわっている。林道をかなり下りてから、アイゼンとスパッツを外す。定刻前にもバスは出ると聞いたので、旅行村でお土産を少しだけ買い、バスに乗り込む。榛原駅では、待つともなく、急行がやってきた。




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