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9. 12. 23  荒船山 


桐生に行ったついでの登山として、昨年断念した谷川岳を考えたが、予報の降水確率は60%、今年は災難続き、先週も鈴鹿に3日間行ったばかりということなどを考え合わせ、荒船に決める。実際は快晴で、谷川にしておけばよかった。どうも最近の天気予報は当たらない。

この日も朝から快晴で、桐生からの両毛線、高崎からの上信電鉄ともに山岳展望愛好者にとって堪えられない時間だった。両毛線からは、浅間山、榛名山、白砂山近辺の山塊、小野子山、谷川岳、子持山、武尊山、赤城山、袈裟丸山の大パノラマ。一度に全部見えるわけではないが。上信電鉄からは、それらの山々が遠のくにつれて、榛名、浅間に加えてさらに妙義、荒船などが加わってくる。左車窓には、御荷鉾、赤久縄。妙義は全貌がしっかりと見える所がなく、詳細な同定はなかなか難しい。写真判定になる。


同行: 単独

コースタイム

0950 三ツ瀬BS、1024-27 相沢登山口、1107-16 あと70分の標識で中食、1216-26 艫岩、1300-16 荒船山(1423)、1348 艫岩、1500 相沢登山口、1516-23 ダム、1542 三ツ瀬BS

公共の交通手段で荒船に登るには、三ツ瀬からの往復しかないらしい。これも本宿まで乗っていたおじいさんが降りると、乗客は一人となる。公共交通がやせ細るばかりなのも無理はない。三ツ瀬バス停から相沢までの間にある竹入などには、ポツポツと人家があるが、どのような生業なのかと考えてしまう。ダムのあたりから艫岩が見える。その左手に稜線が横たわっているが、頂上は多分見えていないだろう。相沢を通り過ぎるとやがて数台の車が止まることのできる「登山口」。




ダムから見た艫岩



林の中の穏やかな道を登っていくとやがて尾根に出て、奇妙な形のピークがいくつか見える。遠くから見えるのっぺりした主稜線は見えず、どうも地形の感じがつかめない。やがていくつかの道標を経て、大きな岩がハングしている中の宮を通り過ぎる。大雨でもしのげそうだ。シラベだろうか、10本以上もの大木が道を塞いでいる。艫岩が見上げるような位置に聳えている。徐々に雪が出始めると、やがて階段道になる。見上げるほどの角度だっただけはあり、さすがに最後はかなり急坂となる。少しゆるんだと思うとまもなく「枯れ木の分かれ」という三叉路となる。

ちょっと右手に進むと立派な休憩舎が立っており、その先が艫岩となる。前方にはかなりの展望。北八ヶ岳の下半分、手前に凧の峰と物見山、雪をかぶった篭ノ登山、浅間山、その手前に八風山、遠くに白砂山、仙ノ倉山、谷川岳などの白い峰が断続的に連なっており、さらに右手には裏妙義、榛名山、武尊山などが重なっている。表妙義などは見えないので120°程度の展望か。見えるときは北アなども見えるらしいが、とてもそのような透明度ではなかった。それでも、未知の領域の展望に満足する。断崖の末端まで行くのは、墜落事故があったばかりなのでやめておいた。それでも1300mから、水平距離1 km、標高700mを走る国道を見下ろすのは、かなりのものだ。ZionのAngels Landingからの俯瞰では、高度差は450 mだった。水平距離は250 mほどだったとはいえ、Angels Landingの方が高度差が小さいというのは意外な感じだった。



艫岩から浅間山。手前に物見山、八風山


遠方より武尊山、榛名山、裏妙義(ズーム)


小屋に戻ると、内山峠からきた親子連れのハイカーが昼食の準備をしていた。頂上への高原状の淡々とした道を進む。星尾峠への分岐を過ぎると傾斜が増してくる。雪もあるので少し歩きにくい。行塚山(経塚山)頂上には昼食を終えた3人連れがおり、入れ違いに下っていった。腰を下ろして簡単な中食をとる。三角形のやや目立つのは飯盛山だろうか。その右手は八ヶ岳らしいが下半分しか見えないのでよくわからない。スキー場がいくつか見えている。その右手前にある岩はローソク岩というらしい。滑りやすいので、ダブルストックをフル活動させて慎重に下りはじめる。平地になった所で、3人連れを追い越す。「嫌な下りだったですね」と声をかけると、「少し怖かった」と返ってきた。3人ともストックが1本だったので、分かる気がした。展望に変化がないかと、もう一度艫岩に立ち寄ったが、同じだった。

三叉路に戻り、下りはじめる。やはり最初のうちは慎重に下る。まだ足の調子がよくないので、不自然なひねりを与えると、痛みが走る。雪がなくなるとともに、傾斜も緩み、あまり気にせずに歩けるようになる。バスを降りてから乗るまでの時間はコースタイムとピッタリだったので、休憩時間分を取り戻す必要がある。やや急ぎ気味にして下ったが、車の登山口に降り立ったときには、少し余裕があることが分かった。途中のダムの所で時間調整のための休憩を入れ、5分前にバス停に着いた。



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