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2006.
9. 20 由布岳

この日は、午後から北九州で仕事がある日。もともとは、前日に由布岳に登って、湯布院で一泊し、この日の午前にゆっくりと北九州へ移動する予定だった。色々な用件が立て込んでいたので、すっかり放念していた。女房殿からカレンダーに印があるよと指摘され、新神戸で新幹線に飛び乗ったのが、予定より3時間遅れ。その日の登山はあり得ないということになった。汽車の中で、色々考えた挙げ句、早朝に登ることにする。

同行: 単独

   

コースタイ

420 ホテル、430 西登山口、530 約760 mの平坦地、550 水場(930 m辺り?)、600頃 下り始める、610 自動車道が見える、620 涸沢へ、630 登山道、640 九州横断道路、728 三叉路で11号線へ、758 ホテル

前日に駅を下りて、案内所、バス会社、町役場などで情報を仕入れる。西登山口からならば交通機関なしでも登山できるので、バスやタクシーのない早朝には便利であるが、誰も西登山口を勧めない。登山口そのものも誰も知らないので、夕食前に宿で自転車を借りて、下調べに行く。入口の標識はしっかりあったが、念のため足を踏み入れると、土木工事のためや、草が刈っていなかったりして、確かに非常に分かりにくい。なんとか道らしきものが続くようになるところまで登り、多少の草刈りもしておいて、まずは何とかなろうと考え宿に戻る。

当日の朝は4時に起き、Tシャツ、短パン、ズック靴、ウェストポーチだけで歩き始める。下調べしていなかったら、ヘッドランプだけでは登山道にもたどり着けなかっただろう。一応登山道に踏み込むが、案の定、しょっちゅう分からなくなる。屋久島のときのような漆黒の闇ではないが、道を見つけるのはむしろこちらの方が大変だった。堰堤工事のためあちこちにブルドーザーが入っており、そのような所では登山道がまったく分からなくなる。また、笹藪が道を覆い隠しており、這い蹲るようにして、ランプで下に隠れた踏み跡を探すといった作業が続く。時に見えたりする町の灯りが気持ちを落ち着けてくれる。

由布岳へという小さな標識を見たあとは比較的歩きやすくなった。やがて平坦地にたどり着く。290 mの高低差に1時間もかかってしまった。正面に黒々と由布岳が聳えており、まだかなりの高度差がある。月が肩に隠れようとしているところであった。周りが広くなったのと少し明るくなったので、ヘッドランプを消す。スキー場のゲレンデのような幅広いガレ場をのぼっていく。時々、「←西登山口/由布岳→」という標識もあり、まちがいなく由布岳を目指していると安心する。水場で少し水を口に含む。合野越までを60分程度でと期待していたが、水場ですでに80分を経過している。



明け始めた由布岳 

頂上までは無理かなと諦めはじめる。巻くように進んでいた右手の飯盛ヶ城にでも登ってお茶を濁そうかと考える。その登り道も分からないまま、やがてどんどんと下り始め、「登山に来たのに、この下りは一体どういうことだ?」といぶかしく思っているうちに、由布岳も遠ざかっていく。2匹のシカが目の前を逃げていく。やがて、広々としていたガレ道が突然途切れ、登山道を歩いていたのではなかったことに思いあたる。下に自動車道も見えてきた。訳が分からないままに、急坂をよじ下って涸沢に入り、沢伝いに下まで降りることにする。やがて左手の尾根に上がる細い踏み跡があったので、登ったところ、登山道であった。正面登山道と東登山口への分岐点であった。つまり、合野越に着く前に登山道を外して右手の方へ下りていたことになる。自動車道まで下って、濡れていた靴下を搾る。頂上だけ雲がかかっているが、快晴になっていた。

バスの時刻表をみると、第1便のバスまでは1時間20分もあるので、歩いて下りることにする。バスの所要時間から推定すると8 km位ありそうであるが、下り道で、刻々と姿を変える由布岳を見ながらの歩きは悪くなかった。頂上には立てなかったが、結構楽しかった。

 

九州らしい高原風景




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