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1. 11. 24  
Mt. Kosciusko



Sydneyに数週間滞在していたが、一度くらいは山登りをしたいと思い、オーストラリアの最高峰を訪れた。日本でいえば5月下旬なので、もう夏に近いかと甘く見ていた。ジョギングシューズしか準備しておらず、長袖のシャツも持っていなかった。シドニーで聞くと、新雪まであるというので、多少ましな靴と長袖シャツを購入して、週末の飛行機に乗り込んだ。

同行: 単独

  http://61.88.2.20/uploads/pdf/20080610103620.pdf


コースタイ

1200 Charlotte pass、1305-1308 Blue Lake JCT、 1340-1345 Carruthers peak (2145) 、1545-1555 Kosciusko (2228)、1620 Siemens hut、1637 Snowy river、1735 Charlotte pass

18人乗りのセスナで、SydneyからCoomaのSnowy mountain airportに到着。乗客は3人だけだ。レンタカーをしたあと、この日はとくに予定もないので、少し後戻りしてCoomaの町に立ち寄り、朝食を仕入れて、小高い展望台に登る。月見草とBurger's Buglossが咲いている中で、周りの平和な景色を眺めながら朝食をとる。その後、JindabyneのVisitor centerに立ち寄り、Kosciuskoの情報を仕入れる。ひとまずCharlotte passに上がり、着雪の様子などを見ることにする。途中でKangrooと黒くて丸いWombatが車に轢かれた死骸をみる。後者は平均体重が26 kgというのでかなりの大きさである。この辺りは、有名なスキーリゾートだが、夏期はゴーストタウンに近く、レストランはおろか売店もない。

峠に着いてから、先ほどの朝食の残りで昼食とし、Blue lakeが見えるところあたりまで歩こうと出かける。すぐにCreekを徒渉するところがあり、靴を脱いで渡る。タンポポとバターカップがあるくらいで、高山植物はまだまだというところ。しかし、沢山の池塘が点在し、あと1-2月後にはすばらしい光景になるものと予想できる。








Northcoteと高山植物




Northcote(左)、Lee(右)と高山植物
 



オーストラリアに残る数少ない氷河湖の一つであるBlue lakeが見える地点からは、Little Twynam山やTwynam山(標高豪州第3位)も見える。やがて雪の斜面をトラバースする所にでた。車からもかなりの雪が見えたので、念のため途中で杖にする枯れ木を調達していたのだが、まさかこんな所まで登るとは思わなかったので、その杖は車に置いてきたままである。休みなしで快調にCarruthers peakまで行ってしまう。稜線に出ると最高峰のKosciusko山もすぐそこに見えるので、天気も持ちそうだし、足を伸ばすことにする。




Twinam(左)、Little Twynam(右)とその下にBlue lake





Twynam(中央)を振り返る





Carruthersから正面にKosciusko。
その手前にNorthcoteとLeeが一直線に並ぶ。右端はTownsend。



第2位の高さというTownsend山がどっしりと立っており、穏やかなKosciuskoと好対照。その右には西側の山々が7重8重と重なっており、すばらしい展望である。真ん中に半島が突き出したAlbina湖のはるか遠くの先には北側の山々が並んでいる。さすがに風がきついが、長袖を袖まくりしたままでも何とかなる。出会う人はみな防寒具まで着けていて、「寒くないのか」と声をかけられる。稜線で、地を這うような小さな紫色の花、黄色で艶がある小さな花、しばらくして高さ20 cm位のキクサギイチゲのような大柄な花に出合う。アネモネバターカップかもしれない。Kosciuskoへの最後のつめを間違い、Rawson passまで行ってしまった。ぐるりと回り込む道を引き返したので1.5km、15分は損をした。





稜線を漫歩


 


Kosciuskoが大きくなる


 


Lake Albina


 


頂上への最後の登り
 



Kosciuskoの頂上では5-6人が休んでいた。風を避けて腰を下ろし、少し腹に食べ物を詰める。4時間近く、休まずに歩き続けていたことに気が付く。歩いてきたCarruthersなどの山々が広がり、その左手の北北西方向にはオーストラリア第2の標高を誇るTownsendがすぐそばに控えていた。





手前はNorthcote(左)とClarke(右)
背後はCarruthers(左)とTwynam(右)




Abbott(左端)とTownsend(右端)





帰りは急斜面を直接Rawson passに下ったので、かなりの近道になった。あとはSummit roadという、かつての車道を下るのだが、とくに雪もなく、傾斜も殆どないので景色を眺めながら気楽に歩くだけ。南側のRams Head山稜までの空間が実に闊達な広がりを見せており、日本にはない景色を満喫する。Snowy riverの源流に近い2つの橋を渡ったあとは右手のブッシュから絶えず新鮮な水がほとばしっている。しかし、道に流れ込まさずに、道の下を通してSnowy riverの方に流している。大変な作業だったと思うが、よい靴を持っていないものにとっても、とても歩きやすくなっている。

Charlotte passに近づくと、Snow Gumの幹が実に芸術的な形をし、色も赤や緑の現代的な色をしているので、無言で感嘆の声をあげる。Visitor centerでは一周9hと教えられたので、翌日に登る予定にしていたが、5.5 hでこの日のうちに登りおわってしまった。展望台で、リンゴをかじりながらもう一度歩いた道を振りかえり、満ち足りた気分になる。予約しておいたThredboの宿では、4つ星というのに人がおらず、「勝手に入ってくれと」ばかりに部屋の鍵の入った封筒がポンと置いてあったのには驚いた。





North Rams Headのピラミッド



 


Snowy riverを取り囲む山々



 


Snow gum
 


Snow gum






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