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2022. 12. 23  古宝山・駈渡山



武田尾駅近くの馳渡山が低山なのにかなりの難度というので以前から気になっていた。しかし、それだけに行くのはもったいないと躊躇っていたが、近くに古宝山があるので、その両者を兼ねればまあ面白い一日になるかと考えた。電車の中でYAMAPにこの領域の地図をダウンロードしようとしたら、12月にすでに2部使っているので不可能と言われてしまう。今日の山には是非欲しいが、地理院の地形図を頼りに歩くことにした。

 

同行単独

コースタイム

0855 武田尾辻BS0912 古宝山登山口、0923 四辻、0949 送電鉄塔への分岐、1010 姫二火力線1881040 分岐、1100-10 四辻、1101 武田尾辻BS1149-1214 大岩稲荷神社、1225 馳渡山取付き、1329 急坂終わる、1404-06 馳渡山山頂、1557 沢の合流点、1606 神戸市水道局施設、1628-28 武田尾駅

武田尾辻BSまでバスに乗り古宝山の登山口を目指したが、早速YAMAPが使えないのがたたり、玉瀬辻BSまで行ってしまう。ロープが張られたところが登山口と読んでいたので、引き返すと簡単に見つかった。YAMAPがあれば往路で見つけるのに何の苦労もなかっただろうから、いかにYAMAPに頼り切っていたかと情けない。10分ほど登って行くと、ややこしい交差点に出る。右に行くと南方向への道、左はしっかりしているが方向が全然違う。真ん中の踏み跡を辿ると大きな鉄柵の囲いにぶつかり、そのあとは道が続かない。獣を捕獲するためのものかと思うが、人間の背丈より高いほどの大きさで、別の用途があるのかもしれない。引き返して東方向に入って行くとほどなくしっかりとした道があり、安心して登って行く、何度か「火の用心NHK」という標識があった。四辻から20分ほど登ると、姫二火力線188への関電の火の用心の赤い標識が出てきた。「火の用心NHK」の標識も南へと指しているのでそちらに入って行く。実はその東にある姫二火力線189の鉄塔が頭にあり、そこには立ち寄ってから古宝山に進むことを考えていたので、この分岐がそれかと勘違いしていた。189の鉄塔なら10分で到達できるはずだが、なかなか着かないのでおかしいと思い始める。すぐにNHKのものらしい小さな施設があったが、鉄塔はさらにその先だった。分岐から20分ほどかかった。地形図にももちろん載っているのだが、この部分が「宝塚市」という大きな太文字にすっぽりと隠れていて気が付かなかった。YAMAPがあれば問題なく現在地が把握できていた。分岐点まで戻って周りを見回すと北西方向にこんもりとした小山が見える。姫二火力線189からも北西方向に古宝山があるので、まだその時点では姫二火力線188への分岐にいることに気が付かなかった。こんもりした小山はP880+だったことが後に判明する。なんだか釈然としないので、諦めて下ることにする。下りながら古宝山(実はP880+)への道が地形図に鎖線で描かれているので探すが、見つからない。そのままややこしい四辻に戻る。登ってきた道がはっきりしない。南側への道がしっかりしているので、そちらに行くことにする。しばらくして舗装された道に出て、武田尾辻BSに向かう。僅かの差でバスに乗れず、県道を歩いて武田尾まで歩くことになった。途中の大岩稲荷神社の境内に入って昼食をとる。この日は、朝に用意したテルモスのお茶を忘れてしまい、200ccの水しかなかったので、昼食はお茶なしで済ます。持ってきたミカンで喉をうるおしておく。



分かりにくい四辻




送電鉄塔への分岐点




姫二火力線188と新宝塚CC




大岩稲荷神社



本命の馳渡山への登山道(地形図の破線)は、県道が大きくカーブするところにあると書かれているが、道路の法面はコンクリートで大仰に固められ、とりつく島もない。回り込んで商店の向かいでコンクリートがとぎれ、破線路に行くとしたらここしかないと思った。金網のフェンスに掴まりながら急坂を登り、入り込めそうな藪があったので、左手に登って行く。しばらくして踏み跡らしきものに出会えた。そのうちしっかりした道となり、直線状に西に向かって延びているのが目に入る。道がはっきりするのはありがたかったが、かなりの急斜面が延々と続いている。帰宅後に地図を眺めると斜面の傾斜は33°で、しかもジグザグに登るのではなく、直線状に登るので大変だった。僅かの立ち木や岩に掴まりながらの苦行となる。写真を撮る余裕もなかった。最近で印象に残る急坂は、梶岡山の北尾根だったが、それは25°程度、ただし今回のと違い両側がすっぱりと切れた痩せ尾根だったので恐怖感は今回より大きかった。はるか昔に登った北アルプスの烏帽子岳のブナ立て尾根は31°程度だが、長く続いたので、重荷を背負ってかなり苦労した覚えがある。とにかく上の方に見える青空に向かって這い上がる。そこで一息つくまでに登り口から1時間もかかった。うまくすれば頂上まで40分程度と甘く見ていたが、とんでもないことになった。そこから頂上までさらに40分近くかかったので、どう間違っていたのか今でも分からない。それはともかく、急坂が終わった後はなだらかになり、道もはっきりしていたので安心した。所々でシダが道を覆ったりしてわかりにくい所があったので、目印を残しながら前へ進む。帰り道が分からなくなることはないだろうと楽観していたが、高低差のない平坦な頂上近辺になると踏み跡が錯綜してきて、YAMAPなしで帰ることができるかなと不安になる。スマホの地理院地図で現在地を調べるとほぼ頂上付近にいることは間違いなさそうだが、ウロウロしても頂上は見つからない。ほぼ頂上に達したことにして、引き返し始めたら、山頂標識が目に入った。4年連続で来ている人のものだった。このような熟練者の記録を見て、計画を立てていたとすれば甘い計画になっても当然だ。山頂に立てたことより、帰りの道が心配だったので、そのまま北東方向を目指す。しかし、見覚えのあるポイントには出ない。なんどが地理院地図で調べるがどうも北に向かっている。そのたびに軌道修正するが、なかなか思ったところに出ることができない。新名神の宝塚北SAへの破線の道に出てもよいと覚悟を決めるが、その道が明瞭なものかどうかも分からない。そのうち、ますます進行方向が西にずれはじめ、宝塚北SAへの道に出るのも難しそうになってきた。そのまま谷を下る方がよいかと腹を括って西に進む。沢をなんども渉り、沢沿いの地面を歩くことができ、神戸の屏風川の沢を歩いているのと変わらない。所々で沢の中を下るが、やはり岸の上を歩く方が、時間は短くて済む。北側から流れてきた沢と合流した地点(北緯34.861°、東経135.301°)から、かなり歩きやすくなり、神戸市水道局施設の所で広い道に出た。頂上から2時間歩いたことになる。そこからは、川下川ダムから下りてくる武庫川に沿った道を辿り、武田尾駅まで20分程度だった。登り口から駅まで、一度も休まずに4時間もかかってしまった。比高170bなのに噂通り難度の高い山だった。




フェンスの左側の隙間を登る




馳渡山山頂標識




神戸市水道局施設から福知山線




武庫川左岸から馳渡山



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