トップページへ      地域別索引へ     近畿索引へ      年次別索引へ



2018. 12. 08  古倉山・東鹿見山・西鹿見山 



変化に富んだ一日だった。以前に丹生山系の縦走をしたときに通りがかった天下辻に、M雪稜クラブが作成した屏風川周辺の詳しい概念図があったので、どこでものめりこむ人達がいるのだなと感心し、気になっていた。そのごく一部の中俣谷から右俣平に至る約1時間がこの日のハイライトだった。そのあとの古倉山・東鹿見山・西鹿見山は、道を探す面白さはあったが、山そのものは展望もないし、とくに感慨はない3時間。東ノ峰分岐から下谷上までの1時間は一転してシダに覆われた悪路に苦労する展開となった。


同行単独

コースタイム

0742 神鉄大池駅、0810 天下辻、0826 中俣谷B,C,D沢入口、0903 峠の小道入口、0914-24 右俣平、1007-12 古倉山、1027-30 大日地蔵(少し南に行った所にあった)、1042 四辻、1121-56 東鹿見山、1208 天保池への入口、1230 西鹿見山(はっきりわからなかったがGPSでは頂上)、1241-56 天保池への入口(黒甲越への道を探すがミスっていた)、1310 花折山入口(ゴルフ場の先に見える山は六甲山)、1331 金剛童子山入口、1339 柏尾谷池へ、1341-45 池、1355 三差路で谷上方面へ、1418-23 527b峰、1435 東ノ峰分岐、1520 ため池、1550 八坂神社近く、1603 神鉄谷上駅

大池駅から天下辻までは、逆方向であるが以前に歩いているので記憶がある。天下辻から未知の屏風川の中俣谷に入っていく。ここは無名沢だが、道は予想外にしっかりしていた。しばらくして右手から中俣谷A沢が合流し、すぐに中俣谷B,C,D沢が左手から流れ込んでいた。その少し下で川岸が少し高くなっていてテントを張るのに都合がよいと思われる場所があった。駅からわずか45分である。人がたくさん歩く時を避ければ絶好なので、もうやめたつもりのテント山行を再開したくなった。鈴鹿の奥座敷はもちろん、荒地山のウグイス広場よりアプローチが容易だ。沢が崖状になったところを高巻しているとモトクロスバイクの残骸が放置してあった。こんな所まで入り込んでいるとはと驚く。太陽と緑の道の標識があるが、そこには「深谷八多 <−> 黒甲越」という知らない地名が書かれていた。

やがてA沢から離れ、その名にふさわしいかわいらしい「峠の小道」を行く。峠を越えて右俣平に出る寸前に中尾根取付点という札が架っていた。ほとんどマニアしか歩かないであろう尾根にもガイドがあるのに感心する。右俣平の入口には右俣谷と古倉尾根のプレートが架っていて、全体像が把握できた。右俣平は先ほど見たテント適地よりはるかに広々としており、ここの方がうんとよいだろう。駅から1時間半で来ることができる。



中俣谷A沢沿いのテント適地

 


穏やかな右俣平

 

少し休んだあと古倉尾根にとりつく。とりとめのない地形なので、出発点付近にあったいくつかのマーキングが助けとなる。一旦尾根に乗ると、踏み跡がなくても、マークがなくても問題ない。古倉山の頂上部は展望がなく、ちょっとした広場になっていて、荒地山頂上を思わせる。GPSで頂上であることを確認できた。南西方面への下りはかなり急。林道にでた後の分岐点に標識があるが、崩れ落ちたようなもので役に立たない。少し南方向に進んでみると大日地蔵が目に入った。進むべき方向は西方向なので、引き返して東鹿見山を目指す。少し登ると、左手にこの日初めての展望が見られた。金剛童子山が見えている。このあとの林道はモトクロスバイクで痛めつけられており、深い轍の跡や大きな水溜りがあったりする。歩行が妨げられ得るというほどのものではないが、愉快ではない。次の分岐のところには「黒甲越 <−> 中山大杣池」という地名が書かれていた。帰宅後にゆっくりと地図を見たが、適切な指示とは思えない。もっと近くの山名などを書いて欲しいものだ。そこで右の方へ延びる2つの道の左側の細い方へ入って東鹿見山への道を探る。GPSで調べると、地形図に実線で書かれた道を辿っているようなので安心する。点線で書かれたところは廃道との記事を見たが、果たしてその部分で道がなくなった。一息入れて、左手のやや緩やかな斜面を登るか、正面の少し急だが前方に空が見えている斜面にするか思案する。地形図の点線は、直進して尾根に乗ったら左折となっている。急と言っても手ごろな灌木もあり、少しの苦労で尾根に出る。西に向かって気楽に進むうちに東尾根と合流し、道もはっきりする。やがて頂上に着くがなんの印もないし、展望もない。時間的にちょうどよいのでそこで昼食休憩とする。食事が終わって立ち去ろうとしたとき、「獅子見山砦跡」というプレートに気が付いた。ここが頂上であることは間違いなかった。

急な直線状の道を下って行くとNTTの大きな塔が見えてくる。右へ回り込んで車道に出てしばらくすると天保池への道を示す標識があった。ここが西鹿見山への取付点との案内を見ていたので、ここからわりにしっかりした道を登っていくと頂上付近に出た。道の左側がやや高いので、最高地点と思われるところまで足を延ばす。標識は見当たらなかったがGPSで頂上であることを示している。同じ道を引き返し、天保池の標識の所にあるゴルフ場の大きな鉄扉の前でしばらく考える。この辺りに右俣谷F沢に下りていく道があると地図にはあるが、よくわからない。もしあったとしても、F沢の予備知識がないので、下りていくのは危ない。花折山の方へ車道を歩き、以前に歩いたゴルフ場横の道に出ることにした。この車道で初めて静かに走る一台のバイクと遭遇した。土曜日だったのに出会ったのがこの一台だけだった。



初めての展望地で金剛童子山を

 


林道から東鹿見山

 


東鹿見山山頂 



東鹿見山からの下りでNTT電波塔を



西鹿見山山頂と思しき地点 



ゴルフ場から右端に六甲山最高峰が


金剛童子山の入口から鰻ノ手池へ行くのを「兵カン道」といい、そのあと天下辻までを「南方道」というらしい。前回は南方道の途中から大池駅に出たので、当初の予定を変更し、今回は歩いたことのない柏尾谷池を経て谷上駅へ下りることにした。しかし、柏尾谷池から谷上駅までの2時間は予想もしなかった大変な道だった。道そのものは比較的はっきりしているが、分岐が多く、標識などはなかったので苦労した。ちょうどスマホの電池切れと重なり、チャージしながら、ポイントに来るたびに電源を入れるというようなことをして、なんとか所在地を確定した。おまけに予定外の行動をしたので、谷上へ下る道の地図を持っていなった。シダに覆われた細い溝のような道は、正しいのかどうか分からなくなることが多かった。600bほどに45分もかかった。ハラハラしたが、何とか道を外さずに市街地に降り立った。そこに出る5分前までまだルートファインディングに力を注いでいたというのも珍しい経験だった。



柏尾谷池



谷上駅への下山道を覆うシダの群れ




トップページへ      地域別索引へ     近畿索引へ      年次別索引へ