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2017. 03. 11  高城山


O氏から犬鳴山温泉と和泉葛城山がよかったという話を聞いて、久しぶりに温泉に出かける。前日は日根荘遺蹟をめぐり、一泊ののち、犬鳴山七宝龍寺の名勝旧跡を訪れたのちハイキングをする。和泉葛城山は前に行ったこともあり、林道歩きが大半なので敬遠して、今回は所要時間も少なく、山道を歩ける高城山に登る。

  

同行: 女房殿

コースタイム

0905 犬鳴山温泉、0955-1020 本堂、1028 林道と分かれる、1051-59 休憩、1102 Y分岐、1120-23 尾根、1140-1207 高城山(649)、1211 林道、1230 車止め(五本松分岐)、1250 犬鳴隧道出口、1301 本堂、1330 み奈美亭、1424 犬鳴山温泉BS、1500-05 泉佐野駅

温泉街を出てすぐに「大阪みどりの百選 犬鳴山渓谷」という石標が大阪一の高さを誇るというスギの木の下に立っている。太子堂の横の参道入口を過ぎると、大きな岩に囲まれた犬鳴山七宝龍寺の名勝旧跡がつぎつぎとあらわれる。迎への行者尊、岩屋大黒天、乗鞍岩、大黒天岩、両界の滝・善女ヶ淵行場など。犬滝山の説明によると、開基は斉明7年(662年)で大和大峰山より6年早いため元山上と言われ、修験道の根本道場となってきた。白鳳時代(645-710)に役行者が行者滝で修行中に滝より雷光が走り、火の神が現れたという。麓の大木の里に移したのが前日に行った火走神社という訳だ。金高橋を渡ると金高神社、瑞竜門をくぐると護摩場になっていてそのそばには虚空蔵菩薩殿、霊光殿、役行者の像が立っている。



迎えの行者尊




岩屋大黒天

 


両界の滝

 


護摩場

 


神明橋を渡ると、神明大権現、出生稲荷大明神、縁切大神。塔の滝のわきには五帝龍王の誦文(ずもん)が書かれていたが、ちょうど女房殿が謡で習ったところとのことで、大きな声を出して読んでいた。東に青帝、南に赤帝、西に白帝、北に黒帝、中央に黄帝がおられるそうな。そのあと義犬大菩薩と書かれた納骨所(?)と階段の上に義犬の像と墓がある。この山の名前の由来となる犬のものだ。すぐに観音堂のある広場に出る。ここの本尊の十一面観世音菩薩は弘法大師作らしいが、公開されていなかった。登山道に入らずに本堂の方へ進む。護摩場には7m以上あるという大きな身代わり不動明王が立っている。その形相はすごい迫力だ。左に弘法大師、右に役行者像がある。燈明ケ岳への登り口が不動明王のうしろにあるというのでチェックしておく。かなりの急な修験道というので女房殿と一緒では無理とあきらめていたが、経塚権現山、天狗岳には祠、経塚、鳥居、多数の石仏などがあるらしいので行けなかったのは残念だ。本堂に入ってお経をあげておられるお坊さんのうしろから拝んだ後、行者滝と案内のある戸を開けて外に出る。すぐそこに小さな滝があったが、なんとなく釈然としないままそこで修行をするのかと引き返した。これは大失敗で、もっと先まで足を進めないといけなかった。この寺のご本尊は役行者の自作による倶利伽羅大龍不動明王だが、秘仏。2017年は秋に3日間だけ12年ぶりに公開されるというので再訪してみたい。



塔の滝



義犬の墓




本堂




身代わり不動明王




さきほどの分岐点まで戻って、山道に入っていく。最初は階段が続く。不動三十六童子の不思議童子というかわいらしい像があったが、あとの35は目に入らなかった。林道に出てしばらく行くと、高城山の入口となる。葛城山への林道と分かれ高城山に進む。高城山を越えて五本松へつづくルートがハイキングコースとなっているようで大きな看板が出ていた。5分ほど広い道をあるくとイノシシ檻があり、そこからは本当の地道となる。布引の滝の案内があり、細い滝が目に入った。さらに進むと左手に細い道が分岐していた。高鍋山の方への道だろう。少し休憩を入れてから尾根に出る。北方向の景色が目に飛び込んでくる。雨山の先に泉佐野のりんくうタウンの高層ビルや関空への橋が見え、そこから右へ貝塚、岸和田の海岸線が延びており、はっきりしないが六甲の山並みも多分見えていたようだ。高城山に向かって広い林道のような道と登山道があり、そのうち合流するのだろうがと登山道を歩く。ひょっとしたら林道を進むと山頂に行けなかったかもしれない。山頂まではすぐと思っていたが、15分ほどの距離があった。日は射しているのだがなんとなくうすら寒い山頂で昼食をとる。泉佐野で買ったおむすびは賞味期限切れになっており、いただけなかった。テルモスの紅茶がおいしい。




登り始めて寺を振り返る

 


イノシシ檻から登山道に




登りついた尾根から海岸線を

 
 

高城山山頂


そそくさと五本松の方へ足を進める。この日唯一の単独行の女性ハイカ―と出会った。すぐに林道に出る。この日は分かり易い道にしてほしいという女房殿の意見を取り入れてそのまま林道を下る。ほとんど見るべきものもないが、一度だけ左手の景色が開け、五本松の展望台がかなり遠くに見えた。五本松への分岐まで下りてくると車を通行止めにするゲートがある。その後は不動谷沿いの道となり、沢の流れを楽しめるようになる。犬鳴隧道を過ぎるとすぐに今朝登っていった高城山への分岐。本堂のあるところも素通りしたが、朝に通らなかった駐車場の奥の難切り不動明王だけ見ておいた。炎のような光背をつけた像だ。

登りは50分かけてゆっくり歩いた渓谷の道だが、下りは30分で温泉にもどった。泊った人は無料で入浴させてくれるというので、もう一度温泉に入れてもらう。出てからコーヒーを飲んでからバスに乗り込む。



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