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2016. 4. 19  貴船山・鞍馬山


大変面白い山行となった。色々な間違いをしてしまい、無駄足を踏んで2度も引き返すはめになった。貴船山の登頂をあきらめたが、帰宅後に調べていて、ケルンのあるピークが最高点であることが分かり、大喜びする。


同行: 単独

コースタイム

0842 叡山電鉄二ノ瀬駅、0854 富士神社・守谷神社、0855-59 身支度、0921 夜泣峠、0955-58 大岩・二ノ瀬駅直接コース分岐、1003 ㉜、1010 ㉘、1018 展望地との小さなプレートを見つけたので右後ろに登る、1039-40 登山道と合流(⑱のすぐ上だった)、すぐに分岐があるが右手へ進む、1043 ⑯ がけ崩れのための迂回路の途中、1048 左へ細い道(私有地との断り)、1058 ⑩ 、1102 ⑧、1105 ⑥、1109 ④、1110 引き返す、1115 ⑥、1118 ⑧、1121 ⑩、1132 ケルンのあるピーク、1136 展望コースとの合流地点、1144 荒れた谷となり引き返す、1146 尾根に出る、1148 ⑳、1153 ⑱、1154-1214 展望コースとのジャンクションで昼食、1215 Y分岐を前と同様右へ、1223 引き返したときに誤って入り込んだ尾根道、1226 ⑫、1229 ⑩、1235 ⑥、1239 ④ 、1243 ②、1247 滝谷峠、1324 砂防堰堤、1328 芹生峠からの車道と合流(アソガ谷を経て旧花背峠とも)、1336 貴船神社奥宮、1344-47 結社、1355-58 貴船神社、1400 鞍馬寺西門、1415-22 魔王堂、1428 不動堂・義経堂、1424 大杉権現社入口、1436 大杉権現、1447 牛若丸息つぎの水まで下りて、引き返す、1453 義経公背比石(1.2m)に戻る、1506 池の端の社、1522-35 鞍馬山(584)、1554 背比石、1606-12 金堂、1622-27 由比神社、1627 魔王の碑、1632 仁王門、1634-39 叡山電鉄鞍馬駅

二ノ瀬駅というひなびた駅に降り、階段を下りて川沿いの道を行く。キセキレイかと思われる鳥が川の中にいた。富士神社をすぎて、シャツを脱ぎ、ポールを出し、靴ひもをしばるといった身支度を整え、お茶を飲んで登り始める。駅から夜泣峠までは京都一周トレイルの一部。数年前の大雨の被害が今も残っているのか、沢には倒木がある。夜泣峠には名前の由来の説明があった。直進すると大岩、右折すると滝谷峠とあるが、後で調べても大岩というのはどこにあるのかさっぱり分からなかった。急な登りは峠までで、その後は淡々とした滝谷峠への道を気分よく歩く。ほとんど展望はきかないが、夜泣峠と二ノ瀬駅への分岐点のちょうど中間あたりで、右後ろに比叡山らしき山が見えた。右に曲がると二ノ瀬駅という分岐点は四辻になっており、ここでも左折すると大岩に至るとある。ここに立札があり、「至る二ノ瀬ユリに番号付きの杭を設置してある」と書いてあった。「至る」も「二ノ瀬ユリ」も分からないが、後者はこの辺の尾根道全体を指すらしいことを後で知った。この杭は、滝谷峠までの距離を200m毎に示すもので、なかなか便利なもの。色々と役に立った。


 

富士神社




夜泣峠

 
 

のどかな尾根道

 

大岩。二ノ瀬駅分岐


やがて出てくるY分岐は左が広かったので左に進む。四つ辻から数分後に目についたのが㊳というポストで、滝谷峠から3800mであることを示している。ゆったりと登っていく。コバノミツバツツジと淡い新緑のコラボが美しい。よくこの組み合わせを見るが、ちょうど季節がマッチするのだろう。右手に小さなプレートが架かっており、展望がよいとあった。これを目ざとく見つけたのが、いろいろの問題の始まり。すぐに尾根に登りついたが、展望はほとんどない。そこで引き返せばよかったのに、すぐ北の方にある高みまで行けば展望が開けるのかとついつい行ってしまい、そのままズルズルと尾根をたどることになってしまった。結局ほとんど展望もないまま、元の道との合流点に着いた(後で分かったが、ここは⑱ポイントのすぐ北だった)。


立ち止まらずに進むと、分岐があって右側に進む。がけ崩れで迂回路が設けられていたが、そこに⑯とあったので、正しい道を歩いていると確信。左手に樋の水峠への案内があるはずと注意していたが、あっと気が付くと④まで来てしまった。これは進みすぎたと愕然としてGPSの軌跡をみる。貴船山(699m)はずっとうしろだった。鞍馬山も控えているし、あきらめるかと一旦は考えたが、大した距離でもなさそうなので、引き返すことにする。

今度はスマホを手にもって注意して歩いていたが、そのうち来た時と少しずつずれ始めた。多少の誤差はあるのかなと思っていたが、明らかに違う道だ。そのうちちょっとしたピークになり、大きなケルンが設置されていた(これが貴船山の最高点716mであったことが帰宅後に判明した)。写真だけ取って下って行くと、先ほどの道と合流しすぐに見晴らしコースとの合流点にでた。スマホにある貴船山という表示はまだまだ南の方だ。今度は恨めしい見晴らしコースをとらずに正規の道を下って行く。10分以上下ったが、なにも現れない。荒れた谷に突入するような感じになったのは道を外したのかもしれない。ずっと下流を見下ろしても右手の方に取りつくような場所があるとも思えないので、引き返すことにする。あやふやな道より尾根道に出ようと、すぐそばの尾根に上がる。来た時は見なかったような大木が一本ある。すぐに⑳のポストがあり(つまり見晴らしコースではない)、⑱の直後に見晴らしとの合流点にでる。そこで、昼食とする。




見晴らしコースとの合流点


 
 

わずかの展望


 

大きなケルン(帰宅後に貴船山最高点と判明)


 

荒れた沢に三角点峰を断念する


食後、もう一度滝谷峠へと足を進める。先ほど下ってきた道でなく、往きに使った上り下りの少ない道を行く。さきほど戻ってきたときに、⑭の先で道を外れたことが分かった。そこで振り返ると、確かに右手に登っていく道しか目に入らないような地形になっていた。展望コース分岐から30分ほどで滝谷峠につく。そこから道は広くなるのかと漠然と考えていたが、全く逆で、完全な沢道だった。歩きにくいというほどではない。ヤマルリソウ、マルバコンロンソウがひそかに咲いている。水量が増え、小滝が出るようになると沢が合流し、左手上方にガードレールが見えるようになる。芹生峠からきた国道361号である。

国道に出たあとは貴船神社の奥宮、中宮(結の社)、本宮を見物。「京都の木」でもあるカツラの大木が貴船神社奥宮の手前にあった。奥宮が貴船神社の発祥の地だが、11世紀の水害の際に本社が現在の地点に移されたという。盛りをやや過ぎたサクラと新緑がしっとりと溶け込んでいる。広い境内に人影は少なく、厳粛な気持ちになる。神門から外に出ると「連理の杉」がある。スギとカエデが合体して一本になった珍しいものだ。このように神社全体に数多くの古木残っており、それらを眺めていくだけでも値打ちがある。中宮()にも、「相生の杉」という同じ根から出た二本の巨大なスギや、神木となっているカツラの大木がある。結の社は縁結びの神様というだけあって若いカップルに人気があり、願いごとが書かれた細長い緑色の「結び文」がたくさん結ばれていた。近くの川原では、5月から始まる貴船名物の川床料理の準備に忙しそうだった。本宮まで下りて来ると急に人出が多くなる。水を司る神を祀ってあり、境内の石垣の間から御神水が湧き出ている。両側に朱塗りの灯籠が立てられた参道の石段を下ると二の鳥居となる。




滝谷峠が見えてきた


 

滝谷も台風被害


 

県道361号

 

カツラの神木

 

奥宮

 

相生のスギ



結社(中社)


貴船神社


その近くの橋を渡って鞍馬寺へと入っていく。西門で愛山費の名目で300円支払う。鞍馬山の登り口のことを聞いたが、知っているか知らないのか分からないが、「分かりません」とそっけない返事。「すんませんな、知らないんどす」とでも言ってもらえればどんなに印象がよくなるか。魔王堂までは15分の登り登りの道。外国人も音をあげている様子。魔王堂に着くと、ベンチに腰掛けて、この日2度目の休憩。不動堂・義経堂を過ぎて大杉権現社への分岐に来る。ここの分岐の所に義経公背比石があったのに、目に入らないまま大杉権現社に行く。別の道で本道に戻ることができるようにマップには書かれていたのに、そのようなものは見当たらず同じ道を引き返す。義経公背比石あたりから鞍馬山に行くのかなと見当をつけていたので、それを探しながら下って行く。とっくに通り過ぎたのに牛若丸息つぎの水に来るまで、そのことに気が付かなかった。結構な坂を登り返して、やっと背比石を見つける。


 

鞍馬寺西門


 

魔王堂


 

義経堂

 

木の根坂


その脇から入っていくとちゃんとした踏み跡がある。水道施設のような所を通り過ぎて行くと、どんどん北の方角へ下って行くような雰囲気になる。地図を見ると、入ってすぐに東の方へ進まないといけなかった。ちいさな祠のあるところだった。木の階段などもあって整備されている。
小さな池端の磐座の上に祠が置かれていた。その周りにはロープが張られており、その先に行ってはいけませんというような雰囲気だったが、許してもらって先に進む。そのあと方向が北西に変わるところだったかやや不明瞭な箇所があった。ヌタ場があり、テープがあったのを覚えておいて先に進む。その後は問題なく頂上まで行くことができた。

大きな石組みがあり、石柱が3本ほど立っていたので間違いないと思ったが、とくに標識などはない。大きな石組みの中に3本の石柱があり、小さな手製の山頂プレートもあった。眺望はほとんど得られなかったが、木の間から天ケと思われるピークがチラリと見えた。少し北の方に足を進めると、焼杉からあたりを望むことができた。先ほどのヌタ場を、進む方向に注意しながら通り過ぎ、参拝道に戻る。




背比べ石


 

池の端に社




鞍馬山山頂




山頂からの展望

 

そのあと蔵尊や息継ぎの水などを見ながら霊宝殿の前に出る。ここにはいくつもの国宝級の宝物があるが、時間が遅かったため入館できなかった。金堂前の広場には、八重ザクラなどが咲き誇っており、青空を背景に水井山横高山瓢箪崩山大比叡四明岳龍王岳がきれいに見えた。この日初めての満足できる好展望だった。九十九折参道を下って、鞍馬の火祭で有名な由岐神社や魔王の碑、仁王門を過ぎると叡山電鉄の鞍馬駅はすぐそこだった。

 

鞍馬寺金堂


 

金堂から比叡山




由比神社



魔王の碑と滝

 



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