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2014. 9. 16/2014. 10. 7  ゴロゴロ岳八幡谷完全遡行


あしや村を二回ほど歩いて、八幡谷の上部をかすめたときに、全遡行を思いついた。なにかと問題があるかもしれないので、一人で歩く。9/16には深く考えずに、芦屋川右岸道の所からスタートして、ゴロゴロ岳まで登ったが、あとで考えると右岸道より下部が欠けたままでは完全遡行にならない。10/7に改めてその部分を追加した。少し異例ではあるが、両方を合わせた方が分かりやすいので、強引にまとめてみた。コースタイムを書くと紛らわしいので、所要時間で表しておく。堰堤の名前が分かっているものとそうでないものがあるので、出合から順に一堰堤、二堰堤と記し、名前があるものを括弧内に書いておく。煩わしい写真が多いが記録に重点をおいたためで、お許し願いたい。



同行:単独

コースタイム

芦屋ゲート (0:06) 芦屋川・八幡谷出合 (0:26) 一堰堤 (0:21) 二段斜瀑上 (0:04) 右岸道と交差 (0:03) 二堰堤 (0:16) 三堰堤 (0:14) 四堰堤 (0:10) 五堰堤(八幡谷砂防ダムの表示) (0:16) 吊り橋下 (0:17) 木橋下の六堰堤 (0:20) 七堰堤 (0:29) スカウティングハウス (0:25) 奥芦屋スタディセンターの南西側の金網 (0:25) ゴロゴロ岳

芦屋ゲートでバスを降り、GPSをセットしておく。右岸道・あしや村への登山口を左に見送り、車道を下りていく。すぐに八幡谷にかかる橋に出る。左手を覗き込んでも下りられそうにない。いずれ芦屋川本流との出合から遡行を始めたいので、右手のがけを下りることにする。この付近の芦屋川も大きな岩が多く、なかなか見応えのある風景を作っている。すこし嫌らしい取り付きを越えて橋の下に出るが、ここは自然の流れでなく、コンクリートで固められているので、滑らないように気をつかう。すぐに地図にも出ている一堰堤が見えてくる。谷の石はヌルヌル、木の枝はすぐにボキボキと折れ、岩はボロボロ、蜘蛛の巣はネトネトだ。堰堤の下部に段差があり、小さい滝が架かっているが、それを越えてもあまりメリットがないと考え、早めに左手へよじ登っていく。下手するとどんどん上がってしまいそうなので、適当に右手に進むと堰堤の横に出た。堰堤はいつものように立入禁止になっておらず、中心部まで進むことができた。誰も来ないからだろう。堰堤上からはバス道も見える。注意してバスから上を見上げれば堰堤が見えるのだ。




芦屋川から芦有道路を
くぐって遡行がはじまる



一堰堤




一堰堤の上から芦有道路を
見下ろす



堰堤から谷への下りは少し急だ。念のため用意してきた細引きを取り出して、安全第一で下降する。谷の上流側は木に覆われて暗い雰囲気だ。少し登ると、思いもかけず大きな斜瀑があらわれる。二段になっており、全部で20m近くはあるかと推定するが、経験が少ないので高さには自信がない。芦有道路のすぐ上に、こんなに大きく、しかも美しい滝があることが信じられない。六甲を歩き尽くした人でも、知らない人がいるにちがいない。滝の中を濡れながら登る。ホールドもスタンスもしっかりしているし、まだ暑いくらいの気温なので、水と戯れるのも快適そのものだ。





二段の斜瀑を近くで見上げる



途中のテラスで下を見下ろす



その上に小さな滝が架かっている。すぐに右岸道と交差する(少しややこしいが、ここの部分では芦屋川の左岸を通っている道である。弁天岩のところで右岸に移り、芦屋川駅まで右岸を歩くので、全部合わせて右岸道と言っている)。右岸道のすぐ上の二堰堤が間近だ。ここは左手のしっかりした道で堰堤の上に出る。最後に数十センチのギャップを飛び越えて堰堤に乗る。この堰堤は地図には出ていない。

ゲートから右岸道を下りてきたとき、この二堰堤の下で八幡谷を渡るのであるが、沢に下りる所が明瞭でない。なんどか分岐を見過ごして上に登って行って戸惑った。同じように多くの人が沢に下りずに直進して二堰堤を通り越し、さらに三堰堤の上あたりまで上がってしまうようだ。それで、登山道と見間違うばかりの立派な踏み跡がかなり続いている。地図には一堰堤だけが記載されているが、それは道からは見えないので、二堰堤が地図のダムと思っていると間違ってしまう。右岸道はダムのかなり上で徒渉するように地図には書いてあるので、ダムを越えるまでは八幡谷を渡らないと思いこんでしまっていた。二堰堤の印が記載されていれば、もっと丁寧に右へ下りていく登山道を探したと思う。堰堤の少し上にあるはずの徒渉点を探して、ウロウロし、結局は二堰堤の上には徒渉点はなさそうということで引き返して、正しい徒渉点を見つけた。下から上登ってきた場合には、分岐点の岩に赤ペンキの印が書かれているのをはっきりと見ることができるが、上からの人には見えないようになっている。

さて、今回も以前と同じ二堰堤の落ち口で沢に出て、そこから遡行を開始する。二堰堤と三堰堤の間はとりたてて面白い場所はない。三堰堤に着く。ここも左側から越える。すぐに沢に下りる。15分ほどで次ぎの四堰堤。これも左から。堰堤上でGPSを空に向けるがキャッチしない。10分ほどで次の高い五堰堤が立ちはだかる。八幡谷砂防ダムとの標識とともに、「このダムの近くであそぶことはきけんですから近よらないようにしましょう」という注意書きがある。「こんなところにあそびに来る人はいないのに」と笑っていた人の撮った4年前の写真と比べると面白い。そのときにはなかった1m立方以上もある大岩が堰堤の上に落ちてきていたのだ。「あそんではあぶない」という注意書きは正しかったのだ。




二堰堤を横から




沢の様子



三堰堤





台風の大雨で荒れた沢



小さな滝も



四堰堤



五堰堤
(八幡谷砂防ダムの表示がある)




五堰堤の上に乗っかった大岩
(うしろの立て札は「きけんですから」
との注意書き)

このダムの上にはかなりの大きさのダム湖が広がっていた。湖岸を濡れずに歩けるかどうか最初は分からなかったが、進んでいくとほとんど問題なくダム湖の上端に出ることができた。振り返った眺めはなかなかのものだった。そのあとちょっとした小滝がある。右岸に岩がはげ落ちたような跡が残っており、その岩かどうか分からないが滝のまん中が大岩でふさがれていて、水流は2分されている。滝壺には水が溜まっており、両側も手がかりがなさそうに見えるので、少しだけ冒険心をくすぐられるが、なんということなかった。そこからすぐにあしや村の吊り橋をくぐる。八幡谷を遡った人の多くは沢沿いに進まず、尾根に逃げているので吊り橋まで来た人は少ないようだ。このあとは、沢の近辺を歩いたことがあるので、気が楽になる。石組みでできた小堰堤のすぐ上に堰堤があるが、それは何度か通ったことのある木橋の下だった。木橋を渡っているときにはまわりに気を取られ、下を覗き込まなかったので堰堤があるのに気がつかなかった。他のものに比べて遙かに規模は小さいが、一応巻かずには通り抜けられないので六堰堤と番号を振っておく。




ダム湖の上端から五堰堤を振り返る



岩とはがれ落ちた跡がピッタリ





あしや村の吊り橋




石組み




あしや村の木橋の下は六堰堤だった


木橋を上流から振り返る



沢はだんだんと趣のないものになっていく。蜘蛛の巣が多いので、ダブルストックの片方を絶えず蜘蛛の巣対策のために振り回さないといけない。地理院の地図や昔のあしや村のマップに出ている無名のダムが見えてくる。これはかなり大きい。ダムの近くに寄ると不快なにおいがする。ここは右手に登山道があることが分かっているので、右側からダムの上にでる。堰堤の中央までいくとやっとGPSが働いてくれた。470m地点で地図通り。堰堤の上に草が生いしげり、クサフジウツギのような紫の小さな花が咲いていた。稜線はまだまだ遠そうに見える。できるだけ早く沢に戻ろうとしたが、ふと右手を見ると丸木橋があったので寄っておく。沢に戻ろうとするとあたりは泥沼になっており、往生する。先ほどの異臭もこのためなのかもしれない。沢筋にでるとすっかり水もきれいになり、雰囲気もよくなる。きれいな流れがあるうちにと、昼食にする。




相変わらず荒れた所も


七堰堤(無名ダムという名前も)




七堰堤の上には木、草、花が(右が上流側)

  


そのあとも右手に踏み跡が見られたが、できるだけ遡行を続けるように努める。4:6の分岐は右に進む。左の方が沢は長く続くみたいだが、ゴロゴロ岳は間違いなく右手にあるので、右に行った。水車小屋跡とやらも見たかったが、見当たらなかった。あるとしたら沢沿いにあるはずなのだが。その代わりスカウティングハウスなるものが建っていた。1990年の日本ジャンボリー大会の際にスカウト達が記念に建てたものとの説明が書いてあった。5:5の小分岐を右にいくと、すぐに踏み跡と交差した。それを無視して前進する。6:4の小分岐を右へ。だんだんヤブがひどくなり、沢も溝程度になってきた。水が涸れるところまで来たが、沢状の窪みを最後まで登ると尾根に出た。これで遡行終了とする。すぐに張り巡らされた金網にぶつかる。




スカウティングハウス



いよいよ沢も終わりに近づく




金網の右手方向



奥芦屋スタディセンター


ゴロゴロ岳は右手だが、道は激下りなので、左へ金網に沿って登っていく。左手の道もすぐに激下りになったが、金網は右手に屈曲したのでそれに沿って北北東、さらには東北東へ進む。カトリック系の施設、奥芦屋スタディセンターの建物に降り立つ。生コンクリート工業組合の芦屋山荘、カシオの保養センターをへて、ゴロゴロ岳に到着した。金網の所で右に行けばもう少し早く着いたのかもしれない。歩程、4時間程度だった。



ゴロゴロ岳でゴールイン



追記
 

両日とも、八幡谷だけで終わったわけでなく、ついでにいくつかの散策をしたので、付け加えておく。付1は9/16にゴロゴロ岳からもう一度あしや村を歩いたたもの。付2は10/7に右岸道で下山する途中で道畦谷の下部を散策したもの。

(付1 14. 09.16 あしや村)
1325 ゴロゴロ岳、1329 NHK電波塔、1339-46 柿谷コースNo.12、1353 柿谷コースNo.10で右折、1400 左に植林が見えた所で左折、1419-24  GPSがキャッチ、1426 五堰堤ダム湖の上端、1434 吊り橋、1439 植林地から山道に戻る、1441 ちいさな木橋、1448 木橋、1455-1509 青空広場、1522 芦屋ゲートBS

ゴロゴロ岳から柿谷コースへ下っていく。前回の道を逆に歩いて柿谷コースNo.10で右に折れる。ここから、あしや村の吊り橋に出ることが今回の主な目的。右折後7分で左手に見える植林の所へ入って行き、そこを通り抜けて西南方向に進む、しばらくは広い踏み跡があり、疑うことなく歩くが、そのうち道がなくなる。西に向かえば八幡谷にぶつかるので不安はないと考えていたが、正しくは西北に向かわないといけなかった。少し南に寄りすぎていたようだ。やっとGPSが電波をキャッチした地点は吊り橋のかなり南だった。ともあれ、北に軌道修正してしばらくすると、なんと八幡谷五堰堤ダム湖の上端に出た。そこから吊り橋までもう一度沢を遡る。どこで間違ったのかを確かめるために吊り橋から柿谷コースNo.10の方へ戻る。4分で広い道にぶつかった。そこを左に行けば植林の場所で、右に行く広い道がさきほど間違って入り込んだ道だ。正面の木にクロモジというプレートが架かっているので記憶がある。はじめに通った時にはそのプレートを見ていて右手に曲がるべき道を見落とした。しかし、それにしても右手の道に比べて正面の道ははるかに広くて誰でもそちらに進むだろう。T字路から吊り橋まで34分、吊り橋からT字路まで4分という彷徨だった。もうあとは追求することもなくなったので、素直に木橋を経て青空広場に戻る。バスの発車時刻まで余分な時間があったので、近くにあったというあしや村役場、リーダー棟、のろし台の跡を探ってみた。青空広場から、来た道をすこし戻り、左手の高みへ分け入ってみるとそれらしき所が点在していた。これで旧あしや村の大体の様子がつかめた。芦屋ゲートBSに出る寸前の石仏谷で顔、手、靴などを洗ってスッキリし、バスに乗り込んだ。




(付2 14. 10. 07 道畦谷)
1117 二堰堤の下で芦屋川左岸道へ、1130 弁天岩方向へ右折、1137-42 鷹尾第二堰堤の下で芦屋川の徒渉、1144 弁天岩に立ち寄る、1202 北尾根分岐、1207 T字路、1214 航空母艦岩、1218-34 道畦谷第2砂防ダム下で昼食、1237 道畦谷第2砂防ダム、1255 下段の白ダム、1310 第2砂防ダム、1316-20 東尾根と左俣の分岐(工事中で左俣は立入禁止)(T字路に出ないで直接宝泉水に出ようと直進したが、また工事中で道畦谷砂防ダムに導かれる)、1330 道畦谷砂防ダム、1333 宝泉水、1339 小屋がけ、1348 E−3、1355 迂回路入口、1402 舗装道路、1417 阪急芦屋川駅


22分で登った所を12分で左岸道に戻る。あとは弁天岩を目指す。途中で小さな沢があったが、これを登ると柿谷コースへぶつかるのだろう。鷹尾第二堰堤の下で芦屋川の徒渉の様子が大きく変わっていた。Rさんが足を滑らせた上面が斜めになった岩はなくなっており、むしろ安全に渡れるような配置になっていた。あんな大石が動くのだから恐ろしい。弁天岩を間近に見たことがなかったので、車道を少し下りて見上げておく。ナマズ岩の近くで、ユウガギク、アキチョウジらしきもの。北尾根の分岐を通り過ぎ、道畦谷に入る。航空母艦岩を通り過ぎ、道畦谷第2砂防ダムの下で、おにぎり1コとリンゴで軽く腹ごしらえ。携帯が通じるかを確かめるため家に電話をすると通じた。昼食は家でとることになった。ここは、昔なにかに使われていたのだろう、ドラム缶はビニールの波板などが散乱していて見苦しい。以前に(2013.02.20)S・N両氏と東尾根を下りてきたときに通り過ぎたところだ。やはりあのときは東尾根でなく、一本北側の別の尾根を降りたらしい。

食後、階段状の道を登って堰堤を越える。ここには来る人も多いのか、いつもの立入禁止の立て札がある。堰堤の内側に下りるとアキチョウジの群落があった。巻道もありそうだったが、沢の中を忠実にたどる。水のない沢登りは味気ないなと思っていると、チョロチョロ水が見えるようになった。数mの小滝がある。水の流れる右手の岩は手がかりがなさそう。左手に木の根が何本の伸びていたが、それに頼らず中央の窪みを登る。やがて2年前にできたばかりの白ダムがあらわれ、目にまぶしい。手前にクサフジウツギが沢山咲いていた。ダム横に登ってみると、立入禁止はあるが、ダムの名前は書いていない。名前がまだついていないのかもしれない。二段になっている上の方までは行かずに引き返すことにする。

第2砂防ダム下のドラム缶のすぐあとで右手に入る道があったので、東尾根・左俣への道かと探索。すぐに、工事中立入禁止の札が出てきた。多分左俣だろう。その右手に上に登る道があり、それが東尾根らしい。来たみちを下っていく。航空母艦岩のあと、左折して先ほどのT字路に戻るように指示されているが、直進すればそのまま宝泉水に出られるはずと、直進する。またもや工事中の通行止め。しかし、すぐ左手が道畦谷砂防ダムで、多少の近道だったかもしれない。すぐに宝泉水。迂回路から城山の道に出た所に新しく立派な標識が建っており、弁天岩は右へと分かりやすくなっていた。2013.12.10にはなかった。どんどんと様子が変わるのだ。



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