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2012. 02. 27 六角牛山・鍋倉山
 


女房殿が友人と海外旅行に行くので、遠野で二度目のボランティア活動をすることにし、初日は土沢の萬鉄五郎美術館でやっていた吉田清志の山の絵を見てから、遠野に入る。月曜は活動が休みなので、六角牛山へ登ることにした。




幽明の境(谷川岳) 吉田清志作


同行: 単独

コースタイム

0651 遠野駅前BS、0722-45 糠の前BS、0800-10 ワカン装着、0940-1010 峠登山口、1014-18 あと2000bの標識で雨具装着、1036 二合目、1135 三合目、1200-38 四合目(折り返し地点)、1259 糠の前登山口への分岐、1313 引き返す、1335 分岐、1350-1406 峠登山口、1520-41 糠の前BS、1556 遠野駅前BS

前々日に大雪が降り、遠野でもかなり積もったので、頂上までは無理かなと思いながら、それでも東北の雪と久しぶりに戯れるという期待で出発する。バスの中から辛うじて六角牛が望まれるといった空模様。バスを降りたところの六角牛神社からも一応は山容を見ることができたが、頂上には雲がかかっている。すぐにオーバーズボン、スパッツを着ける。車の轍跡があるようだったのでそのまま歩いたが、轍はすぐになくなり、また立ち止まってワカンをつける。長い林道歩きになる。時々日差しがあると雪の結晶がキラキラと輝く。動物の足跡もかなり道に沿って残っており、時々道を横切っている。車のあとも判別できるが、前々日の大雪の前のものとは思えないので、前日(日曜)に入った車があるのかなと考えるが、それにしてはかなり埋もれた状態になっている。降雪はなかったので、風だけでこれほど埋まってしまったのかと、判断がつかないまま峠登山口に着く。小休止。登山届の箱があるが、数ヶ月だれも記入していない。登山者がいないのはあり得ないことで、なんのための登山届かと少し残念な気持ちになる。頂上に向かってかなり明瞭なトレースがあり、どう見ても前日のものらしい。これならひょっとすれば頂上まで行けるかもしれないと淡い期待をもつ。

登り初めて4分で「あと2000m」の標識。雪が強くなったので雨具をつける。しっかりとしたトレースは早くも消えてしまう。二合目の標識のすぐあとで、糠の前登山口への分岐らしき道標があったが、朽ち果てており字は読めない。その辺りから幅広い雪面となりマーキングもないのでやや気をつかう。東北東に進めばよいと考えながら歩いていくとやがてテープに出会い、安心する。だんだん雪が深くなり絶えず膝あたりまで潜るようになる。ポールを突き刺すと、大きめのリングがついているにもかかわらず、ほぼグリップの所まで潜る。三合目の手前でルートをはずし、大回りしてルートに復帰する。やや平坦になり、四合目の休石につく。石は雪に覆われて、平たい休石には見えない。四合目の標識は辛うじて「四」の字だけが読み取れる。まだ時間はあるが、とても頂上は無理だ。せめて評判の急坂の所まで行きたかったが、それさえもう少し先のようなので、ここで中食をとり、引き返すことにする。雪も小降りになり、温度もさほど低くなく、ゆったりと休憩できた。




四合目の休石



糠の前登山口への分岐点と思われる所まで20分で下る。登りには80分かかった所だ。少し思案したが、同じ道を帰るのも芸がないので、わずかに残る踏み跡を追って糠の前口へ進む。かなり下りたが、だんだん地形も急になり、踏み跡などは見えなくなる。分岐点が正しければ西南西に向かえば必ず林道に下りつくことは間違いないのであるが、分岐と思っていた所が正しいという証拠がない。目の前に見える小ピークがP743らしいので、ほぼ間違いないのであるが、それ以上踏み込んで引き返すことになるとバスに乗り遅れるので、安全をとって登り返す。あとでガイドブックを読み直すと「二合目のすぐあとで糠の前口からの登山道と合わせる」と書いてあった。引き返そうと考えたときに、このガイドブックを取り出して確認しておけば、自信をもってそのまま下り続けることができたので惜しいことをした。


しかし、悪いことばかりではない。峠登山口についたとき、青空が広がり、六角牛山の全貌を初めて見ることができた。左手にさきほどのP743を見ながら下りはじめる。右手の山腹を注意していると、峠から7分ほどでそれらしき雪の凹みがあった。標識はおろかテープさえないので、夏でも利用者は少ないのだろう。ときどき後に見える六角牛山を振り返りながら1時間15分で登山口に戻る。六角牛神社の前に立つと、全く山が見えない。山そのものがご神体となっていることがよく分かる配列だ。




峠登山口からみた六角牛山



遠野に戻り、夕食までの時間があったので、鍋倉城址に行く。山からの帰りなので、登山靴をはき、ポールを持ったまま行くが、それがちょうどよかったくらいの山城だった。かなりの急な雪の斜面を登り、本丸跡を歩き回るにはスパッツされ着けたままの方がよかったと思うくらいの小登山だった。この夜は遠野で一番の冷え込みとなり、最低気温は−16℃まで下がったという。



鍋倉城址から夕焼けの六角牛山を望む



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