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2011. 10. 25 - 27
  荒沢岳

新潟の用件を済ませ、浦佐からの午後のバスで銀山平へ向かう。この日は銀山平でゆっくりし、翌日から回復するという天候に期待する。荒沢岳から丹後山に抜けて尾瀬の人に勧められた十字峡へ下山するというコースを設定したが、天候の回復が遅れ、またもや計画倒れで荒沢岳のピストンで終わってしまった。

同行: 単独



2011. 10. 25 荒沢岳登山口まで

コースタイム

1445 白光岩BS、1510-1550 駐車場近くにテント設営、1610-1617 銀山平船着場、1619 白光岩BS、1630 テント場。

浦佐からの急行バスに乗り、銀山平に向かう。バスは雨の中を上っていき、栃尾又温泉に立ち寄った後はトンネルばかりのシルバーラインとなる。一旦トンネルを出て、荒沢岳登山口の方へ橋を渡る。そこが白光岩BSで銀山茶屋という食堂もある。今回は荷物を減らすため、夕食は食堂で食べようと予定していた。この食堂に立ち寄って「夕食を食べたいが、何時頃まで開いているか」と聞いておく。「4時か4時半」とのことだった。自由に使ってくださいと書かれた傘がおいてあったので、それを借りて登山口まで行く。駐車場にテントが張れそうと考えていたが、「車中泊」「テント泊」はお断りとの注意書きがある。少し山の方へ入ってみると、水場の手前の林の中で張れそうなので、そこに決める。枝折峠は通行止めだったので、車は走っていないと思っていたが、どこへ行くのか結構の車の往来があったので、こちらの方がよかった。

4時前に着くように茶屋に行ったがすでにシャッターが下りていた。銀山平の船着場ならなにかあるかと行ってみたが、土産物屋があるだけで、「かもしかの湯」も閉まっていた。ちょうど定期バスが来たので、一駅だけバスに乗って戻る。携帯ラジオをつけても、札幌や東海のNHKが入るのに新潟関係がキャッチできない。携帯電話は通じたので、家に電話して、パソコンでピンポイント情報を調べてもらう。日本中の天気はよいのに新潟県だけ雨で、とくに六日町では大雨の可能性があり、温度も急低下との予報。重荷を持って冷たい鎖に頼りながら滑りやすい岩を登るのはやめた方がよいと停滞と決める。



2011. 10. 26 奥只見湖遊覧

コースタイム

0925 テント場、955-1000 銀山平船着場、1043 奥只見湖船着場、1142 奥只見湖BS、1200 白光岩BS、1210 テント場。

やることのない一日も悪くはないが、前日の夕食を作ることになってしまったので、もう一日延ばして十字峡に行くことができなくなった。食料は大丈夫だが、燃料が心許ない。朝食はテントの外で作り、外で食べることができたが、終わるとまた降ってきた。降ったりやんだりを繰り返すといっていた天気予報通りだ。一日に2本だけあるシルバーラインのバスを帰りに使うことにして、銀山平から奥只見湖ダムまでの遊覧船に乗って時間をつぶすことにする。乗る前にキャンプ場の様子を見ておく。誰もおらず気持ちがよさそうだが、ここから登山口までの20分ほどが惜しいので、ここを使うのを遠慮したのだが、まあ予想通りだった。

この天気でも沢山の人が船に乗っており椅子席は満杯という。雨は降っているが大した雨ではないので、船のデッキで紅葉を楽しむのに差し支えない。おばさん達は歓声をあげて、喜んでおられた。山の展望がよいのがウリなのに、それがないのが淋しい。




奥只見湖の遊覧船から見た紅葉





厚い雲に覆われた尾瀬方面



下船してすぐに小高い丘の上にあるJ-Powerの奥只見電力館に行く。係の人に「湖の水は結構きれいのに、ダムから放流されている水がとても濁っているのはどうしてか」と聞く。水面から60mも下の所に取水口があり、底の方は7月の新潟・福島大雨の影響で尾瀬の方から大量に運ばれてきた土砂が未だに除かれていないためと聞いて納得する。ちょうど尾瀬を歩いていたときのものだ。「それにしてもそんなに低い所から取水するのはエネルギーの損ではないか」と聞くと、その程度にしておかないと、かなり変動する水位に対応できないからとの返事だった。なんとなく分かったが、すっきりと納得したわけでもない。揚水発電でエネルギーを無駄なく使っていますという展示があったので、「エネルギーは70%程度しか回収できないので、無駄に使っているはず」と言ったが、理解してもらえなかったようだ。





奥只見ダム


そのあともビデオを見たり、湖面を見下ろしながらコーヒーを飲んだりしていたので、時間が少なくなった。バス停までの坂道を小走りに下る。ターミナルの所にはやはりかなり大勢の人がいて、まさに観光地だ。バスも一人でなく数人乗っていた。3度目の白光岩BSで下車し、銀山茶屋に立ち寄る。ちょうど時間もよいのでおでんをつまみに地酒をのみ、丼物で昼食とする。「前日の夕方に来たのに閉まっていた」と恨み言をいうと、「もう来るかもう来るかとキョロキョロしていたのですが」と言っておられた。テント場まで、朝に落としたシャープペンを探しながら戻ったが、見つからなかった。とくに退屈することもなく夕方を迎える。1700にはすべてが終わり、もう一度家に電話して、翌日の天候を聞く。午後からは晴れるとのことだった。早めに就寝。5℃。


2011. 10. 27 荒沢岳

コースタイム

615 テント場、658-705 前山(1091)、806-14 「これより岩場」の標識、917-28 前ー(1536)、1052 花降山からの稜線、1114-1206 荒沢岳(1969)、1328-35 前ー、1423-26 岩場の標識、1504 前山、1528-52 テント場、1600-1618 白光岩BS 

3時半に目が覚めると星空。ピストンにしたので、急ぐことはないが早く寝たので4時半には起きてしまう。3℃。やはり満天の星空で、カミソリのように薄い上弦の月がかかっていた。出発前に駐車場のトイレに行くと、登山届を出そうとしている人がいた。テントはそのままにして出発する。かなり急な登りで、どんどん道路が下になっていく。少しだけ紅葉が。朝にはなかった車が駐車場にみえる。すぐに傾斜はゆるむ。

前山に来ると一気に展望が開ける。新雪をまとった中ノ岳から駒ヶ岳への稜線が朝日に輝くさまが目に飛び込み、思わず歓声をあげる。ただ中ノ岳は少し木が邪魔になり、完全な姿を見せてくれない。荒沢岳は8合目から上が雲に隠れているが、その手前の黒々とした前ーと対照的に真っ白の衣をまとっている。前ーにもうっすらと雪が被っている。北側には先ほどからチラチラと見えていたツインピークの桧岳が遠くに見えている。手前に高倉山。さらに首を東北方向に振って、登ってきた方を見るとゆったりとした日向倉山が近くに横たわっている。その右手は会津朝日岳の方角だが、やはり上部は雲に覆われている。そのあとも所々できれいな紅葉が見られるが、いずれにしても最盛期はとうに終わっている。真っ赤な葉に小さな実が数多くぶら下がっているのはメグスリノキだろうか。ヤマモミジもある。枯れた枝に赤い実を沢山つけた木も目を慰めてくれる。先ほどから周りの山には朝日が射していたが、やっと歩いている尾根にも日が当たるようになってきた。下に目をやるとわずかにサワヒヨドリ、ウツボグサが目についた。前ーと荒沢岳の高さがほぼ同じに見えるようになった頃、ガスの晴れた荒沢岳にも全面に日が当たり、早くおいでと招いている。前山から1時間で「これより岩場」という標識のところに着く。





新雪の越後駒ヶ岳





前ーと荒沢岳





前ーが迫る(どこを登るのか?)





荒沢岳への稜線





かなり雪が減った駒ヶ岳





荒沢岳が近づく




ポールが邪魔になりそうなので、ザックにしまって歩き始める。アルミの階段や鎖が次々と出てくるが、基本的には危険な所はない。道ばたに残っている雪が現れるようになってきた。どなたかのホームページに鎖が100本以上あったのではないかと書いてあった。他にやることのない登り登りの道なので、試しに勘定してみた。シダの葉を15枚用意し、鎖10本終わるたびに葉を一枚ずつ捨てていく。どこまでを一本とするかなど難しいところもあり、やや確実ではないが前ーに到着した時点で41本だった。


前ーではまたすばらしい展望が待っていた。荒沢岳への稜線がきれいなカーブを描いている。駒ヶ岳は依然としてどっしりと構えているが、中ノ岳は見えない。そのあとは気楽な道となる。木の枝についた雪が日に照らされてきれいなのはよいが、しばしば上から首筋に落ちてくる。花降山からの稜線に出ると、すぐそこといった感じで頂上が聳えている。しかし、少し岩場を乗り越えていくので、20分程度かかった。

頂上に飛び出すと、最高の展望が待っていた。富士山が目に飛び込む。文字通り360°遮るもののない展望台で、ウロウロしなくても一ヶ所から全方位が眺められる。桧岳、毛猛山、未丈ヶ岳、日向倉山、浅草岳、横山、大川猿倉山、村杉山。会津朝日岳。大曽根山、花降山、丸山岳、梵天山、立倉山、三岩岳、中門岳、会津駒ヶ岳、田代山、帝釈山、台倉高山、大杉岳、黒岩山、袴腰山、燧ヶ岳、日光白根山、錫ヶ岳、皇海山、景鶴山、平ヶ岳、至仏山、大沢山、剱ヶ倉山、笠ヶ岳、武尊山、滝が倉山、富士山、にせ藤原山、灰ノ又山、国師岳、金峰山、灰吹山、越後沢山、八ヶ岳、本谷山、谷川岳、一ノ倉岳、源蔵山、下津川山、浅間山、小沢岳、丹後山、茂倉岳、仙ノ倉山、大水上山、兎岳、佐武流山、巻機山、割引山、苗場山、中ノ岳、越後駒ヶ岳。





頂上から中の岳と駒ヶ岳



頂上には朝に駐車場で出会った人が着いており、小さな雪だるまを作ったり、お湯を沸かしたりしていた。コーヒーをごちそうになる。釣りが目的で伝之助小屋に泊まり、ついでに登ってきたという。山はそれほど経験がないとのこと。サラミ、チーズ、タマネギを挟んだ手作りサンドイッチを持ってきたが、なかなか使える。いただいたコーヒーもあったのでとても満足。

ピストンするとは思っておらず、下りにどれほどかかるかを丁寧に調べていなかったのが、下手すると4時間近くかかるかもしれないと思い当たり、ゆっくりしすぎたかと慌てて出発する。分岐点から下に前ーを見ながら下りるのだが、なかなか近づいてこないのが不思議だった。ある所では遠ざかっているかのようにさえ見えた。頂上から1:20ほどで前ーにつく。前ーでの展望をゆっくりと楽しむこともせず、ひたすらバスに間に合うようにと下っていく。唯一持っていた記録の山頂=前ー間の所要時間が1:00となっていたので、かなり遅い。





前ーから奥只見湖を見下ろす。奥に大曽根山、丸山岳



鎖場でうしろから下りてきた例の登山経験のない人に追い抜かれ、どんどんと鎖場を駆け下りるようにしていたので、このようなのと比べると遅いのは当たり前だと納得する。この人は完全に両手で鎖をつかみ、後ろ向きになってスタンスなども確認しないまま、飛び跳ねるようにして下りていた。こちらは、鎖はあくまで補助手段で、ホールド・スタンスを見極めながら下りていたので、当然時間がかかる。その後途中でまた抜いたり抜かれたりしながら、最終的には似たような時間で下山したようだ。

前山まで3つのピークを越えていくので、遠いように感じた。そこまで来るとまちがいなく時間が計算でき、十分間に合うことを確信した。水場で顔や頭を洗い、テントに戻る。コーヒーを飲みたかったがそれほどの余裕はなかった。道を歩きながらテントを袋に詰める。バス停についたときは15分程あったので、また銀山茶屋に立ち寄り、長い間借りていた傘を返し、缶ビールを飲む。山菜のお通しがでてきたので、こんなのを売店に並べればよいのにと言う。色々と説明してくれたが、耳が遠くてほとんどわからなかった。すぐに来たバスはやはり一人ではなく数人が乗っていた。少し早めに浦佐駅についたので、一つ前の新幹線に乗り、30分早く帰宅できた。






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