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2011. 5. 19
  百蔵山・扇山


東京での用事の翌日に他用があった。いつものように事後登山を計画することができなかった。前日に軽目のハイキングを計画。全く新しい試みは、ショールダーバッグに革靴と上着を入れて歩いたこと。ズボンは共用。急坂になるとバッグを背中に回してザックのようにしてなんの問題もなかった。一日中好天であることが期待できたので、このようなスタイルが可能になった。下車駅と乗車駅が違うのでロッカーを使えないこともある(もっともロッカーはない駅だったけれど)。いつも中央線から見ている山で富士の展望台として有名な2山を選ぶ。



同行: 単独

  

コースタイ

1215 猿橋駅、1245 登山口、1350-1423 百蔵山(1003)、1550 大久保山、1600-25 扇山(1138)、1647-50 水場、1705 梨の木平、1752 鳥沢駅

食事は、少し早いが甲府までの特急の中で済ませておく。駅の高架橋から目的の百蔵山と扇山が目の前に見え、この日のコースの見当をつけることができた。西側には以前に歩いた滝子山や岩殿山も見えている。暑い日になりそうな予感を感じながら歩き始める。しばらくして、高速道の近くからさらにスッキリした扇山や百蔵山の姿を目にすることができた。




百蔵山に向かって



犬にほえられながら、民家の近くから岩殿山から雁ヶ腹摺山辺りの山並みを見渡す。こちらから見る岩殿山は意外にも鋭い岩峰となっていた。さらに良い展望場所は市営グランドの前。本社ヶ丸、岩殿山、それに続いて滝子山から雁ヶ腹摺山までの小金沢連嶺が一望できた。一日中見えるのかと期待していた小金沢連嶺であるが、実質的にはこれが最後。多分一番右に見えているのは大樺ノ頭だろう。すぐに登山口。さらに10分ほど歩いてやっと地道になる。水場を過ぎて、3組ほどの下山者とすれ違うが、時間も時間なので、それが最後の人の姿となった。ここはイカリソウが多い。一ヶ所だけ展望が開けた場所があった。見えたものはこのあと百蔵山の頂上から見たものとほぼ同じ。葛野への分岐に出る10分ほど手前だった。そのあとは尾根歩きになるが、木が繁っていて周りはあまり見えない。その代わり日が射さないので暑さがしのげる。道が広くなり頂上に着く。

丹沢あたりから本社ヶ丸までの展望がすばらしい。完全に透明ではないが、十分楽しめる。これは自然の展望台ではなく、大月市の「秀麗富嶽十二景」の一つに選ばれるために樹木を伐採したものらしい。その意味で人工的な光景。丹沢は黍殻山、丹沢三山のうちの2つ、蛭ヶ岳、檜洞丸、大室山が見えたのかなと思っている。右側は、三ッ峠山、御巣鷹山、本社ヶ丸まで。小金沢連嶺の方は自然のままなのでほとんど見えない。北西方向の比較的近い所にツインピークの大峰山が見えた。北北西に遠い山があったが、飛龍や雲取かもしれない。一巡したあと、腰をおろしてゆっくりと山を眺める。日は射しているが、風が心地よく吹き抜けていく。一帯にウツギ、ヤマザクラ、キジムシロの仲間などが咲いている。




百蔵山頂上からの展望。左から九鬼山、杓子山、富士山、高川山、三ツ峠山。



山頂からは10分ほど少し急な下りが続いたあと、なだらかな道となる。どこかで一瞬だけ扇山が高いところに見えた。鞍部からは300mほど登り返すので、当然の高さかもしれない。宮谷への分岐をすぎ、道が南を向くようになったところで、右手に百蔵山が見えた。これも意外なことにかなり尖った姿をしている。この稜線には、ニシキゴロモが群れをなしており、久しぶりに見るチゴユリも沢山見かけた。大久保山と書かれた札が下がっていた山頂は新緑に囲まれたすがすがしい場所だった。すぐそこが頂上かと思わせる地形が何度かあったのち、広々とした扇山頂上に出る。




意外に鋭い百蔵山の姿

中央がややくぼんでおり、テントがいくつも張れそうな珍しい所。こちらの方は、百蔵山よりは木が多く、完全に景色が繋がらない。しかし基本的には同じ領域が見えている。ただ、上野原の左手に生籐山を中心とする笹尾根が広がっており、北北東にもやや鋭いピークだけが見える。多分権現山だろうが、周りの状況がまったく分からないので、はっきりしない。年末に行った人のHPには小金沢連嶺や奥秩父も見えたとあったので、落葉するとよいのかもしれない。





扇山山頂広場



こちらの下山道は歩きやすいように適度のジグザグが切られている。途中には水場もあり、美味しい水が流れていた。ホウチャクソウ、チゴユリ、テンナンショウ、オオカメノキなど。40分ほどで車道に出て、あとは舗装道路を下っていく。このあとも、なかなかよい展望が待っていた。逆光の夕暮れの光の中に、上から見たのとは少し角度が違う景色が広がっていた。富士山もすっかり力を失い、弱々しい光をはなっている。鳥沢駅の近くで、早目の夕食を済ませ、東京に向かう。鳥沢駅から見る倉岳山、高畑山、大桑山は近くて大きい。東の方には、倉岳山の東のいくつものピークが黒々と連なっていた。よい展望の半日だった。




鳥沢駅から高畑山、大桑山




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