トップページへ      地域別索引へ      九州索引へ       年次別索引へ


2010.
9. 8 根子岳



阿蘇には何度も来たようなつもりでいたが、登山で来たのは、今回と同じMさんと仙酔峡から高岳、中岳に登っただけ(1998.1.15)。バス登山で3度来ているので、勘違いしていたようだ。泊まっていた鳥栖でピックアップしてもらい、宮地駅の所から阿蘇に入っていく。日の尾峠との分岐点で、左根子岳という表示があったのに、日の尾峠の方へ行ってしまう。間違ったものの、峠ではそこから始まる高岳や根子岳西峰への道を見ることができ、阿蘇の一部を把握できたのでよかった。元にもどり、三叉路を根子岳登山口の方へ向かう。藪が道を覆い、脱輪しないかとヒヤヒヤする。車体にかなり傷がついたのではなかろうか。行き止まりの所まで車を進め、登山届けを出す。


同行: M氏

 

   

コースタイ

940 登山口、1013 二俣、1035-50 眼鏡岩、1115-37 天狗のコル、1233 蟻の戸渡し、1247-49 東峰(1408)、1348-55 天狗のコル、1416-20 眼鏡岩、1510 登山口

登山道がはじまるとすぐに堰堤越えとなる。かなり奥深い様相の渓谷を登っていく。一度だけ、かなりの壁に突き当たり、行く手が見えなかったが、急に左へと方角が変わっていたのだ。そのあと、かなり大きな二俣に着く。はっきりと右手の沢に進みなさいという標識があった。やがて眼鏡岩に着く。2005年の記録には3つの穴の開いた眼鏡岩の写真が載っており、2007年に2つになったという記録がある。今回は、2009年と同じで、穴は1つになっており、もう眼鏡岩とは言えない。これほど激しく崩壊が続いているのだ。ここで、一休みする。





眼鏡岩


ここから沢を外れて、左手の林に入り、急坂を登って天狗のコルに着く。南側はガスが立ちこめ、豪快な断崖絶壁があるというのに全く見ることができない。しかし、東側のピークを見上げるとその右側はまさに断崖絶壁となっており、一部を垣間見ることができた。西の方へ少し顔を出してみると、「キケン、止マレ」といったペンキとともに、固定鎖やハーケンがトラバース道に残っているが、その先がガスで見通せない。ルートを知っていれば、道具なしでも登れるようだが、前に進むのは自重する。




天狗峰


時間もたっぷりあるので、東峰を目指して出発する。コルから見ると、急峻なピークに見えた最初のピークも、どうということもない普通の縦走路。しばらく行って、二又になり、右手に登ると展望台になっていた。そこから振り向くと、かすかに天狗峰の形が見えた。ローソク岩といった風情。「この先断崖絶壁危険」とあり、ロープが張ってあったが、他の場所のように「進入禁止」とは書いてなかったので、進んでみる。途中までしっかりしていたが、そのうち滑りやすそうな大きなスラブに出くわし、その先には道も見えない。方角も西方向を向いてしまっていた。やはり先ほどの注意書きは本物だった。展望台のすぐ下にあった左手に行く道が登山道。そのあと少しして、ガスが薄くなり、東の方の裾野の視界が開けてきた。

途中で危険な個所を迂回する道がつけられていたが、急な道をかなり下るので、やや嫌気がさす。蟻の戸渡しが広がって危険なためかと想像したが、蟻の戸渡しは迂回路を過ぎた所にあった。ごく狭いギャップで、深さも1mもない程度のもので、全くの予想はずれ。

このあとの小ピークで、さらに頂上はかなり先だということが分かり、以前に2度も登っているM氏はそこで待っているという。一人で往復したが、この間の道はかなり藪が濃くなっており、ヤカタガウドを登った人の半数以上はここまで来ていないような感触だった。東峰の手前が分岐点になっており、立派な標識があったが、書いてあることは読めない。左に進むと東峰山頂だった。依然として展望はきかない。

待って貰っているので、すぐに戻る。合流してまた迂回路を辿る。二人が異口同音に言ったのは、「来たときと比べて、うんと楽な感じだった」ということだった。不思議なものだ。当初、下山路の一つの候補にあげていた見晴新道の入口は分からなかったが、おそらく進入禁止の看板があった所だろう。死亡事故もあり、ほぼ廃道という。コルの手前から、先ほどよりははっきりとした天狗峰のシルエットを見ることができた。コルで最後の休憩をし、同じ道を下る。この日も、他のハイカーには会わなかった。紅葉の季節には大勢が詰めかけるらしいが。

車に乗ってから、高岳の方を見続ける。多少ガスが薄くなり、雄大な阿蘇の全貌がなんとか把握できるようになっていた。





トップページへ      地域別索引へ      九州索引へ       年次別索引へ