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2010. 04. 23
-25  お金明神・ワサビ峠・クラシ・鎌ヶ岳 



昨年の12月に引き続き、四日市から湯の山温泉を経由して、愛知川源流に行く計画を立てる。3つほどの懸案事項を目標とした。前回行けなかったお金明神とコリカキ場探訪、少し厄介そうなオゾ谷からクラシへの沢登り、どこからも目立つ山容の鎌ヶ岳登頂である。今回はなんとか道迷いなしで、やり遂げたいと思ったが、やはり3度も大きなミスをする結果となった。


同行: 単独

2010. 04. 23 御在所山から上水晶谷出合まで

コースタイム

0953 三交BS、1031-40 中道入口、1055-1108 中食休憩、1130 負ばれ石、1206 地蔵岩、1300-10 山上公園、1330-37 三角点(1210)、1350 裏道分岐、1405 国見峠、1415-25 中食休憩、1528-34 根の平峠分岐、1550 上水晶谷出合

御在所登山道としては最も魅力のありそうな中道を歩く。風が強くてロープウェイは停止していたが、天気そのものは悪くない。西側が崖になっており、ロープウェイの白い鉄塔が見える所へ出ると、ものすごい風だったので、少し引き返して中食をとる。ロープウェイの下をくぐる頃、数本のサンシュユが咲いていた。やがて、負ばれ石や地蔵岩などの巨岩群。下界もよく見え、アカヤシオ、ムラサキヤシオ、タムシバなどが一面に咲いており、下には、ショウジョウバカマやスミレが少しある。評判通り、退屈しない道だ。ヒガラがすぐそこの小枝に止まってくれ、声を聞かせてくれる。六甲を思わせる花崗岩地帯を通り過ぎると、山道が濡れてくる。上から下りてきた人に「なかなか楽しい道ですね」と声をかけると、とんでもないという表情で「風はきついし、昨日の大雨で道が滑って歩きにくい」とこぼしておられた。1日経っているのに、どんどん滲みだしてくるのだなと今更のように気がつき、愛知川も増水していると困るなと心配になる。




地蔵岩


勾配がゆるむと、頂上が近い。三叉路に、ロープウェイ山上駅とアゼリアを示す道標があったが、山頂がどこなのかは書いていない。ここはどこでもはっきりしない道標が多く、不親切な印象だ。とりあえず、山上駅に行ってみる。ここは山上公園というらしい。気象レーダーがある。ここにも沢山の標識があるが、山頂を示すものはない。「30周年 御在所山 朝陽台(あさひだい)」という訳の分からない堂々たる看板がある。ガスが出てきているので、どこも見えないので見当がつかない。とりあえず、先ほどの三叉路に戻り、アゼリアと書かれた方へ行ってみる。中高年の夫婦がやってきて、「表道から下りるつもりだったが、ロープで通せんぼうがしてあった。通れないのですかね。」と聞かれたが、もちろん分からない。この人達が、山頂部で出会った唯一の人だ。アゼリアというレストランの前は広場になっており、色々のものがあるが、山頂を示すものはやはりない。ウロウロした挙げ句、やっとそれらしきものを見つけ、山頂をめざす。途中に表道の下山口があったが、やはり通行禁止のようだ。三角点についたが、ロープウェイもリフトも何もかも休止なので、人っ子一人いない。山口誓子の「雪嶺の 大三角を 鎌と呼ぶ」という句碑があった。

ここから、直接国見峠へ下りられるかどうかが、いくら調べても分からなかった。25000分の1には点線が描かれているが、ネットにはそのような道のことはどこにも書かれていない。スキー場の方向に下りながら探ってみたが、やはりどうも廃道になったようだ。仕方なく、スキー場を通り抜け、最初の三叉路に戻る。そこには、裏道の9合目と書いてあったので、国見峠に行けることは間違いない。途中、小川のようになった道を少し歩かされたが、靴の中が濡れるほどではない。15分ほどで峠を通り過ぎて、上水晶谷へと入っていく。最初、道が川になったり、ササに覆われたりして、分かりにくい。濡れると嫌なので、ザックを下ろし、スパッツを着ける。ついでに、若干のカロリー補給。やがて、曖昧さもなくなり、乾いた右岸沿いの道を気持ちよく歩けるようになる。峠の近くは分かりにくく、やがてはっきりしてくるというのは、ヒロ谷の感じとよく似ている。鹿のねぐら、炭焼きの跡、飯場の食器のカケラなども現れ、また来たなという幸福感に包まれていく。目的地に着くのは遅ければ遅いほどよいという気持ちになる。沢に近づいたり離れたりするたびに、沢音がクレッシェンドになったりデクレッシェンドになったりする。この谷間にもタムシバがポツポツと咲いている。タムシバは、群生するより、このように孤独に咲いている姿がよい。根の平峠への道、杉峠への道を分けると、緩やかな斜面を愛知川に向かって進み、見覚えのある出合に着く。テントを張る場所はよりどりみどり。対岸には、翌日に下りてくる予定の小峠からの沢が見えている。16時前につき、翌日も急がないので、ゆったりと夕食の準備をする。キムチ鍋。翌日の夕食に加えて、おにぎりも作ろうと2合の米を炊いたが、多すぎたのか芯のあるものしかできなかった。鍋ものをさかなに酒を飲んだ後は、鍋に半煮えのご飯を入れて、おじや風の夕食とする。夕方の気温は3℃程度。夜、外にでると、雲もあったが、一応満天に星が出ていた。




上水晶谷の滝



2010. 04. 24 お金明神・コリカキ場・クラシ

コースタイム

0620 テント場、0727 オゾ谷出合、0758 大瀞、0810-20 お金明神登山口、0847-58 お金明神、0913-15 お金峠、0932-45 コリカキ場、1007 ワサビ峠入口、1038-43 ワサビ峠、1105-25 オゾ谷の二俣、1228-36 尾根、1256 クラシ東端、1320-37 イブネ、1343 イブネ北端、1450-1500 位置確認、1522 登山道、1534 テント場

4:40に起床。この日は、半年前に見損ねたお金明神を訪れるのが最初の目的だ。川の流れは前日に比べてそれほど違わないが、渡るのに不自由するほどではない。しかし、飛び石伝いには無理なので、靴を脱ぎ、ズボンをまくり上げて渡る。足の裏を痛めないようにテント用のスリッパを履いておく。大した冷たさでもなく、水の深さも20cm程度なので、問題ない。渡ってからも日が射している中で、靴を履けるのでありがたい。20分足らずで歩き始められた。

ところどころで、水が湧き出し、すぐに結構の水量の小川になったりしている。前々日の大雨が、今になって表面に出てきているのだ。地図には、タケ谷の所で一度右岸に渡り、またすぐに左岸に戻るように書いてあるが、問題なく左岸通しで歩ける。少し崖状になり、崩れているところもある。クラシ谷の標識をすぎると、多少の高巻きがある。炭窯跡を見ながら平坦な部分をのんびり歩くのもよいが、たまには上り下りがあるのも変化があってよい。ウグイスをはじめ数種の小鳥のさえずりが聞こえ、タムシバ、ショウジョウバカマが今日も所々で咲いている。そろそろ新緑かなと期待していたが、少し早かった。そのせいで、林の中は一段と明るい。オゾ谷、大瀞を過ぎて、お金明神入口まで1時間半だった。

入口から少し登ってから左手の沢に入り、左岸を登る。前回見た大きな岩の所で右手に回り込み、乗越に出る。そこから右手に登って、「お金明神」という立て札があった小ピークに行く。なんと、標識はなくなっている。お金明神でもないのに、その立て札に迷わされたので、非常に混乱したのだが、同じことを思う人が撤去していたのだ。とにかく、もう少し下りないといけないらしいので、南の方角へ少し下りると、左手に薄い踏み跡があった。それを伝って下りていくと、果たしてお金明神がキリッとした顔で前方を睨んでいた。それまで日が射したり陰ったりしていたが、ちょうどこの時は日が射してくれたので見栄えがよかった。一周するとよいという記事があったので一周したが、とくによいことはなく、最初に対面した所がベスト。




お金明神


無事対面を果たし、乗越に戻って、お金峠への道を辿る。15分で峠。そこからは初めての道で、コリカキ場へと下る。そこそこの傾斜で、タムシバがポツポツと咲き、その先には銚子ヶ口が見えている。下谷尻谷に出て、少し右手に行くとコリカキ場だった。もっと神秘的な雰囲気を予想していたが、思いのほか明るい。北谷尻谷から流れ落ちる小滝に日が当たっていることも一つの理由だろう。小さな集落くらいできそうな、平坦地が広がっている。お金明神の登山口で休んでからまだ1時間ちょっとしか歩いていないが、ここで休まない手はないので、ザックを下ろし、のんびりとこの雰囲気を味わう。



コリカキ場

その後、色々な遺物を見ながら、下谷尻谷を遡行する。川の中を歩くので、方向が分かりやすく、地図との照合が容易。ワサビ峠への分岐もすぐに分かった。そこには、煙突までついている小さな小屋がある。誰かが個人的な住居を建てたのだろうか。この沢を登り始めると、前にワサビ峠の向こう側で見たライトブルーの長いテープが垂れ下がっている。大変見苦しいので、短くしたいくらいだ。驚いたことに、ワサビ峠を越えると、それが完全に取り払われていた。同じ思いの人が撤去したに違いない。落ち着きを取り戻したかのような沢を二俣まで下りていく。やはり、一度歩いたくらいでは(それも逆向きに)、あまり記憶に残っていない。途中で、右手から合流してきたほぼ同じ大きさの支沢も覚えていない。頭を働かせずにブルーのテープを辿ったためかもしれない。

二俣のあとは難路となるらしいので、ゆっくりと休み、英気を養う。少し離れた所に、濃紺のオオルリがとまっていたのに感激する。オゾ谷を10分ほど遡ると、右手から比較的大きな沢が入ってくる。6-7段に分かれた滝が架かっている。水量が少ないと涸れているかもしれない。傾斜が急になる頃に右手の尾根に逃げたというレポを読んでいたが、できるだけ沢を詰めようとそのまま登っていく。沢の水がほとんど涸れた頃、行く手に空が見え始めた。しかし、それからも少しあった。斜面にイワウチワが見られる。足だけで登ることができなくなるが、細い木の根があちこちにあるので、それが頼りになる。小峠の近くでのザレ場で難渋したことを思えば、苦労はないも同然。二俣から1時間で尾根に辿りついた。そこにはいくつかのテープ標識がある。登り詰めた所が登山道であることを示しているとともに、登ってきたのが間違っていないルートであることを示している可能性がある。そこからはちゃんとした踏み跡がある気楽な尾根道となる。ここも明るく開けている。以前に天気の悪いときだったが、クラシ東端から東の方を覗き込んだとき、こんな暗い道を歩いてくる人がいるのかといぶかった覚えがあるので、意外も意外だった。クラシ東端のすぐ近くでは確かに樹が密集していたが、それ以外は、踏み跡があろうとなかろうと関係なく歩ける気持ちよい尾根だった。クラシ東端には「クラシ 1154米」という標識があるが、これも誰か自信のある人が撤去して貰いたいものだ。1154mでないことは間違いないし、地理院地形図にはもっと西の所にこの辺りの最高点1145mのマークがある。こちらの方をクラシとするのが常識的ではないだろうか。

それはともかく、小峠へ下りるためイブネ北端に向かう。ヒカゲノカズラが伸びている。途中で一人の若者とすれ違う。クラシ辺りまでブラブラ散歩してくるといっていた。イブネ北端までくると、ますます展望が広がり、気分は高揚する。ついついイブネの方へ足が向いてしまう。銚子ヶ口、御池、釈迦、御在所、鎌、雨乞、そして反対側の遠くには彦根方面、近江八幡方面が山の間に見える。多分三上山が見えている。イブネで風をよけて東斜面に下りて、御在所を正面に見ながら腰を下ろす。今回、2度目だが、実質上は初めてともいえる御在所を歩いてきたので、複雑な各ピークの関係がよく理解できた。




クラシと御池岳方面




イブネから国見岳・御在所山・鎌ヶ岳



寒くなってきたので、北端に戻り、そこから尾根を下りる。少し下りただけで、もう寒さはなくなる。最初来たときに迷った沢の所までは、上りで2回、下りで1回歩いている所なので、もう心配はない。と思っていたら、やはり甘くはなかった。高昌山の分岐からかなり下までは、問題なくテープを辿っていたが、そのうち左側にずれ始めたらしく、気がついたら見覚えのない急斜面を下りていた。当然例の小沢に出てよい時間だったが、もう手遅れだ。だだっ広い沢のような所に出て、やっとザックを置ける傾斜になった。GPSでチェックすると、やはりかなり北にずれていた。そのあとの傾斜は緩く、とくに問題なく愛知川に出られそうだったので、そのまま下ることにする。川に沿った登山道に降り立ったと思うと、ちょうど川の向こうにテントが見えた。距離的には最短距離で下りてきたことになる。もう一度、靴をスリッパに履きかえて渡渉し、テントに戻る。夕食のレトルトカレーを忘れてきたので、あり合わせのものを具にして、玉子おじやを作る。芯のあるご飯ではどのみちうまいカレーができなかったので、むしろよかったかもしれない。21時頃に外に出ると月が輝いており、2時になると星空になっていた。最低気温は−5℃まで下がったので、少し寒かった。一つだけ持っていったカイロを身体のあちこちに回してしのいだ。 


2010. 04 .25 コクイ谷・クラ谷・御在所山・鎌ヶ岳

コースタイム

0630 テント場、0656 コクイ谷出合、0751-0808 クロ谷出合、0821 クラ谷出合、0844-50 炭焼き跡、0930 武平峠の標識でUターン、0957 武平峠への道へ、1016 沢谷下降点、1048-1102 県境尾根、1127-33 御嶽大権現への尾根、1213 御嶽大権現、1258-1309 武平峠、1410-33 鎌ヶ岳(1161)、1630-45 長石谷の堰堤、1710 湯の山温泉BS

冷えたのも好天になったためだろう。この日も、西側の尾根が上の方から順に朝になっていくのを見ながら、出発の準備をする。この日の予定は、歩いた経験のあるコクイ谷を上り、できれば沢谷を、分かりにくければクラ谷を上って、武平峠への一般登山道に入り、鎌ヶ岳から雲母峰を越えて、近鉄の駅まで歩くことを考えていた。

コクイ谷の分岐まではすぐだ。以前にコクイ谷を下りてきたときは最後まで沢筋を歩いてきたと記憶しているが、しばらくは沢沿いの道を歩けるようになっている。右手から大きくザレ状になった沢が入ってくるあたりからは沢筋を歩く。黒谷の標識があるところで、一休みする。標識の架かっている木はアセビ。このあたりからGPSは電波をキャッチしなくなったが、沢が分かりやすくカーブしているので、沢谷の手前の沢をやり過ごし、沢谷に入っていった。と思っていたが、これが間違い。右手から入ってきている沢があることを見過ごしていた。それをクラ谷と思いこみ、左手の沢に入って行く。実際はこれがクラ谷だった。前に上から下りてきた経験などはなんの役にも立たない。入ってすぐに左手に滝が架かっている。これが沢谷だったのだ。とても登れそうにないし、歩いているのが沢谷と信じていたので、その沢のことを考えもしなかったのだが、今から思うとそれ以外に沢谷はあり得ない。帰ってから調べると沢谷とクラ谷の間の尾根を上り、滝上で沢に下りるらしい。クラ谷の方はすぐに小さなゴルジュがあるが、靴を濡らさずに乗り越えられ、その後はどんどんと水量が減っていくこともあり、苦労はなくなる。岩もしっかりしており、沢登りの快感を味わえる。やがて沢が広がり、かなりの規模の炭焼き跡にでる。GPSが使えるようになったので、チェックするとやはりクラ谷を遡っている。沢が大きく逆S字にカーブしている地点だ。折角休憩もし、GPSも見たのだから、ここでもっと熟慮すべきだった。武平峠への道は、まさにこの近くだったのだ。




コクイ谷出合




クラ谷に入った所の小滝


そして、雨乞山という標識なども見ながら、どんどん西に向かってしまった。あとで考えると、雨乞岳=武平峠の道は、一般登山道なのでしっかりした道のはずという思いこみがあり、その立派な道に出るまでは歩こうという気持ちだったらしい。そして、武平峠方面は下流へという標識にでるまで、前進を続けてしまった。七人山のコルまでもう少しという所まで行ったことになる。ここも以前に歩いており、そんな立派な一般登山道でないことを知っていたはずなのに、とんまな勘違いをしたものだ。引き返すと、始めて2人連れに出会った。先方も、はじめて人に会うと言っていた。考えてみるとスカイラインが不通なので、好天の日曜とはいえ、武平峠から雨乞岳に登る人が少ないのだ。1時間のロスで武平峠への分岐点に戻る。

そこからは多少道がよくなる。小さな乗越を越えて沢沿いの道になり、コクイ谷への下降点に着く。そこには結構立派な標識がいくつかあった。下の沢谷の入口にも多少の標識がほしい所だ。そのあと、どこでどう間違えたか、またもや道を外してしまう。だんだん細くなるが上に開けた稜線が見えるので登り切る。正面に鎌ヶ岳がどっかり座っている。県境尾根にでたのだ。




県境尾根から鎌ヶ岳


少し遠回りになったが、県境伝いに東に行けば、登山道と合流するはず。しかし、またまたミスをする。ちょっと信じられないのだが、知らない間に登山道を越えてしまっていたらしい。尾根に乗り上げ、GPSを取りだしたときには、すでにかなり北に行ってしまっており、御嶽大権現への尾根に入り込んだことが分かった。もう一度、しっかりした尾根にでた。そこにはいくつかのマーキングがあり、御在所方面への尾根にもなんとかトレースもあるので、それを登って御在所を再訪するのも悪くないと諦める。しばらく登ると傾斜がゆるんで、御嶽大権現に到着する。正面に望湖台、三角点、山上公園が見え、子供連れなどの大勢の観光客が小さく見える。




御嶽大権現から鎌ヶ岳


望湖台からの展望を楽しみたいとも思ったが、表道が使えないとすると、中道や裏道を下山道に使うのも気が進まない。時間を計算すると、鎌ヶ岳に行くだけの余裕はありそうだ。少し舗装道路を歩いたのち、武平峠への道に入る。ここにもトラロープが張ってあり、どこもかしこも通行禁止にしたいらしい。この道は、1998年に法事のついでに駆け足登山した道。たしかその時もスカイラインが半分不通だった。仙台からの車で、滋賀県側から峠まで来て、頂上でロープウェイの終了を告げる蛍の光を聞き、暗くなった武平峠へ引き返した覚えがある。今回は明るい。武平峠への途中でハルリンドウを見つけ、それだけでもこちらに来た値打ちがあったと喜ぶ。峠で、それからの登りに備えて、中食を取る。鎌ヶ岳から下りてきた人が、スカイラインから湯の山温泉に下りるのだといって、トラロープをくぐって行かれた。車道を歩くのでなく、脇に登山道があるらしい。

鎌ヶ岳の登り道で、雨乞山を始めて見ることができた。途中でやや平坦な道もあるが、最後の詰めは鎖に頼らねばならない急坂。最後の鎖から手を離すと、そこが頂上だった。荷物が重いためか、コースタイムより少し遅い到着だ。この登りでは何組かの人達とすれ違ったし、頂上でも数グループがたむろしていた。頂上は少し長細く、少し移動しながらになるが、雲母峰、入道ヶ岳、水沢岳、仙ヶ岳、高円山、能登ヶ峰、サクラグチ、綿向山、雨乞山、イブネ、銚子ヶ口、御在所山と南北の山々をすべて見渡すことができる。最後の下りで迷いたくないので、どこが一番しっかりした道かと、人に会うたびに確かめ、長石尾根を選ぶ。登っているときには、どこに下山道があるのかと思うくらい急な山に見えたが、それほどの勾配でもない道がうまくつけられている。群生とまでは行かないが、かなりの数のハルリンドウも咲いていた。それ以上に、ヤシオツツジやタムシバが目を楽しませてくれる。サンシュユ、ミヤマシキミなども。



鎌ヶ岳から仙ヶ岳、高円山、能登ヶ峰など




鎌ヶ岳から御在所山




鎌ヶ岳から雨乞岳・イブネ・銚子ヶ口など

最終一台前のバスに乗れそうなので、足のことを忘れてすこし急ぐ。大体終わりになって、大きな川に降り立った。中高年夫婦が、道がないと言ってウロウロしておられた。地図で確かめると、長石谷に降り立ち、北に進んで三滝川を越えればすぐに車道に出るようだ。しかし、下流方面は堰堤に阻まれてとりつくポイントが見つからない。川原に下り立った所に赤テープなどが張ってあり、いかにもここが正しい下り口だというような雰囲気だったのが、ウロウロした原因の一つ。川原から元の登山道に引き返してみると、すぐに堰堤の横を越えていく道が見つかった。ここでの時間ロスがなければ一つ前のバスに乗ることができたが、結局最終になってしまった。食事をするような場所も全くないので、近鉄四日市まで行き、途中下車してしっかりと食事をした。



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