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2007. 2. 28
  天城山


うまくすれば天城峠まで縦走しようという予定で出かけた。そのため、東京での食事のあと、荷物を三島駅で預けてから、伊東に泊まるというややこしいことをする。23時過ぎに着く。


同行: 単独

  

コースタイ

706 浅間神社BS、753 鹿路庭峠(ロクロバ)、848-851 矢筈山(816)、948 鹿路庭峠、1110-1120 遠笠台、1154-1200 天城高原ゴルフ場登山口、1252-1300 万二郎岳(1299)、1401-1411 万三郎岳(1406)、1433-1436 小岳(1360)、1455 涸沢分岐への分岐、1520-1530 涸沢分岐、1550 水場、1623 菅引への分岐、1640 天城高原ゴルフ場

ゴルフ場までのバスには乗れないと聞いていたので、伊東に泊まった翌朝、駅を6:25に出る路線バスに乗る。しかし、これは間違いで、500円で登山口まで乗れるようになっていたらしい。それなのに710円払って、うんと手前の大室山の下から歩くことを選んだことになる。「池の部落の手前の登山口から登りたい」と運転手に言ったが、その道はあるかどうか分からないので、浅間神社前からの車道にしろと言う。BSは、大室山のすぐ下で、120m登れば山頂に行けるが、先が長いので自重しておく。車道は伊豆スカイラインへの道なので、かなりの通行量であり、道ばたにはゴミが多い。鹿路庭峠からは森の中を歩けることになり、ホッとする。

はじめに25000地形図に出ている矢筈台への道に違いないことを磁石で確かめ、そのあとはなんの疑いもなく、道なりに歩いていく。そのうちに山頂へ700mという標識が出てきた。遠笠山まで700mということはあり得ないので、矢筈台の団地の一部を山頂というのかなといぶかりながら歩く。だんだん道があやしくなってくるが、何度も山頂へという標識があり、そのまま歩く。苔むした岩がゴロゴロとしているが、苔は健在で、多くの人が歩いたとはとても思えない道である。やっと山頂にたどり着くと、なんとそこは矢筈山だった。遠笠山や別荘地が正面に望める。車道からすっくと聳える興味ある姿を見ながら歩いてきたので、登って悪いことはないが、同じ時間を使うなら、遠笠山に登りたかった。あれだけ沢山あった標識の一つくらいに、矢筈山と書いておいてくれればよいのに。

大した展望もないのですぐに下るが、目を凝らし、頭を働かし続けないと道を失ってしまうような道だ。帰りは注意に注意をしていたが、やはり矢筈台への登山道は見つからなかった。一個所だけ、それらしき所に赤布が2本ほどあったので探ってみたが、すぐ立ち消えになり、事実上廃道になったらしい。BSから歩いた記録をインターネットでかなり探したが、皆さんマイカーかバス利用なので、歩いた記録が一つも見つからなかったのも当然だ。鹿路庭峠まで戻り、そこからまた車道歩きとなる。遠笠台の近くの道路際で、簡単に昼食とする。全部で11kmほど歩いてから、やっと登山口に到着する。登山口までこんなに歩いたのは、初めてだ。ハイカー用の駐車場には5台ほどの車があった。とても縦走する時間はないので、万二郎、万三郎だけでも登ることにした。帰りのシャトルバスの発車時間をチェックして、ようやく登山開始である。

しばらく行った分岐点で、万二郎への道をとる。雪は頂上付近でかすかな痕跡があるだけだ。頂上を過ぎて少しの所で、前方の展望が広がるところがある。万三郎は馬の背でほとんどが隠れているので、あまり迫力のある展望とは言えない。しかし、小岳から延びる稜線の先に西の山々、左側には南の幾重もの未知の山並みが並んでいる。そして北側には、かすかに発端丈山、葛城山の後に鷲頭山、大平山、そしてその後に富士山の一部が霞んでいる。新幹線から万二郎が見えることは間違いない。10分ほど行くと今度は後方の展望が開ける。万二郎ののっそりとした山容、さらには遠笠山のうしろに出発点の大室山が見える。すぐうしろは太平洋である。馬の背はアセビのトンネルという名の通り、大変見事な集落である。花はもちろんないが、瑞々しい葉っぱを見ているだけで気持ちがよい。




万三郎山

万三郎の登りでは、ブナ、アセビ、アマギシャクナゲが繁っている中に一本だけ風格のあるブナの大木があった。頂上はさすがに若干の霧氷が残っており、一段と高い位置にあることを物語っている。案内板の行程表を眺めながら、なんとか小岳は往復できると考え、果物を口に入れ、水分を補給して出発する。

Tシャツ一枚で歩いているので、大して汗を出していないが、花粉病のため鼻水が絶え間なくでて、水分が欲しくなる。シャクナゲコースへの分岐点に荷物を置いて、空身で小岳を往復する。行ってよかった。実に気持ちのよい山頂だった。春のような青空の下、比較的細いブナとアセビが広がっている。木の間越しに、万三郎や南方向の下界も透けて見える。もっと居たかったが、コースタイムギリギリしか残っていないので引き返す。涸沢の分岐までの下りは、例によって歩きにくい丸太階段が続く。ハイカーはこれを嫌って歩きやすいコースを勝手に開発するので、階段は環境破壊に貢献していることになる。なんとか再考して貰いたいものだ。あっという間に分岐に着いたので、今度はバスの待ち時間が長くなることが心配になり、時間調整のためウィスキーを少しだけ飲んで休む。その後はほとんど上り下りのないトラバース道で登山口に戻るのであるが、あまり興味をひく道とは言えない。

バスの出発時刻16:56の15分前にゴルフ場に着いた。駐車場の向こうに富士山が聳えていた。この日初めて見えたのであるが、ここからは霞んでおらず、意外にくっきりと見えた。遠笠山の鉄塔もすぐそこである。靴の泥を落としたり、自販機のジュースを飲んだりしながら待っていたが、一向にバスは来ない。駐車場からハイカーの車は消えており、ゴルフ場のクラブハウスは閉まっており、携帯電話の電池が切れてしまっていた上に、公衆電話の電話機は取り外されているので少し慌てた。人里まで歩くのは構わないが、その日の中に帰れなくなってしまう。幸いにもゴルフ場の開始準備に来ていた人の車が降りていくのが見えたので、停まってもらった。「定期バスが来ないのだが、行くところまで乗せて貰えないか」と頼み込んだところ、快く乗せてくれた。川奈まで乗せてやると言われ、これで無事大阪まで帰ることができるなと安堵した。車で走っても大室山の出発点までは長かった。こんな舗装道路を、よく歩いたものとあきれてしまった。





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